2017年11月12日日曜日

MSの最新テクノロジー全部乗せ満腹のTech Summit 2017基調講演 - ASCII.jp

モダンワークプレイスからMR、サーバーレス、量子コンピュータまで

2017年11月10日 13時00分更新

文● 羽野三千世/TECH.ASCII.jp

 日本マイクロソフトは11月8日~9日、恵比寿のウェスティンホテル東京で開発者向けイベント「Microsoft Tech Summit 2017」を開催した。8日の基調講演では、モダンワークプレイス、MRのビジネス活用、IDのセキュリティ、アプリケーション開発、量子コンピュータなど、幅広いテーマでマイクロソフトの製品とテクノロジーが紹介された。

「モダンワークプレイス」とは?

 マイクロソフトが今年7月に発表した「Microsoft 365」は、Office 365、Windows 10、Enterprise Mobility + Security(EMS)を統合した月額料金制の法人向けライセンスだ。同社はMicrosoft 365を“モダンワークプレイス”と呼んでいる。

 日本マイクロソフト 執行役員 常務 デジタルトランスフォーメーション事業本部長の伊藤かつら氏は、モダンワークプレイスとは、「デジタルトランスフォーメーションの働き方改革版。社員全員の能力を最大限に引き出し、チーム一丸となって共通のゴールを目指すためのテクノロジー」だと説明した。

日本マイクロソフト 執行役員 常務 デジタルトランスフォーメーション事業本部長の伊藤かつら氏

 Microsoft 365がなぜ働き方のデジタルトランスフォーメーションに効くのか。伊藤氏は、「Office 365のMicrosoft Graph機能により、従業員がMicrosoft 365上で行った仕事(作成した資料、会議やメールをした時間、誰と誰がコラボレーションしたかなど)がそのままデータ化される。データ化できるということは、そこでAIによる価値創造が可能になる」と説明した。Office 365ではMicrosoft Graphのデータをもとに、AIが働き方の改善を提案するMyAnalytics機能や、組織内で作成された資料の有用性を判断して検索する機能などを実現している。

HoloLensが建築作業員の働き方を変える

 続いて、Windows 10搭載のMR(複合現実)デバイス「Microsoft HoloLens」のビジネス活用事例が紹介された。

 新潟県三条市に本社を置く建設会社・小柳建設は、日本マイクロソフトとの協業のもと、設計・工事・アフターメンテナンスまで建築作業のすべての工程をHoloLensで3Dホログラム化する「Holostruction」の開発を進めている。基調講演では、日本マイクロソフト Windows & デバイスビジネス本部 業務執行役員 本部長の三上智子氏がHolostructionのデモを披露した。

HoloLensを装着してデモをする日本マイクロソフト Windows & デバイスビジネス本部 業務執行役員 本部長の三上智子氏

 Holostructionでは、建築スケジュールのタイムラインに沿って、建築中の構造物をHoloLensごしの視界上に3D再現する。デモでは、工程表アプリ(これもHoloLensの視界上に表示)のタイムラインのバーを進めると、建築中の橋が完成していく様子を紹介した。「HoloLensの視界は遠隔地にいる人と複数人で共有できるので、例えばオフィスにいるスタッフと建築現場にいるスタッフとで同じ画像をみながらコラボレーションが可能」(三上氏)。

 さらに、あらかじめ3Dオブジェクト化してAzureに保存しておいた重機を取り出して、橋の上に配置することも可能だ。三上氏は、「大型の重機が作業現場に入るのか、重機の入った現場に人が通行できるスペースが確保されているかなど、図面では把握できなかった作業リスクを回避できる。建築作業員の働き方を変えていくテクノロジーだ」と説明した。

建築スケジュールのタイムラインに沿って、建築中の構造物をHoloLensごしの視界上に3D再現あらかじめ3Dオブジェクト化してAzureに保存しておいた重機を取り出して、橋の上に配置することも可能

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MSの最新テクノロジー全部乗せ満腹のTech Summit 2017基調講演 - ASCII.jp

モダンワークプレイスからMR、サーバーレス、量子コンピュータまで

2017年11月10日 13時00分更新

文● 羽野三千世/TECH.ASCII.jp

 日本マイクロソフトは11月8日~9日、恵比寿のウェスティンホテル東京で開発者向けイベント「Microsoft Tech Summit 2017」を開催した。8日の基調講演では、モダンワークプレイス、MRのビジネス活用、IDのセキュリティ、アプリケーション開発、量子コンピュータなど、幅広いテーマでマイクロソフトの製品とテクノロジーが紹介された。

「モダンワークプレイス」とは?

 マイクロソフトが今年7月に発表した「Microsoft 365」は、Office 365、Windows 10、Enterprise Mobility + Security(EMS)を統合した月額料金制の法人向けライセンスだ。同社はMicrosoft 365を“モダンワークプレイス”と呼んでいる。

 日本マイクロソフト 執行役員 常務 デジタルトランスフォーメーション事業本部長の伊藤かつら氏は、モダンワークプレイスとは、「デジタルトランスフォーメーションの働き方改革版。社員全員の能力を最大限に引き出し、チーム一丸となって共通のゴールを目指すためのテクノロジー」だと説明した。

日本マイクロソフト 執行役員 常務 デジタルトランスフォーメーション事業本部長の伊藤かつら氏

 Microsoft 365がなぜ働き方のデジタルトランスフォーメーションに効くのか。伊藤氏は、「Office 365のMicrosoft Graph機能により、従業員がMicrosoft 365上で行った仕事(作成した資料、会議やメールをした時間、誰と誰がコラボレーションしたかなど)がそのままデータ化される。データ化できるということは、そこでAIによる価値創造が可能になる」と説明した。Office 365ではMicrosoft Graphのデータをもとに、AIが働き方の改善を提案するMyAnalytics機能や、組織内で作成された資料の有用性を判断して検索する機能などを実現している。

HoloLensが建築作業員の働き方を変える

 続いて、Windows 10搭載のMR(複合現実)デバイス「Microsoft HoloLens」のビジネス活用事例が紹介された。

 新潟県三条市に本社を置く建設会社・小柳建設は、日本マイクロソフトとの協業のもと、設計・工事・アフターメンテナンスまで建築作業のすべての工程をHoloLensで3Dホログラム化する「Holostruction」の開発を進めている。基調講演では、日本マイクロソフト Windows & デバイスビジネス本部 業務執行役員 本部長の三上智子氏がHolostructionのデモを披露した。

HoloLensを装着してデモをする日本マイクロソフト Windows & デバイスビジネス本部 業務執行役員 本部長の三上智子氏

 Holostructionでは、建築スケジュールのタイムラインに沿って、建築中の構造物をHoloLensごしの視界上に3D再現する。デモでは、工程表アプリ(これもHoloLensの視界上に表示)のタイムラインのバーを進めると、建築中の橋が完成していく様子を紹介した。「HoloLensの視界は遠隔地にいる人と複数人で共有できるので、例えばオフィスにいるスタッフと建築現場にいるスタッフとで同じ画像をみながらコラボレーションが可能」(三上氏)。

 さらに、あらかじめ3Dオブジェクト化してAzureに保存しておいた重機を取り出して、橋の上に配置することも可能だ。三上氏は、「大型の重機が作業現場に入るのか、重機の入った現場に人が通行できるスペースが確保されているかなど、図面では把握できなかった作業リスクを回避できる。建築作業員の働き方を変えていくテクノロジーだ」と説明した。

建築スケジュールのタイムラインに沿って、建築中の構造物をHoloLensごしの視界上に3D再現あらかじめ3Dオブジェクト化してAzureに保存しておいた重機を取り出して、橋の上に配置することも可能

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2017年11月11日土曜日

米国株国債商品テクノロジー株上昇銀行安い原油続落 - ブルームバーグ

8日の米株式相場は上昇。朝方下げて始まったものの、その後反転した。テクノロジー株が上昇した一方で、金融株は下落。共和党の税制改革法案をめぐる議会での調整が難航するとの懸念が背景にある。ドルと米国債、原油は下落した。

  • 米国株は上昇-テクノロジーに買い、銀行に売り
  • 米国債は下落-10年債利回り2.33%
  • NY原油は続落、米在庫の予想外の増加で
  • NY金は上昇、100日線に連動した動き続く

  株価指数ではテクノロジー銘柄の比重が大きいナスダック100指数の上げが目立った。一方でKBW銀行指数は4営業日続落。7日投開票された州知事選などの選挙結果を受け、トランプ大統領による企業寄り政策の実行性を巡り懸念が広がった。KBWは選挙結果を「大虐殺」と表現し、議会共和党は税制の内容に関して大衆迎合的なトーンを強める可能性があると指摘した。

  S&P500種株価指数は前日比0.1%上昇の2594.38。ダウ工業株30種平均は0.1%未満高い23563.36。米10年債利回りはニューヨーク時間午後4時半現在、2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.33%。

  ニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が続落。メキシコ湾岸のプラットフォーム閉鎖で相場は急上昇する場面もあったが、米国の供給増加を背景に売りが優勢となった。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物12月限は前日比39セント(0.7%)安の1バレル=56.81ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント1月限は20セント下げて63.49ドル。

  ニューヨーク金相場は上昇。ボラティリティーの指標が引き続き低下するのに伴い、金は100日移動平均線に沿った動きが続いた。ニューヨーク時間午後1時56分現在、金スポット相場は前日比0.6%高の1オンス=1283.46ドル。10月下旬以降、100日線付近での推移が続いている。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は前日比0.6%上昇の1283.70ドルで終了した。

  FTNファイナンシャルのチーフエコノミスト、クリストファー・ロウ氏は電子メールで、「きのうの選挙で民主党はバージニア州とニュージャージー州の知事選で勝利したほか、州議会でもほぼ全ての州で民主党が議席を伸ばした」と指摘。「主要選挙のない年の選挙では、結果は投票率次第となりがちだ。少数派を支持する有権者が積極的に投票所に向かうため、野党が得票を伸ばすことが多い。それでも前日の結果は共和党に、法案可決までの時間が限られていることを思い起こさせただろう。何も成し遂げていないとの見方で支持基盤が弱まるならば、なおさらのことだ」と述べた。

  ただ、株式相場の上昇は政治的なせめぎ合いとはおよそ関係ない状況が続いている、との指摘もある。

  ハートフォード・ファンズで投資コンサルティングチームの責任者を務めるブライアン・クラウス氏は、ブルームバーグ・ニュースとのインタビューで「多くの人がここ数カ月の市場の動きをそうしたイベントと関連付けたがっているが、実際にはほとんど関係ない」とし、「理由は力強い企業決算と低金利、世界同時成長だ。昨夜のバージニア州での選挙結果ではない」と続けた。

原題:Stocks Gain as Tech Strength Offsets Weak Banks: Markets Wrap(抜粋)
Oil Tumbles as Surprise Stockpile Surge Outweighs Platform Woes
PRECIOUS: Gold Hugs 100-Day Average; Nerves Among Platinum Bears

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中LEARN MORE

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インサイトテクノロジーデータベースセキュリティ製品PISOの最新版を発表 - クラウド Watch

 株式会社インサイトテクノロジーは、データベースセキュリティ製品「PISO」の最新版となるバージョン5.1を、12月15日に提供開始する。

 PISOは、SOX法、HIPAA、DISA、PCI DSSなどに対応した、情報漏えいを防ぐためのデータベースアクティビティモニタリングツール。顧客のコンプライアンスのニーズに合わせたリアルタイムデータアクセスモニタリングや監査機能を提供する。

 新バージョンでは、フラットUIを採用し、操作性を向上させるとともに、マルチブラウザー対応を実現。Internet Explorer 11以降、Firefox 52以降、Google Chrome 58以降の各ブラウザーに対応する。

 クライアント特定機能についても強化し、ウェブアプリケーションからデータベースにアクセスしたクライアントを特定する情報を取得・表示する機能を追加。あらかじめウェブアプリケーションでクライアント情報をデータベースへ引き渡す設定がなされている場合、クライアントのIPアドレス、ホスト名、ユーザー名、プログラム名、画面名などを取得・表示できる。

 また、Oracle E-Business Suiteで自動的に設定されるClient Identifier(V$SESSION.CLIENT_IDENTIFIER)の、警告通知・マイニングサーチでのCSV出力を可能とした。これにより、アクセスしているユーザー名の追跡が可能となる。

 監査ログの処理については、監査ログを蓄積、管理するマネージメントサーバー(Insight Security Manager)に、高速に監査ログを処理する仕組みを実装。従来に比べて最大で20%の性能向上を実現した。また、監査運用やアクセス監視において、不要な監査ログの排除機能を強化。バッチ処理や、システムから定期的に自動実行される処理など、リスクが極めて低く、アクセス数が大量になるアクセスを、監査対象から除外することを可能とした。

 また、監査対象データベースとして、Oracle Database 12c R2に正式に対応した。

 インサイトテクノロジーでは、次期バージョンでは、クラウド対応を強化する予定と説明。Amazon RDS、Oracle Cloudに対応した機能を実装することで、場所を選ばずにデータベースセキュリティの実装が可能となるとともに、監査・セキュリティレポート機能も強化・改善し、オンプレミス、クラウドに散在するデータベースのセキュリティ情報の可視化を実現するとしている。

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2017年11月10日金曜日

シェアリングテクノロジーバイエルライフ イノベーションアワード2017にノミネート - PR TIMES (プレスリリース)


■内容
 よりよい暮らしに貢献する革新的な技術、アイディアを創出した企業を表彰する「バイエル ライフ イノベーション アワード2017」に、数ある企業の中から、最終候補3社にノミネートされました。
 2017年11月28日(火)に行われる最終選考会・表彰式に参加いたします。

 今回のノミネートを受け、当社の企業理念にある【求める人と提供する人を結びつけるマッチングサービス】をより高度なテクノロジーで成熟・進化させ、世の中に貢献していけるよう、今後も全力を尽くしてまいります。

■「バイエル ライフ イノベーション アワード2017」について
 よりよい暮らしに貢献する革新的なアイディアや技術で人々のよりよい暮らしに貢献し、新しい価値を創造した新規上場企業やベンチャー企業を称え、今後の成長・発展を支援し、人々の生活の質向上(QOL)に繋がる新たなイノベーション創出を目指すために設立されました。

■会社概要
会社名 :シェアリングテクノロジー株式会社
所在地 :〒460-0002 愛知県名古屋市中区丸の内3-23-20 HF桜通ビルディング2F
代表取締役CEO :引字 圭祐(ひきじ けいすけ)
設  立 :2006年11月24日
資本金 :5億7,007万円(払込資本11億515万)
コーポレートサイト:http://ift.tt/2wOKRav

■~生活110番~
暮らしの中の「困った」「どうしよう」を解決するための総合ポータルサイト
http://ift.tt/2cP7SlD
※24時間365日年中無休!お客様のご依頼に対応するコールセンターも完備!
※以下、メディア関係者限定の特記情報です。個人のSNS等での情報公開はご遠慮ください。

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2017年11月9日木曜日

電子国家エストニアを支えるテクノロジー企業 電子ID署名 編 - 週刊アスキー

電子国家エストニアを支えるテクノロジー企業 電子ID・署名 編

 「世界最先端のデジタル国家」エストニアを支えるのはさまざまなテクノロジー企業だ。第3回では、エストニア電子化の根幹となるデータ連携プラットフォーム「X-road」に関わる企業Cybernetica、そしてセキュリティ強化に向けたブロックチェーン技術を提供する企業Guardtimeを紹介した。第4回となる今回は、電子ID・署名や電子居住に関わるテクノロジー企業を紹介したい。

デジタル署名プラットフォームを支える「SignWise」

 行政サービスを受けるとき、またはビジネスを行うとき、書類の署名や送付がわずらわしいと感じる人は少なくないだろう。インターネットがここまで普及した現在でも、まだ紙の書類を使用する政府・企業は多い。

 一方エストニアは世界最先端の電子国家と呼ばれるだけあり「デジタル署名」は日常に溶け込んでいる。そんなエストニアのデジタル署名を裏で支える主要企業の1つが「SignWise」だ。

 SignWiseは、2012年に設立されたエストニア発のスタートアップ。欧州初のクロスボーダー電子署名・認証サービスとして、エストニアだけでなく、ラトビア、リトアニア、フィンランド、スイス、ベルギー、アゼルバイジャン、ポルトガルで利用されている。SignWiseが提供するポータルサイトでデジタル署名が可能だ。

 SignWiseポータルへの登録はIDカードまたはモバイルIDが必要となる。エストニア国内で利用する場合の利用料は、1カ月10署名までなら無料。プレミアムプランなら1カ月24.15ユーロで3ユーザー・100署名、VIPプランなら124.8ユーロで30ユーザー・500署名まで可能。

 ポータル内でのデジタル署名はいたって簡単。署名したいPDFをアップロードし、そこにデジタル署名を貼り付け、IDに付与されているPINコードを入力するだけ。行政サービスやビジネスの時間・コスト削減にどれほど大きなインパクトを出すのか想像に難くない。

電子国家エストニアを支えるテクノロジー企業 電子ID・署名 編
SignWiseポータルサイト

 デジタル署名は、エストニア政府が2014年に開始した電子居住制度「e-residency」にとっても必要不可欠な要素だ。

 人口130万人のエストニアは、2025年までに電子居住者を1000万人まで増やしたい計画。電子居住制度を進めるねらいの1つは、海外のビジネスを国内に誘致すること。この電子居住制度を活用すれば、エストニア国外にいる外国人がエストニアで起業することができる。企業登録から銀行口座開設まで、すべてオンラインで済ませることができるが、その際にデジタル署名が必要となる。

 海外からのエストニア電子居住者需要は高く、SignWiseポータルは今後も順調にユーザー数を伸ばしていくことになるだろう。

デジタルID普及の要「SK ID Solutions」

 デジタル署名と並び重要なテクノロジーが「デジタルID」だ。エストニアでは国民全員に電子証明ICチップが組み込まれたデジタルIDカードが発行されており、行政サービスを利用する際などに利用されている。またこのIDカードは、EU国内を旅行する際のパスポートや健康保険証としても機能する優れもの。

 デジタルID分野の主要企業の1つが、「SK ID Solutions(SK)」だ。SKは、2000年にエストニアで採択された電子署名法に基づき2001年に設立された企業で、IDカードシステムの普及・構築を通じてエストニア電子化の要を担ってきた。SKによるIDカード発行は2002年初めに開始され、IDカード発行数は約3カ月で1万枚に、同年末までに10万枚に達した。その後IDカード発行スピードは緩むことなく2006年末には100万枚に達している。

電子国家エストニアを支えるテクノロジー企業 電子ID・署名 編
エストニア国民に発行されるIDカード(エストニアIDポータルサイトより)

 SKはIDカードのほかに、モバイルIDやスマートID、電子居住者向けIDなど、多様なデジタルIDソリューションを提供している。

 モバイルIDは、IDカードと同様に機能するソリューションで、プライベートキーが含まれた特別なSIMカードを組み込むことで利用することが可能となる。2007年ごろにはこのモバイルIDソリューションのアイデアは固まっており、それ以降開発が行われてきた。

 この数年間のスマートフォン利用の増加とともにモバイルIDの利用者は急増している。エストニア国内のモバイルID利用者は2015年に前年比40%増の7万5000人、トランザクション数も前年比42%増となった。2016年も増加傾向が続きモバイルID発行数は前年比50%増となった。エストニア選挙の投票の際にもモバイルIDを利用することが可能で、投票での利用者は全体の12%と10人に1人以上が利用していることになる。

 SKの最新の取り組みは「スマートID」だ。このスマートIDは、特別なSIMカードなしで利用できるモバイルIDソリューションと位置づけられる。エストニア国内だけでなく、海外市場を念頭に置いたデジタルIDソリューション。エストニア国内のスマートID利用者は現時点で約6万人、ラトビア、リトアニアを含めると30万人以上になるという。

 デジタルID分野ではSKのように古くからエストニアの電子化を担ってきた企業だけでなく、スタートアップの参入も活発だ。

 2015年に設立されたVeriffは、顔認識技術を活用した認証サービスを提供するスタートアップ。パスポートなどのID写真とウェブやスマホで撮影した写真をアルゴリズムで比較し、本人認証するサービスを提供している。地元金融会社だけでなくUberなども興味を示す注目の企業。このほかにも世界最小のカードリーダーを提供する「+ID」などエストニアのデジタルID分野から世界市場を目指すスタートアップは多い。

電子国家エストニアを支えるテクノロジー企業 電子ID・署名 編
「+ID」の世界最小カードリーダー(「+ID」ウェブサイトより)

 第3回、第4回とエストニアの電子化を担う主要企業を紹介してきたが、これらの企業はほんの一部。国内企業、海外企業含め、多くのプレーヤーがエストニアのデジタル化に携わっている。

 最近では世界初となる国家による仮想通貨発行の可能性を明らかにするなど、デジタル化の勢いは衰えそうにない。この勢いでさまざまな取り組みを進めるエストニア。その中でどのような企業が中心になっているのか注目してみるのもよいだろう。

企画・構成・文:細谷元(Livit

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電子国家エストニアを支えるテクノロジー企業 電子ID署名 編 - ASCII.jp

小国から世界に挑むデジタル国家エストニア、生き残りを賭けた戦略第4回

2017年11月09日 09時00分更新

文● 細谷元、岡徳之(Livit )

 「世界最先端のデジタル国家」エストニアを支えるのはさまざまなテクノロジー企業だ。第3回では、エストニア電子化の根幹となるデータ連携プラットフォーム「X-road」に関わる企業Cybernetica、そしてセキュリティ強化に向けたブロックチェーン技術を提供する企業Guardtimeを紹介した。第4回となる今回は、電子ID・署名や電子居住に関わるテクノロジー企業を紹介したい。

デジタル署名プラットフォームを支える「SignWise」

 行政サービスを受けるとき、またはビジネスを行うとき、書類の署名や送付がわずらわしいと感じる人は少なくないだろう。インターネットがここまで普及した現在でも、まだ紙の書類を使用する政府・企業は多い。

 一方エストニアは世界最先端の電子国家と呼ばれるだけあり「デジタル署名」は日常に溶け込んでいる。そんなエストニアのデジタル署名を裏で支える主要企業の1つが「SignWise」だ。

 SignWiseは、2012年に設立されたエストニア発のスタートアップ。欧州初のクロスボーダー電子署名・認証サービスとして、エストニアだけでなく、ラトビア、リトアニア、フィンランド、スイス、ベルギー、アゼルバイジャン、ポルトガルで利用されている。SignWiseが提供するポータルサイトでデジタル署名が可能だ。

 SignWiseポータルへの登録はIDカードまたはモバイルIDが必要となる。エストニア国内で利用する場合の利用料は、1カ月10署名までなら無料。プレミアムプランなら1カ月24.15ユーロで3ユーザー・100署名、VIPプランなら124.8ユーロで30ユーザー・500署名まで可能。

 ポータル内でのデジタル署名はいたって簡単。署名したいPDFをアップロードし、そこにデジタル署名を貼り付け、IDに付与されているPINコードを入力するだけ。行政サービスやビジネスの時間・コスト削減にどれほど大きなインパクトを出すのか想像に難くない。

SignWiseポータルサイト

 デジタル署名は、エストニア政府が2014年に開始した電子居住制度「e-residency」にとっても必要不可欠な要素だ。

 人口130万人のエストニアは、2025年までに電子居住者を1000万人まで増やしたい計画。電子居住制度を進めるねらいの1つは、海外のビジネスを国内に誘致すること。この電子居住制度を活用すれば、エストニア国外にいる外国人がエストニアで起業することができる。企業登録から銀行口座開設まで、すべてオンラインで済ませることができるが、その際にデジタル署名が必要となる。

 海外からのエストニア電子居住者需要は高く、SignWiseポータルは今後も順調にユーザー数を伸ばしていくことになるだろう。

デジタルID普及の要「SK ID Solutions」

 デジタル署名と並び重要なテクノロジーが「デジタルID」だ。エストニアでは国民全員に電子証明ICチップが組み込まれたデジタルIDカードが発行されており、行政サービスを利用する際などに利用されている。またこのIDカードは、EU国内を旅行する際のパスポートや健康保険証としても機能する優れもの。

 デジタルID分野の主要企業の1つが、「SK ID Solutions(SK)」だ。SKは、2000年にエストニアで採択された電子署名法に基づき2001年に設立された企業で、IDカードシステムの普及・構築を通じてエストニア電子化の要を担ってきた。SKによるIDカード発行は2002年初めに開始され、IDカード発行数は約3カ月で1万枚に、同年末までに10万枚に達した。その後IDカード発行スピードは緩むことなく2006年末には100万枚に達している。

エストニア国民に発行されるIDカード(エストニアIDポータルサイトより)

 SKはIDカードのほかに、モバイルIDやスマートID、電子居住者向けIDなど、多様なデジタルIDソリューションを提供している。

 モバイルIDは、IDカードと同様に機能するソリューションで、プライベートキーが含まれた特別なSIMカードを組み込むことで利用することが可能となる。2007年ごろにはこのモバイルIDソリューションのアイデアは固まっており、それ以降開発が行われてきた。

 この数年間のスマートフォン利用の増加とともにモバイルIDの利用者は急増している。エストニア国内のモバイルID利用者は2015年に前年比40%増の7万5000人、トランザクション数も前年比42%増となった。2016年も増加傾向が続きモバイルID発行数は前年比50%増となった。エストニア選挙の投票の際にもモバイルIDを利用することが可能で、投票での利用者は全体の12%と10人に1人以上が利用していることになる。

 SKの最新の取り組みは「スマートID」だ。このスマートIDは、特別なSIMカードなしで利用できるモバイルIDソリューションと位置づけられる。エストニア国内だけでなく、海外市場を念頭に置いたデジタルIDソリューション。エストニア国内のスマートID利用者は現時点で約6万人、ラトビア、リトアニアを含めると30万人以上になるという。

 デジタルID分野ではSKのように古くからエストニアの電子化を担ってきた企業だけでなく、スタートアップの参入も活発だ。

 2015年に設立されたVeriffは、顔認識技術を活用した認証サービスを提供するスタートアップ。パスポートなどのID写真とウェブやスマホで撮影した写真をアルゴリズムで比較し、本人認証するサービスを提供している。地元金融会社だけでなくUberなども興味を示す注目の企業。このほかにも世界最小のカードリーダーを提供する「+ID」などエストニアのデジタルID分野から世界市場を目指すスタートアップは多い。

「+ID」の世界最小カードリーダー(「+ID」ウェブサイトより)

 第3回、第4回とエストニアの電子化を担う主要企業を紹介してきたが、これらの企業はほんの一部。国内企業、海外企業含め、多くのプレーヤーがエストニアのデジタル化に携わっている。

 最近では世界初となる国家による仮想通貨発行の可能性を明らかにするなど、デジタル化の勢いは衰えそうにない。この勢いでさまざまな取り組みを進めるエストニア。その中でどのような企業が中心になっているのか注目してみるのもよいだろう。

企画・構成・文:細谷元(Livit

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