2018年3月29日木曜日

人類とテクノロジーの折り合いをつけるためにいまアートができることヒューマニティをテクノロジーで拡張するMATトークレポート - WIRED.jp

2月9日〜25日に開催されたテクノロジーアートの祭典「Media Ambition Tokyo」には、自動車メーカーのホンダがメディアアーティスト・浅井宣通とともにつくった作品『CONNECTED FLOWER』が展示された。なぜ自動車メーカーがアート作品をつくるのか? 浅井とホンダの阿部典行、デザイナーの廣川玉枝という3人によるトークからは、ホンダの「テクノロジー」に対する姿勢が浮かび上がってきた。

TEXT BY SHUNTA ISHIGAMI

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廣川がデザインしたフラワーロボは美しい曲線を描いており、どこか妖艶ささえ感じさせる。PHOTOGRAPH BY KOKI NAGAHAMA/GETTY IMAGES FOR MEDIA AMBITION TOKYO

2月9日〜25日に開催されたテクノロジーアートの祭典「Media Ambition Tokyo(MAT)」。今年で6年目を迎えるMATでは、企業とアーティストのコラボレーションによる作品も多く発表されている。今回自動車メーカーのホンダがメディアアーティスト・浅井宣通とつくり上げた『CONNECTED FLOWER』は、LOVEとPEACEという言葉が含まれているツイートを世界中から集め、そのツイートをもとに花型のロボットが美しい光の花を咲かせる作品だ。

「人と人が繋がることで生まれる、愛おしさや喜び、幸せを拡げたい」というホンダの思想を体現せんとするこの作品はいかに生み出されたのだろうか。2月19日には展示会場となる六本木ヒルズ52階の東京シティビューに浅井とホンダの阿部典行、ロボットのデザインを務めたファッションデザイナーの廣川玉枝が集まり、作品がつくられていく過程から、人間とテクノロジーの関係性まで、さまざまな議論が交わされた。

Asai

Asai

浅井宣通|NOBUMICHI ASAI|東北大学理学部卒。メディアアーティスト。グラミー賞でのレディーガガとのコラボレーションなどフェイスマッピングを中心とした作品で世界的に知られる。ルーブル美術館、モスクワの「Circle of Light」など世界各地のアートフェスティヴァルにおいてスピーカー、審査員としても活躍。文化庁メディア芸術祭、VFX AWARD、アルスエレクトロニカなど受賞多数。PHOTOGRAPH BY YAMAGUCHI KENICHI JAMANDFIX

人間のためのテクノロジー

──今回のプロジェクトはなんのためにやってきたとお考えでしょうか?

浅井宣通(以下、浅井):テクノロジーの意味を問いかけたいなと思っていました。テクノロジーは必ずしも人間のためのものではないとわかってきているけれど、人間のためのテクノロジーにしたい。人工知能の最先端の研究でも、人類のための利益や、哲学と倫理を研究しようという流れが出ていている。「LOVE & PEACE」というと恥ずかしいイメージがあるんですけど、実はそれが必要とされてるんじゃないかなと。今回のプロジェクトにおいて、フラワーロボはホンダさんの象徴でもあります。ホンダが中心になって愛と平和を実現していくヴィジョンを表現している。そうありたいと願う決意や誓いみたいなものが込められていて、素敵な形にできたのかなと思っています。

阿部典行(以下、阿部):ホンダのものづくりの中心には「人間中心」という考え方があります。今回も人間を中心としたテクノロジーのあり方を考えるうえで、数値では伝わりづらくなっている価値をどう届けるか考えていました。

──ありがとうございます。今回の作品ができあがるまでの過程を伺いたいんですが、浅井さん、廣川さんいかがでしょうか。

浅井:これをつくったのは去年の秋で、ちょうど北朝鮮の問題があったころ。核兵器の攻撃を受けるかもしれないと。世界は荒んでるなと思ったんですね。そういう時代に「愛と平和」にはリアリティがなくて、恥ずかしく感じてしまうのはなぜなのか考えたんですが、人々が「無い」と感じているからだと思うんです。無いから言葉に虚しさを感じる。だからデータで調べてみようと思って今回の作品をつくったんです。でも仮のプログラムをつくって走らせてみたら、すごい数のLOVEとPEACEというワードが集まってきて、画面があっという間に真っ白になった。あ、愛と平和ってあったんだという気持ちになれて。そのときに「WORLD IS FULL OF LOVE」というキーワードが思い浮かんだんです。

Hirokawa

Hirokawa

廣川玉枝|TAMAE HIROKAWA|ファッション、グラフィック、サウンド、ヴィジュアルデザインを手掛ける「SOMA DESIGN」と同時にブランド「SOMARTA」を立ち上げ東京コレクションに参加。第25回毎日ファッション大賞新人賞・資生堂奨励賞受賞。2017年SOMARTAのシグニチャーアイテム”Skin Series”がMoMAに収蔵され話題を呼ぶ。PHOTOGRAPH BY YAMAGUCHI KENICHI JAMANDFIX

──実際の過程としては、どういうふうにつくられていったんですか?

浅井:今回はロボットのデザインを廣川さんにお願いしました。オーガニックな生命体のようなものでありシンギュラリティを予感させるような、ポジティヴでもありネガティヴでもあり、両義性をもっているみたいな漠然としたものをイメージしていたんですけど、最初にイラストがあがってきたんです。それを見たときにすごいなと思って。なんでこのイメージなんだろうと。そこから最終型までなかなかつながらないと思うんですが、廣川さんはどうしてこういうものを思いつかれたんですか?

廣川玉枝(以下、廣川):そうですね。このロボットをデザインするにあたって「世界中から愛を集めて花を咲かせるロボット」だと浅井さんから聞いて。なるほど、花型ロボットかと。デザインの根幹を決めないといけないので、一番大事な部分としてどういう形をしているのか考えたんです。そこで地面から何かを吸って花が開く、膝からイマジネーションを吸って上に花があるような形だろうなみたいな、ざっくりした構造みたいなものは考えていて。1週間くらいで考えなければいけなかったので、最初に何を根幹にもってくるか決めていました。

浅井:イメージが2Dから3Dになったときにすごく飛躍がありましたよね。造形ができたら中の機械をつくらなければいけませんでした。メカチームとしてはもっと首を太くしたかったんですけど、廣川さんは細くしてくれと。美人にしてくれと(笑)

廣川:どうせならいままで見たことない形のロボットがいいなと思って(笑)

浅井:メカチームが泣きそうになりながら頑張ってましたけどね(笑)。3Dプリントされるとプラモデルのパーツみたいになるので、そこから組み上げるわけですが、今回の取り組みはいかがでした?

廣川:ロボットをデザインできるのが単純に嬉しかったですね。昔は「ダンシングフラワー」とかありましたけど(笑)、現代における花型ロボットはどういう形をしているのか、ホンダさんや浅井さんと一緒につくっていけたのが楽しかったです。

Abe

Abe

阿部典行|NORIYUKI ABE|1984年本田技術研究所入社。エンジン設計者として第二期F1プロジェクトを皮切りに直噴エンジンなど先進研究に従事。1990年代後半からは電動車両を主に担当し、燃料電池車や1~3Motorの各種ハイブリッド車用電動システムを研究。2016年10月より現室課にて新型電気自動車を開発の傍ら、企業改革プロジェクトに携わり現在に至る。PHOTOGRAPH BY YAMAGUCHI KENICHI JAMANDFIX

──阿部さんはどうでしたか?

阿部:実はですね、最初の打合せのときにはロボットじゃなくて花の形だったんです。その次に見たら今度は人の形になっていて、でもすごくありがたいと思ったんです。花は自然がつくったもので、神がつくったようなところがある。一方でロボットはある意味で人がつくっていくもの。ネットワークだったりクルマだったり、そこから生まれる社会は意志をもってつくりあげていくものだと思うんです。そう考えたときに、こういうロボットに愛と平和が集まっていくのはわかりやすいし、みんなが協力しないといいものになっていかない。

浅井:ぼくが廣川さんにお願いしたときはお花と伝えていたんですけどね(笑)。

廣川:これは人にするしかないと思って。

浅井:「あ、違う」と思ったんだけど、すごくいいなと思って。それで提案してみたっていう。どうして人型にしたんですか?

廣川:デザイン的に、普通に造形の美しい花があったとして、それに近しいデザインをもってきても敵わないですから。どうしようか考えたときに、人々がLOVEとPEACEを集めて花を咲かせるから、何かしら人間らしさというか、生き物らしさをデザインに入れたほうがよかろうと。

リアリティとファンタジーのバランス

──データのように人間らしさと真逆にあるものを扱っているのに、表現されているものは有機的です。そのバランスがすごく面白いなと思いました。リアリティとファンタジーのバランスってどう考えられていますか?

浅井:テクノロジーもどんどん進化していくと生命に近づいていく感じがするんです。「バイオメトリクス」という言葉がありますが、テクノロジーが進化して壁にぶつかると、生命の模倣を始めるんです。いまの人工知能も脳を参考にしようとしていたり、生き物が先行している。テクノロジーと人間とが融合していくような流れを感じていて、そういうものが表現できたらいいなと。阿部さんはどう考えられていますか?

阿部:クルマでいえば、中に入るのが生命体であるお客様なので、人間を研究しないと商品としてお客様にアピールできません。本田宗一郎がかつて、研究所は人間を研究するところだと話していたことがあって。テクノロジーが進化していくとスイッチだとかハンドルの操作系だったり、そういうところがある意味で人間や生物に近づいていくと実感するところはあります。

──廣川さんは皮膚の拡張をするような作品をつくられていますが、今回は方向性がまったく異なりますよね。そのあたりの差はいかがですか?

廣川:アートとデザインって自分の仕事のなかでも日々バランスを調整しているんですけど、今回は売り物じゃなくて表現なので、それを強くしないと意味ないぞとは思っていて。LOVEとPEACEを集めると花が開くことが一発でわかるデザインにしなきゃいけない。人がそれを見て何かを感じとるのが一番大事だと思っていました。今回は面白い形にできたなと、わたしとしても嬉しかったですね。

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世界30カ国から集められたデータが地球の形を表現したグラフィックにヴィジュアライズされている。PHOTOGRAPH BY KOKI NAGAHAMA/GETTY IMAGES FOR MEDIA AMBITION TOKYO

──ホンダで作品をつくるのは、ほぼ初めての取り組みだったと思うんですが、ものづくりの考え方だったり、作品にインスパイアされたことはありますか?

阿部:周囲から集めてひとつの形に集約するという考え方は、非常に参考になりました。われわれエンジニアって、いろいろな問題を解決するときに「分解」するんです。難しい問題は簡単な問題に分解しましょうと。細分化して、一人ひとりの技術に落とし込んで全体を解決するのがいままでのやり方でした。でもそういうやり方もだいぶ行き詰まってきているので、分解ではなく統合で問題を整理したほうがいいんじゃないかと。先ほど社会とかネットワークという言葉がありましたけど、問題を解決するにあたって、周りを見ながらひとつのものに向かっていく。社内でもそういうことを今後の開発につなげていけたらと思っています。

「折り合い」をつけること

──浅井さんはテクノロジーを手段としていますが、テクノロジーってどこに向かっていくと思いますか?

浅井:ぼくは小さなころからテクノロジーが大好きで、とにかくどんどん進化していくテクノロジーがいまでも好きなんです。ただ、いまものすごいスピードで進化していく時代のなかで、疑問を感じるようになってきた。勝手に進んでいくような怖さがあって、人間とテクノロジーの関係性を問いかけるようになってきた。阿部さんはどうですか?

阿部:われわれはテクノロジーはコントロールして使うものだという側面があるので、テクノロジーを拡張して暴走するというイメージはないんです。テクノロジーをコントロールするという強い意志がある。ただ、危惧しているのは、コントロールできないところも出てきているのでその折り合いをどうつけていくのか。市場とかお客様が技術やコンテンツをつくっていく時代になると、コントロールが効かなくなってくるので、いかに社会と折り合いをつけていくのかは課題になっていくのかなと思いました。

──最後に、これから活動をどう発展していかせたいですか?

阿部:「ユーザージェネレイテッドコンテンツ」みたいな考え方があると思うんですが、市場やお客様とコラボレーションするのは大切だなと今回気がつきました。われわれが単純に商品を出すのではなく、コラボレーションする大事さを感じましたし、それを今後も実現していく努力をしていきたいです。

廣川:今回初めてロボットをつくってみてわかったことがたくさんありました。次はこうしたいなと、いろいろ考えることが進化に繋がるんだろうなと思いましたね。可能性があるなと。

浅井:ぼくは去年から自分のテーマとして「テクノロジー」と「アート」と「ヒューマニティ」を掲げてるんですが、人工知能が人間とどうかかわっていくのかは大きなテーマとして取りかかりたいと思っています。人工知能を神にした宗教団体ができたなんて話もありましたけど、やはり哲学や倫理の話になっていく。それこそアートが取り組めるフィールドだと思うので、そこに向かって発信していけたらと思っています。

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テクノロジー株下落に多くのファンドは動じずETF資金流出は減少 - ブルームバーグ

45億ドル(約4800億円)規模の「ウェルズ・ファーゴ・グロース・ファンド」のポートフォリオマネジャー、トム・オグナー氏は、テクノロジー株への大きな賭けについて説明しなければならない今のような状況に慣れていない。

  同氏はアマゾン・ドット・コムやグーグルの親会社アルファベットなどに投資することで、ここ1年で同種のファンドの93%を上回る運用成績を上げた。しかし、フェイスブックの個人情報流出問題やウーバー・テクノロジーズやテスラの死亡事故を受けてテクノロジー株が相次いで下落する中、突如テクノロジー株への懐疑的な見方が強まっている。

  しかし、オグナー氏は動じていない。「われわれはうたげが終わったとは思っていない」と指摘。他の大部分のファンド運用者も同様の姿勢であることが分かっている。27日のFANG(フェイスブック、アマゾン・ドット・コム、ネットフリックス、グーグル親会社アルファベット)銘柄の過去最大の下げを含め、テクノロジー株が大きく値下がりしているにもかかわらず、多くのファンドが同セクターを敬遠するには程遠いことがデータで示唆されている。また、 米主要株価指数の中で1-3月(第1四半期)に依然としてプラス圏にあるのはナスダック100指数だけだ。

  上場投資信託(ETF)投資家は資金の引き揚げを急いでいないようだ。その格好の例が、ナスダック100指数に連動する最大のETF「パワーシェアーズQQQトラスト・シリーズ」だ。同ETFからの資金流出は19日に約20億ドルとピークを付けたが、27日にはその10分の1未満の水準まで減少した。27日にはナスダック構成企業の時価総額が2600億ドル吹き飛んでいた。

原題:In Precarious Moment for Tech, Stocks Are Still Finding Friends(抜粋)

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2018年3月28日水曜日

バーチャル女子アナでCM最新テクノロジーで越える広告とユーザーとの距離 - Forbes JAPAN

先進のソニーが展開しているスマホ用ニュースアプリ「ニューススイート」は、すでに6000万インストール/700万MAUを記録し、全世界70か国で展開、大きな支持を得ている。ところがここにきて既存の広告のあり方に一石を投じることになるかもしれない一手を打ってきた。それはバーチャルアナウンサーによる“ニュース番組”の形式を採用したオリジナル動画広告番組。果たしてその革新性はどこにあるのか。


2月10日、11日の両日にわたり、渋谷のスクランブル交差点を取り囲む数々のサイネージに一風変わったニュース番組が映し出された。二次元のバーチャルアナウンサーが新型「aibo」のイベント告知を映像とともに紹介した「ニューススイート トレタテTV」だ。この試みは、広告とコンテンツの境界線を取り除くネイティブアドの次なる形だという。そこに秘められた革新性とは何なのか、ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社クラウド&アプリ事業部門メディア&アドプラットフォーム事業室担当部長 上木建一郎と同・メディア&プラットフォーム事業室・メディア運営課 菊地原秀平に聞いた。

CGキャラクターと、ニュース番組のフォーマット

──新しい広告パッケージとして生まれた「ニューススイート トレタテTV」。それが生まれた背景と狙いを教えていただけますか?

上木建一郎(以下、上木):ユーザーが見慣れたWebのバナー広告等を無意識に無視してしまう「バナーブラインドネス」という現象があります。いま広告はいかにして見てもらえるかが課題となっていると言えます。そのなかで発達してきたのが、ニュースアプリ内で記事の体裁をとるタイプのネイティブアドですが、さらにもっとユーザーに寄り添う形で、ユーザーに好まれる形で、商品情報を伝える表現ができないかと考えていました。その仕掛けが、コンテンツとして情報番組の形で広告を行う、この「ニューススイート トレタテTV」です。単なるニュースアプリの中の動画コンテンツではありません。新しいテクノロジー、エンタメ、広告を組み合わせた新しい広告フォーマットです。


バーチャルアナウンサー「沢村碧」をキャスターに起用。ニュース番組の形式で、商品・サービスを訴求する。

菊地原秀平(以下、菊地原):このパッケージでは、バーチャルアナウンサーが音声合成技術でニュースとして話し、動画商品を紹介します。コンテンツのあるべき形として、この“ニュース番組”というフォーマットは非常に強いんです。広告バナーや記事広告はスルーしても、ニュース番組はつい見てしまう。

そして最大のポイントは音声合成ですね。この番組では、ソニー株式会社が開発した「アバターエージェントサービス」利用しています。このシステムでは、用意したテキストをPCに流し込むことによって、自由にキャラクターを喋らせることが可能なんです。

通常こうしたニュース番組風のアニメーション・コンテンツを用意するとなったら、声優さんのスケジュールを押さえ、スタジオなども必要になりますが、このニュースマネジャーにはもちろん不要です。動画素材と読み上げるためのテキストを用意すれば、いままででは考えられないスピードで、本格的なニュースCGアニメーションが出来上がります。ソニー独自の音声合成技術とエンターテイメント制作ノウハウが合致した、全く新しい動画商品紹介のためのフォーマットなんです。

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JPモルガンアジアでの採用多様化テクノロジーや心理学専攻も - ブルームバーグ

米銀JPモルガン・チェースはアジア太平洋地域で、工学や神経科学、心理学など多様な分野を専門とする人材の採用を増やしている。変化が速い域内経済に対応するため、金融関連分野専攻の学生以外にも採用の幅を広げている。

  今年6月にJPモルガンで勤務を開始する2018年採用組約1000人のうち39%が、経営・金融以外を専攻していた。3年前に集計を始めたデータで最も高い比率となった。今年の採用には科学や数学、国際関係、心理学専攻の卒業生が含まれている。これはテクノロジー関連人材の採用が中心となるインドを除外したデータ。

Outside The Box

JPMorgan's hiring more graduates without business or finance degrees in the class of 2018

Source: JPMorgan Chase

  JPモルガンの18年採用組の約40%はアジア太平洋地域の12市場で顧客業務に重点的に携わるが、残りはテクノロジー中心の社内機能を支える。域内投資銀行部門の共同責任者、ジョン・ホール氏は香港での先週のインタビューで、金融専門の人材だけでは問題解決能力を高める多様性を欠くことになると説明した。また、「アジア、特に中国での変化のスピードは特に速い」として、多様な人材は顧客に遅れず、あるいは先を行くのに役立つと話した。

Fintech Financing

China and Hong Kong accounted for 91% of APAC transactions in 2016

Source: Accenture Research analysis on CB Insights data

原題:JPMorgan Looks Beyond Finance to Hire Tech, Math Grads in Asia(抜粋)

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2018年3月27日火曜日

カギはテクノロジーのオーバービューにあり村上臣氏が示す新しい価値をつくれる人の条件 - ログミー

AIによるオートメーション化でどんな職業が消えるのか

村上臣氏(以下、村上) それでは、みなさんの中で銀行にお勤めされている方はいますか? いない。会計関係の方はいらっしゃいますか? いらっしゃいますね。この辺は、AIでなくなる仕事の(ランキングの)けっこう上の方にきていると言われているんですね。今いろんなニュースが出てるんですけど、原点は何かというと1つの論文が起点です。これは、マイケル・A・オズボーン博士が、2014年に学会に出した『雇用の未来』という論文の中に書いてあることです。いわゆる日本の厚生労働省に当たる、アメリカ政府が運営する職業情報サイトのO*NET(Occupational Information Network)というデータベースがあるんですが、その中にある職業をクリエイティビティ、社会性、知覚や細かい動きとか、それぞれの職業に必要なスキルを洗い出して、その中のいろんなものを分析して、マシンラーニングによって置き換えできそうなものを分類していった。そうすると、10年後には半分くらいの人が機械に置き換えられるだろうね、みたいな話がその論文にありました。それが転じて「半分の人が10年後に仕事ないよ」と、日本のメディアが盛んに言ってるんですが、もともとはそういう話でした。具体的にその筆頭になっているものは、例えば窓口業務とかですね。銀行窓口の事務作業をまわすところ。あとはコンビニのレジとか。ネイリストも分類に挙げられていましたね。たぶんロボットでビュッとするんでしょうね。もしくはプリンターみたいなものでやるんだと思うんですが。そういったものが機械に置き換わること。つまり、これは職業のオートメーション化のことを言っているわけですね。何かタスクを自動化することを主軸に置いている職能スキルは置き換えができるよ、という話だと思います。つまり、ルーティン化できる仕事ですね。これはデータ処理可能な仕事が該当していて、単純作業だけじゃないんです。例えば、アカウンティング、会計だったりとか、最近でいえば臨床検査技師やレントゲンをみる人とかですね。画像処理はディープランニング(deep learning)による進化が激しいので、「この人、癌っぽいよ」みたいな確率や、単純な位置の所見は、今たぶん機械のほうがかなり上がっているんじゃないでしょうか。僕も脳ドックを受けてきたんですが、1次審査は機械、AI、ディープランニングでやっていると。そこで改めて医師がもう一度チェックするようなことをやっています。あとは、法律系ですね。パラリーガルの方。実際に法律の弁護士さんは違うスキルなので置き換えられないでしょうけれど。いわゆる判例を調べたりとか、特許などの知的財産。事例をデータベースから引いてきて、該当するかどうかというのはパターンマッチングです。こういったものはディープランニングが得意だし、ミスがなくなるような未来がすぐやってくるということです。

テクノロジーの概要を理解していないと仕事にならない時代に

では、何だったら代替されないんだという話ですね。これはさっきの(オズボーン博士の)論文でも指摘されていたんですが、創造性、クリエイティビティというのは人間しかできない、できなさそうだと。あえて言っておきますけど「できなさそうである」ということです。つまり、さっきの自動化というもの。ある作業を機械にお任せする、またはロボットにお願いしますと。お刺身にタンポポを乗せ続けて下さいみたいな話ですね。それは機械がやりますよ、ということなんですが、何を自動化すればいいのかは、当然機械ではできない。これはやっぱり人間がいろんな現象を取りまとめて、作業化できそうなものを実際に作業化して、ルーティンにして、プログラミング可能な状態にした上で渡すということです。この仕事はどの時代になろうともなくならないですね。それはやっぱり機械には難しいです。いかに将棋で勝っていますとか、囲碁で勝っていますといっても、やっていることは単純で、ひたすら今までのデータを読んで、次がきたら次の手を、次に何を出せば勝つ確率が高いかを膨大なデータから引っ張っているだけなんですよね。将棋の羽生善治さんがいるじゃないですか。彼はすごく昔からAI将棋を研究しているんですよね。彼が言っていた面白いことがありまして。要は大昔ですよ、まだ人間が勝っていた時代です。いつだったか、羽生さんが「棋士は、AIが将棋に勝つような事態になればどうすればいいんでしょうね」という問いをされた時に、彼は笑いながら「いいんですよ、その時はルールを変えれば」と言ったんですね。要は歩が一歩ずつ進まないのを、飛べるようにしたりした瞬間に、機械はもう一度全部学び直しになるので、ルールを変えれば勝てるんで大丈夫ですよと、言ったんです。これはかなり本質を突いていると思っていて、つまり(機械は)パターン化したものにしか対応できない。今ルールが変わったよ、と言ったらもう1回データを全部まわして、データがなければ終わりですから。その時点では、そういったルールのゲームは0ですから、その時点でまた人間が圧倒的に勝つわけです。しょせんそんなものなので、AI恐れるに足らずという話なんですね。

「ひらめき」のベースは過去の経験や知識

ただ、アイディアが作業になった時点では、もう今後すべてオートメーション化ができるので、これに関してはみなさんは積極的に利用すべきだと思います。圧倒的に楽ですし、ミスがなくて生産性が上がるわけですから、機械に任せられるものを探すという能力、これこそが先ほどのビジネスとテクノロジー、テクノロジーが教養になってきているよという話ですね。つまり何ができるか、何ができないかというのを、別に詳細は知らなくてもいいですよ。そのマシンラーニングのアルゴリズムのなんちゃらは専門家に任しましょう。それで何ができる、何ができないんだというオーバービュー(概要)を理解する。テクノロジーのオーバービューを理解することは、すべての社会人ができないとたぶん仕事にならない時代がもうすぐやってきます。ですので、今日ここに来ている方は非常にラッキーだと思います。今まで文系で「テクノロジー関係ないよ」と言っていたのが、今まさにここから変わっていく時代になっているので、そういう勉強をされたらいいかと思います。では創造性にもう少し触れますと、創造性とはなんなのかという話ですね。先ほどからあるようにプログラミングです。すでにあるものを組み合わせて、何か新しいものを生み出すようなこと。それで、ゼロイチ(0→1)。新規事業でもよく言うんですが、ゼロイチ(0→1)って、本当に0から始まらないんですよね。要は、「ひらめき」ってあるじゃないですか。「ひらめき」が起きる瞬間は、絶対に過去の経験や知識がベースになっています。なので、本当に全く0から何かを生み出すことは基本的にはない。それはクリエイティブの作曲であっても、なんにしてもそうだと思うんですけどね。今まで全く音楽を知らない人が、急に音楽を作曲できるかというと違いますよね。たぶん、秋元康さんや小室哲哉さんなどは、昔に聴いていた曲みたいなものがあって、それと今の時代というような雰囲気を感じ取って、ミックスして楽曲を生み出すと。もちろん、創造性、すごいクリエイティビティだと思いますが、ベースとしていろんなものを知っていると思うんですよね。小室さんで言えば、昔流行ったJ-POPの耳触りが良いものと、今の最新のクラブミュージック、マニアックな音楽、サブカルに属するもののセンスをうまく持ってきて、日本のダンスミュージックのようなものを作っていったという話です。つまり、今あるもの、もしくは過去にあるものが理解できないと新しい価値は生み出せないという話なんですよね。

英語とプログラミングが必要なワケ

よく学校の勉強って役に立つ、役に立たないという話があると思います。国算社理、国算社理役立ちましたかね。今みなさん、どうでしょう。振り返ってみると、役立っている気がする。なぜなら、文字の読み書きができないと仕事できないじゃないですか。まあ、算数も基本九九ができないと(仕事が)できないし、やっぱりいろんな社会で生きていくためには歴史を知っていなければいけない。理科はどうかなと思うんですが、冷蔵庫を使ったりお湯を沸かしたりする時に役立っているのかなと思いますね。要は、テクノロジーはここ(国算社理)と同列なんですね。プラス英語だと僕は思っていますが。これはやっぱり教養としてみなさんが身につけていないと仕事ができなくなるんじゃないかなと思います。どうして僕が英語をプラスしたかというと、テクノロジーの最新情報はすべて英語から生まれるからなんです。これは悲しいかな、日本語はグローバルにみるとマイナー言語ですので、やはり一番話者が多い言語で情報が流通している。それは何かというと英語ですね。最新の論文も英語ですし、ニュースも英語です。その中からビジネスニュースを一つとって見ても、アメリカで売れたビジネス書の日本語版が日本で出るのは、だいたい2年遅れなんですよね。その人事の話とかティール型組織とか、最近流行っているものも、1~2年前にアメリカで流行ったものが、ようやく日本で流行りはじめたという状況です。やっぱり一番先端を見ているほうが、ビジネス上は有利ですね。ですので、情報流通の観点から「英語」、また、テクノロジー観点から「プログラミング」。これは別にプログラマーになってくださいと言っているわけじゃなくて、体験することによって、機械って得意なこと不得意なことがだいたい分かってくる。こういったものは、こんなに簡単に処理できるんだと分かれば、それを利用してビジネスに活かすことができるというわけです。

ビジネスパーソン必須スキル、ABC

僕はよく言うんですけど、「これからのビジネスパーソンの必須スキルは何ですか?」というと、「ABCだ」と言ってるんですね。「AI・Big data・Cloud」です。なのでビジネスパーソンのABCは、AIというのは嫌いなんですが、あえて言いますと、AIとBig dataとCloud。この3つの要素に関しては、いろんな簡単な解説本も出ています。この界隈は本屋さんがいっぱいあるので、立ち読みでもしてパラパラと見て気に入ったものがあったら、ぜひお買い求めになったほうがいいかなと思います。AI機械学習というのも、言ってしまえば1960年代ぐらいに第1次のブームで、日本においては、今は第4次か第5次ぐらいのAIブームなんですよね。なんで急に進化したかというと、すごいマニアックな学問だったんですけど、それが社会にインパクトを与えるようになったのは、学習データが簡単に得られるようになったからなんです。60年代、70年代にいろんなアルゴリズム、ロジック、古くは軍事利用ですね。弾道計算とかに使っていたものの理論は、けっこうこの20~30年変わってないんですよ。ただ、それを証明するデータが不足していたわけです。そのために手でデータを一生懸命作ったりして、十分なインパクトを得られなかったんです。でも今はインターネットのおかげで、またはWebのおかげでいろんなデータが(Big dataが)ほぼ無料で手に入るようになったので、それを全部(機械に)食べさせてみたらすごいことが起こった。あとはCloudですね。Cloud computingによって、1つのマシンではスーパーコンピュータでも間に合わないような処理能力を持つようになった。だから24時間だけスーパーコンピュータを持つのは、ここにいる誰でもできるんですよね。AmazonやMicrosoftとかのクラウドサービスを使うと、お金を払うとパコンが2時間使えるようなことは、もうみんなできるわけです。それを言ったら、iPhoneの最新版は30年前のスーパーコンピュータ並みの処理能力を持っているので、みなさん全員が手持ちのスパコンを持っていると言っても過言でもないというわけです。それで、今こういったものが組み合わさって社会にインパクトを与えようとしているところです。

  

※続きは近日公開

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カギはテクノロジーのオーバービューにあり村上臣氏が示す新しい価値をつくれる人の条件 - ログミー

AIによるオートメーション化でどんな職業が消えるのか

村上臣氏(以下、村上) それでは、みなさんの中で銀行にお勤めされている方はいますか? いない。会計関係の方はいらっしゃいますか? いらっしゃいますね。この辺は、AIでなくなる仕事の(ランキングの)けっこう上の方にきていると言われているんですね。今いろんなニュースが出てるんですけど、原点は何かというと1つの論文が起点です。これは、マイケル・A・オズボーン博士が、2014年に学会に出した『雇用の未来』という論文の中に書いてあることです。いわゆる日本の厚生労働省に当たる、アメリカ政府が運営する職業情報サイトのO*NET(Occupational Information Network)というデータベースがあるんですが、その中にある職業をクリエイティビティ、社会性、知覚や細かい動きとか、それぞれの職業に必要なスキルを洗い出して、その中のいろんなものを分析して、マシンラーニングによって置き換えできそうなものを分類していった。そうすると、10年後には半分くらいの人が機械に置き換えられるだろうね、みたいな話がその論文にありました。それが転じて「半分の人が10年後に仕事ないよ」と、日本のメディアが盛んに言ってるんですが、もともとはそういう話でした。具体的にその筆頭になっているものは、例えば窓口業務とかですね。銀行窓口の事務作業をまわすところ。あとはコンビニのレジとか。ネイリストも分類に挙げられていましたね。たぶんロボットでビュッとするんでしょうね。もしくはプリンターみたいなものでやるんだと思うんですが。そういったものが機械に置き換わること。つまり、これは職業のオートメーション化のことを言っているわけですね。何かタスクを自動化することを主軸に置いている職能スキルは置き換えができるよ、という話だと思います。つまり、ルーティン化できる仕事ですね。これはデータ処理可能な仕事が該当していて、単純作業だけじゃないんです。例えば、アカウンティング、会計だったりとか、最近でいえば臨床検査技師やレントゲンをみる人とかですね。画像処理はディープランニング(deep learning)による進化が激しいので、「この人、癌っぽいよ」みたいな確率や、単純な位置の所見は、今たぶん機械のほうがかなり上がっているんじゃないでしょうか。僕も脳ドックを受けてきたんですが、1次審査は機械、AI、ディープランニングでやっていると。そこで改めて医師がもう一度チェックするようなことをやっています。あとは、法律系ですね。パラリーガルの方。実際に法律の弁護士さんは違うスキルなので置き換えられないでしょうけれど。いわゆる判例を調べたりとか、特許などの知的財産。事例をデータベースから引いてきて、該当するかどうかというのはパターンマッチングです。こういったものはディープランニングが得意だし、ミスがなくなるような未来がすぐやってくるということです。

テクノロジーの概要を理解していないと仕事にならない時代に

では、何だったら代替されないんだという話ですね。これはさっきの(オズボーン博士の)論文でも指摘されていたんですが、創造性、クリエイティビティというのは人間しかできない、できなさそうだと。あえて言っておきますけど「できなさそうである」ということです。つまり、さっきの自動化というもの。ある作業を機械にお任せする、またはロボットにお願いしますと。お刺身にタンポポを乗せ続けて下さいみたいな話ですね。それは機械がやりますよ、ということなんですが、何を自動化すればいいのかは、当然機械ではできない。これはやっぱり人間がいろんな現象を取りまとめて、作業化できそうなものを実際に作業化して、ルーティンにして、プログラミング可能な状態にした上で渡すということです。この仕事はどの時代になろうともなくならないですね。それはやっぱり機械には難しいです。いかに将棋で勝っていますとか、囲碁で勝っていますといっても、やっていることは単純で、ひたすら今までのデータを読んで、次がきたら次の手を、次に何を出せば勝つ確率が高いかを膨大なデータから引っ張っているだけなんですよね。将棋の羽生善治さんがいるじゃないですか。彼はすごく昔からAI将棋を研究しているんですよね。彼が言っていた面白いことがありまして。要は大昔ですよ、まだ人間が勝っていた時代です。いつだったか、羽生さんが「棋士は、AIが将棋に勝つような事態になればどうすればいいんでしょうね」という問いをされた時に、彼は笑いながら「いいんですよ、その時はルールを変えれば」と言ったんですね。要は歩が一歩ずつ進まないのを、飛べるようにしたりした瞬間に、機械はもう一度全部学び直しになるので、ルールを変えれば勝てるんで大丈夫ですよと、言ったんです。これはかなり本質を突いていると思っていて、つまり(機械は)パターン化したものにしか対応できない。今ルールが変わったよ、と言ったらもう1回データを全部まわして、データがなければ終わりですから。その時点では、そういったルールのゲームは0ですから、その時点でまた人間が圧倒的に勝つわけです。しょせんそんなものなので、AI恐れるに足らずという話なんですね。

「ひらめき」のベースは過去の経験や知識

ただ、アイディアが作業になった時点では、もう今後すべてオートメーション化ができるので、これに関してはみなさんは積極的に利用すべきだと思います。圧倒的に楽ですし、ミスがなくて生産性が上がるわけですから、機械に任せられるものを探すという能力、これこそが先ほどのビジネスとテクノロジー、テクノロジーが教養になってきているよという話ですね。つまり何ができるか、何ができないかというのを、別に詳細は知らなくてもいいですよ。そのマシンラーニングのアルゴリズムのなんちゃらは専門家に任しましょう。それで何ができる、何ができないんだというオーバービュー(概要)を理解する。テクノロジーのオーバービューを理解することは、すべての社会人ができないとたぶん仕事にならない時代がもうすぐやってきます。ですので、今日ここに来ている方は非常にラッキーだと思います。今まで文系で「テクノロジー関係ないよ」と言っていたのが、今まさにここから変わっていく時代になっているので、そういう勉強をされたらいいかと思います。では創造性にもう少し触れますと、創造性とはなんなのかという話ですね。先ほどからあるようにプログラミングです。すでにあるものを組み合わせて、何か新しいものを生み出すようなこと。それで、ゼロイチ(0→1)。新規事業でもよく言うんですが、ゼロイチ(0→1)って、本当に0から始まらないんですよね。要は、「ひらめき」ってあるじゃないですか。「ひらめき」が起きる瞬間は、絶対に過去の経験や知識がベースになっています。なので、本当に全く0から何かを生み出すことは基本的にはない。それはクリエイティブの作曲であっても、なんにしてもそうだと思うんですけどね。今まで全く音楽を知らない人が、急に音楽を作曲できるかというと違いますよね。たぶん、秋元康さんや小室哲哉さんなどは、昔に聴いていた曲みたいなものがあって、それと今の時代というような雰囲気を感じ取って、ミックスして楽曲を生み出すと。もちろん、創造性、すごいクリエイティビティだと思いますが、ベースとしていろんなものを知っていると思うんですよね。小室さんで言えば、昔流行ったJ-POPの耳触りが良いものと、今の最新のクラブミュージック、マニアックな音楽、サブカルに属するもののセンスをうまく持ってきて、日本のダンスミュージックのようなものを作っていったという話です。つまり、今あるもの、もしくは過去にあるものが理解できないと新しい価値は生み出せないという話なんですよね。

英語とプログラミングが必要なワケ

よく学校の勉強って役に立つ、役に立たないという話があると思います。国算社理、国算社理役立ちましたかね。今みなさん、どうでしょう。振り返ってみると、役立っている気がする。なぜなら、文字の読み書きができないと仕事できないじゃないですか。まあ、算数も基本九九ができないと(仕事が)できないし、やっぱりいろんな社会で生きていくためには歴史を知っていなければいけない。理科はどうかなと思うんですが、冷蔵庫を使ったりお湯を沸かしたりする時に役立っているのかなと思いますね。要は、テクノロジーはここ(国算社理)と同列なんですね。プラス英語だと僕は思っていますが。これはやっぱり教養としてみなさんが身につけていないと仕事ができなくなるんじゃないかなと思います。どうして僕が英語をプラスしたかというと、テクノロジーの最新情報はすべて英語から生まれるからなんです。これは悲しいかな、日本語はグローバルにみるとマイナー言語ですので、やはり一番話者が多い言語で情報が流通している。それは何かというと英語ですね。最新の論文も英語ですし、ニュースも英語です。その中からビジネスニュースを一つとって見ても、アメリカで売れたビジネス書の日本語版が日本で出るのは、だいたい2年遅れなんですよね。その人事の話とかティール型組織とか、最近流行っているものも、1~2年前にアメリカで流行ったものが、ようやく日本で流行りはじめたという状況です。やっぱり一番先端を見ているほうが、ビジネス上は有利ですね。ですので、情報流通の観点から「英語」、また、テクノロジー観点から「プログラミング」。これは別にプログラマーになってくださいと言っているわけじゃなくて、体験することによって、機械って得意なこと不得意なことがだいたい分かってくる。こういったものは、こんなに簡単に処理できるんだと分かれば、それを利用してビジネスに活かすことができるというわけです。

ビジネスパーソン必須スキル、ABC

僕はよく言うんですけど、「これからのビジネスパーソンの必須スキルは何ですか?」というと、「ABCだ」と言ってるんですね。「AI・Big data・Cloud」です。なのでビジネスパーソンのABCは、AIというのは嫌いなんですが、あえて言いますと、AIとBig dataとCloud。この3つの要素に関しては、いろんな簡単な解説本も出ています。この界隈は本屋さんがいっぱいあるので、立ち読みでもしてパラパラと見て気に入ったものがあったら、ぜひお買い求めになったほうがいいかなと思います。AI機械学習というのも、言ってしまえば1960年代ぐらいに第1次のブームで、日本においては、今は第4次か第5次ぐらいのAIブームなんですよね。なんで急に進化したかというと、すごいマニアックな学問だったんですけど、それが社会にインパクトを与えるようになったのは、学習データが簡単に得られるようになったからなんです。60年代、70年代にいろんなアルゴリズム、ロジック、古くは軍事利用ですね。弾道計算とかに使っていたものの理論は、けっこうこの20~30年変わってないんですよ。ただ、それを証明するデータが不足していたわけです。そのために手でデータを一生懸命作ったりして、十分なインパクトを得られなかったんです。でも今はインターネットのおかげで、またはWebのおかげでいろんなデータが(Big dataが)ほぼ無料で手に入るようになったので、それを全部(機械に)食べさせてみたらすごいことが起こった。あとはCloudですね。Cloud computingによって、1つのマシンではスーパーコンピュータでも間に合わないような処理能力を持つようになった。だから24時間だけスーパーコンピュータを持つのは、ここにいる誰でもできるんですよね。AmazonやMicrosoftとかのクラウドサービスを使うと、お金を払うとパコンが2時間使えるようなことは、もうみんなできるわけです。それを言ったら、iPhoneの最新版は30年前のスーパーコンピュータ並みの処理能力を持っているので、みなさん全員が手持ちのスパコンを持っていると言っても過言でもないというわけです。それで、今こういったものが組み合わさって社会にインパクトを与えようとしているところです。

  

※続きは近日公開

このシリーズのほかのログ

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銀行のスマートバンキング化が加速6つのテクノロジーでトレンドを押さえよ - ビジネスIT

執筆アシスタント:フロスト&サリバン ジャパン Jaewoo Kim

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本格化するスマートバンキング化、これからどうなっていくのか



スマートバンキングとは

 これまで銀行業では、顧客データや取引データを十分に活用しているとは言いがたく、各支店が個別に営業活動を行っていた。しかし近年、インターネットやスマートフォンの普及により、大きな変化がみられるようになった。

 モバイルアプリケーションを用いたデジタル支店やデジタル決済の利用が急速に増え、インターネットを通じた銀行サービスを使った新たなビジネスモデルが続々登場している。近い将来、銀行業でもモバイルが中心的に活用されるようになり、サービスの中心は実店舗型支店ではなく、デジタルプラットフォームへ移行していくと予想されている。

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(クリックで拡大)

金融サービスにおけるIoT:リテールバンキングの進化2017

(出典:フロスト&サリバン)



 このように、実店舗型支店を通じてしかできなかった決済や取引が、モバイルやデジタルプラットフォームを通じてできるようになっていく動き全体のことを「スマートバンキング」と呼ぶ。端的に言えば、支店業務をデジタル化していくことが、銀行のスマートバンキング化である。

 実際、多くの銀行は従来の支店や営業店を中心とする運営システムから、オムニチャネルのデジタルバンキングへと変化を図っている。銀行側はより高いレベルで顧客情報を得られるようになり、多くのデータを収集・分析することで、より個人向けにカスタマイズされたサービスを提供することができるようになる。

 このような動きは、銀行の顧客にもさまざまな利便性を与える。顧客はスマートバンキングによって、時間や場所の制約を受けることなく決済や投資ができるようになり、自分の要望に応じた商品の選択やAIによるアドバイスを低コストで受けられるようになると予想される。

スマートバンキングが必要な3つの理由

 銀行各社は時代の変化に合わせ、スマートバンキング化を急ピッチで進め、パートナーシップや独自の技術開発を通じ、ライバル銀行よりも一足早くスマートバンキングの関連技術の導入を進めようとしている。このようなスマートバンキングテクノロジーの促進・普及の背景には、下記のトレンドがある。
1. 効率化への高い意識:
近年の銀行業のグローバルトレンドとして第一に挙げられるのは、「効率化」である。銀行は多くの人員を抱えて高コストな体質になっている一方で、個別の顧客に満足なサービスを提供できていなかったという反省があり、その解決策としてスマートバンキング導入が進んでいると見られている。
2. スマートデバイスの普及:
スマートフォンやタブレットなどの普及により、顧客のニーズが急速に変わりつつある。顧客は、日常の生活のほとんどをスマートデバイスを中心にまかなうことを求めているが、銀行もその例外ではない。スマートフォンにアプリケーションをダウンロードし、それを通じて取引をすることを求めている。その要請に応えるため、スマートバンキングが発展している。
3. 新しいテクノロジーの登場:
クラウドコンピューティングやビッグデータ、AIによるデータアナリティクスなど、新しいテクノロジーの進歩と共に、これまで銀行が対応できなかった領域までサービス提供が可能になり、より高いレベルのサービス提供を図る銀行が増えている。
 スマートバンキングはこれらのトレンドに後押しされ、急速に浸透しつつある。支店中心の従来の形式からスマートバンキングへの移行が進む中、各種のテクノロジーが銀行の利便性やパフォーマンス、取引スピードの向上などに大きな効果を発揮すると見られている。

【次ページ】スマートバンキングを支える6つのテクノロジー

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2018年3月26日月曜日

新規上場日程一覧26日現在 ビズライトテクノロジー - ロイター

    * IPOアプリはreuters://screen/verb=Open/URL=cpurl://apps.cp./Apps/ipo をクリックしてご覧になれます。
    * Dealsリーグテーブルはreuters://screen/verb=Open/URL=cpurl://apps.cp./apps/DealsLeague をクリックしてご覧になれます。

    
注)所属部が未定の場合は取引所名    
取引所略称は以下の通り  
T1:東証1部 T2:東証2部 T:東証(1部か2部かは未定) JQ:ジャスダック 
TM:マザーズ TMF:マザーズ(外国株) 
TR:REIT TP:TOKYO PRO Market 
N1:名証1部 N2:名証2部 NC:セントレックス  
F:福証 FQ:Q-Board  S:札証 SA:アンビシャス
 市場  社名                                   コード     単位  上場日  公募・売り出し(追加)       仮条件       公開価   主幹事
                                                                                                                 格       
 TM  RPAホールディングス                             100  3/27    5万株・55万株(なし)          3370─3570   3570     SBI
 TM  アジャイルメディア・ネットワーク                   100  3/28    7万株・5.4万株(1.86万株)     2800─3000   3000     みずほ
 JQ  アズ企画設計                                       100  3/29    20万株・7万株(4.05万株)      2060─2160   2160     みずほ
 TM  和心                                               100  3/29    29万株・11.4万株(6.06万株)   1620─1700   1700     日興
 TM  日本リビング保証                                   100  3/30    11万株・5.05万株(2.4万株)    1700─1760   1760     みずほ
 TM  ブティックス                                       100  4/3     20万株・21.4万株(6.21万株)   1270─1350   1350     野村
 TM  ビープラッツ                                       100  4/4     10万株・5万株(2.25万株)      1950─2200   2200     野村
 TM  ヒューマン・アソシエイツ・ホールディ               100  4/10    21.4万株・77万株(14.76万株)  1040─1170   4/2      大和
       ングス                                                                                                             
 TM  コンヴァノ                                         100  4/11    7.5万株・75.5万株(12.45万株  890─930     3/30     野村
                                                                       )                                                  
 TM  HEROZ                                         100  4/20    17.22万株・なし(2.58万株)    4/4          4/12     日興
 TP  揚工舎                                             100  4/24    なし・なし(なし)                                   フィリッ
                                                                                                                          プ
 TM  アイペット損害保険                                 100  4/25    45万株・23.47万株(10.27万株  4/6          4/17     大和
                                                                       )                                                  
 TM  ベストワンドットコム                               100  4/25    7.5万株・3.4万株(1.63万株)   4/9          4/17     日興
 JQ  エヌリンクス                                       100  4/27    30万株・10.8万株(6.12万株)   4/9          4/18     SBI
 TP  ビズライト・テクノロジー                           100  5/2     なし・なし(なし)                                   フィリッ
                                                                                                                          プ
 
●市場・指定変更、追加上場、テクニカル上場日程一覧
 市場       社名                           コード      上場   既上場市場
                                                       日     
 T1       クロス・マーケティンググルー               3/27   TM
            プ                                                
 T1       関西みらいフィナンシャルグル               4/1    
            ープ                                              
 T1・N   三十三フィナンシャルグループ               4/2    
 1                                                           
    
    
    

    

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動画NISSAN セレナeーPOWER試乗会でNISSAN INTELLIGENT MOBILITYのテクノロジーを体験 - Engadget 日本版

e-Pedalの走行体験と、プロパイロット パーキングによる自動駐車は、リーフの試乗レポートで体験しましたので、今回は「踏み間違い衝突防止アシスト」機能と、高速道路などでの同一車線自動運転技術である「プロパイロット」の体験を中心にお届けします。

e-Pedalに関しては、ノート e-POWER、新型リーフ、セレナ e-POWERと乗ってみましたが、セレナのコントロールが最も自分にはあったフィーリングに感じました。e-Pedalとは、ワンペダル(アクセルペダル)だけで加速、減速、停止までの制御ができるものです。リーフの場合ですとアクセルペダルOFF時の制動が強く感じられ、慣れれば頼もしさもあるのですが、曲がりくねった道や路地を右左折する際にはペダルを戻す量を調節する感覚を身につける必要があります。セレナの場合にはアクセルを抜くだけでちょうど良い速度に減速するので素直に「楽だな」と感じました。

さて、いよいよ「NISSAN INTELLIGENT MOBILITY」のテクノロジーを体験します。まずは、踏み間違い衝突防止アシスト機能の体験です。アクセルとブレーキを踏み間違えてコンビニに突っ込んでしまったり、渋滞中前方の車に気がつかず追突してしまうなどの事故がこの技術により減らすことができるということです。

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こちらがその体験映像です。一つ目の体験は、低速加速抑制機能です。まさに、コンビニの駐車場でアクセルペダルとブレーキペダルを踏み間違えて突っ込んでしまう、というようなシチュエーションに有効な機能。壁に近づいた状態でアクセルペダルを踏み込んでも、エンジン音は高くなりますが車両はそれ以上前に進みません。車内では警告音とともに自動でブレーキがかかり停車します。続いての低速衝突軽減ブレーキ機能は、クリープでの走行時に障害物にぶつかりそうになった際、エンジン制御およびブレーキ制御により衝突事故を未然に防ぎます。この機能は多くの日産車にオプションとして用意されていますが、e-POWER車では壁だけでなく、人や車などを検出している際にも機能するということです。

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続いての体験は、プロパイロットです。高速道路を想定したコース上で、前方を走る車や白線を認識して、車間距離や車線中央をキープするものです。渋滞などで前方車両が停止した場合も自動で停車しますし、再び動き出すまでの感覚が短ければ自動で再スタートします。

その他にも、後方カメラ映像をバックミラーに映し出すインテリジェントルームミラーなど、ハイテク装備満載の試乗体験でした。走る楽しみは味わいつつも、退屈な渋滞や疲れた帰り道などではテクノロジーのサポートを受けて運転したり、ついうっかりな事故を防いでくれることで、永く車と付き合えるのではないかと思いました。

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モバイル業界通信とテクノロジーの競争をまた見たい - BCN RETAIL

【日高彰の業界を斬る・7】 3月31日、ワイモバイルはPHSの新規契約や機種変更などの受付を終了する。

 通信サービス自体の終了時期は特に示されていないが、2010年3月にソフトバンクが2G(第二世代携帯電話、PDC方式)サービスを終了した際、新規契約終了は2年前の08年3月だった。NTTドコモの「mova(ムーバ)」終了時は、新規契約終了が08年12月、サービス終了が12年3月だったことから、早ければこの先2年、遅くとも4年以内にはPHSサービスが終了するとみられる。ただ、PHSは電話機だけでなく、組み込み通信モジュールとしても使われている。東京オリンピック・パラリンピックの準備・開催中に万が一の混乱が発生するのを避けるため、サービス終了は20年秋以降になるのではないだろうか。

 いずれにしても、来月以降PHSは機種変更の手続きも行えなくなってしまう。SIMカードの入れ替えができる携帯電話と異なり、PHSはセンター側での変更処理が必要なので、契約者が利用する端末を自由に変えることができない。筆者は20年ほど使い続けているPHSの契約があるため、最後の記念にと、最寄りのワイモバイル店舗へ駆け込んで機種変更を行った。
 

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7年ほど使い続けた「Premium Bar WX341K P」(右)から、中古の「LIBERIO 2 WX11K」に機種変更

 もっとも、店頭にPHSの新品在庫はなかった(ワイモバイルオンラインストアには「301KC」の一部カラーが残っている)ので、中古で手に入れた端末を持ち込んだ。販売代理店の収益にならない手続きなので断られるかとも思ったが、問題なくスムーズに対応してもらうことができた。

2つの異なる通信技術が、モバイル通信の可能性を広げた

 高速なモバイル通信技術やスマートフォンの普及により、移動体通信市場では役割をほぼ終えたPHSだが、その歴史を振り返ってみると、時代を先取りしたサービスを数多く生み出してきた。

 PHSサービスが始まり多くの加入者を獲得した1990年代後半、データ通信の速度は携帯電話が9600bpsだったのに対し、PHSは3倍以上高速な32kbps。外出先で仕事のEメールをチェックする場合、ノートPCやPDA(携帯情報端末)とカード型のPHSを組み合わせるのが標準的なスタイルだった。パケット定額制のサービスもPHSが先で、携帯電話ではauが2003年に開始したのに対し、PHSではアステルが2000年、DDIポケット(後のウィルコム、現ワイモバイル)が01年から提供していた。

 現在では、スマートフォンとPCのウェブブラウザは同じエンジンを活用しているが、昔は携帯電話の標準ブラウザの表現力は限定的なものだった。しかし、DDIポケットが04年に発売した京セラ製PHS「AH-K3001V」は、PC向けのWebページも表示できる「Operaブラウザ」を搭載。前出のパケット定額制サービスとあいまって好評を博した。スマートフォンの導入も早く、ウィルコムが05年に発売した「W-ZERO3」は、日本市場で一定の商業的成功を収めた初のスマートフォンといって差し支えないだろう。

 一定条件のもとで話し放題となる定額制音声通話サービスも、05年の「ウィルコム定額プラン」がその走りとなった。現在では大手キャリア各社とも音声通話は定額を基本として提供しているが、当時は話し放題のためだけにPHSを「セカンド携帯」として持つユーザーも少なくなかった。
 

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スリムで軽量なPHS。今でも音声通話には最適だ

 これらのサービスは、PHSの技術的な特性をうまく活用した企画であると同時に、サービスエリアやコンテンツサービスなどで携帯電話に対し次第に劣勢となっていったPHSが、生き残りをかけてひねり出した苦肉の策とみることもできる。ただ、携帯電話とPHSという2つの異なる通信サービスが競争を繰り広げたことで、モバイル通信の新たな可能性を切り拓いていった歴史は、現在でも注目に値するのではないだろうか。

 携帯電話市場では、端末や通信方式が大手3社ともほぼ共通になり、競争の舞台は通信サービスそのものよりも、さらに上のレイヤーでどのようなサービスを提供するのかに移っているように見える。しかし、無料の食事の提供など、通信との関連性が見えにくいサービスでの競争が目立っている現状には寂しさを感じざるを得ない。5G時代に向けて今は仕込みの時期なのかもしれないが、通信サービスや技術で各社が競い合う、モバイル業界ならではのあの熱い競争をまた見たく思っている。(BCN・日高 彰)

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2018年3月24日土曜日

ジュマンジウェルカムトゥジャングルソニーの最先端テクノロジー ... - ファミ通.com

 2018年4月6日に全国公開予定の体感型アトラクション・アドベンチャームービー『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』。上映に先立ち、ソニーが研究開発を進めている最先端のテクノロジーを用いた、リアルな触感・振動・衝撃が体感できる“ハプティックベスト”を着用して鑑賞する世界初の映画興行“超体感シネマ『マジジュマンジ』”の上映が決定した。

世界初の「超体感シネマ」興行上映決定! その名も「超体感シネマ『マジジュマンジ』」
ソニーの最先端テクノロジー
リアルな触感・振動・衝撃を体感できるハプティックベストで《着る》映画体験!
初の興行上映作品は全世界大ヒット中の『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』
TOHOシネマズ 日比谷にて3/29~4/5期間限定上映

4D体験のさらに先へ―― 新たな映画体験の幕が開ける!

 ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント、TOHOシネマズ、ソニーは、全世界で大ヒット中の映画『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』の日本公開に際し、ソニーが研究開発を進めている最先端のテクノロジーを用いた、リアルな触感・振動・衝撃が体感できる「ハプティックベスト」を着用する世界初※の映画興行上映「超体感シネマ 『マジジュマンジ』」を実施いたします。3月29日(木)~4月5日(木)の期間限定でTOHOシネマズ 日比谷(3/29グランドオープン)にて興行上映という形で実施されます。つきましては本ニュースをご掲載いただきたく、ご検討をお願い申し上げます。       
(※ソニー調べ 2018年3月24日現在)

 全世界興行収入1000億円を超え大ヒット中のアトラクション・アドベンチャー映画『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』がいよいよ日本上陸いたします。主人公の高校生4人が呪われたTVゲームの中に吸い込まれ、身体も性格も性別までも真逆のゲームキャラに入れ替わってしまい、生きて現実世界に戻るためにジャングルの中でゲームクリアをめざすドキドキのアドベンチャーです。スリル&冒険度MAXの圧倒的な迫力の映像とともに、まるで映画の中に入ってしまったかのように観客が体感できる、それが「超体感シネマ」です。ソニーが研究開発を進めているハプティクス技術(触覚提示技術)を用いた振動デバイスを搭載した特製の「ハプティックベスト」を観客が装着することにより、映画の中の世界で起きている出来事や演出に合わせて様々な振動と衝撃がベストに伝わり、観客はまるで映画の中のキャラクターになったかのようなリアルな触感を体感し没入体験が可能となります。TVゲームに吸い込まれたことは?カバに食べられたことは?サイに追突されたことは?あなたが体験したことがない未知の領域へ「超体感シネマ 『マジジュマンジ』」はいざないます。《着る》映画体験が、映画体験の新たな幕を開けます!

 エンタテインメントに精通したソニーの最先端テクノロジーであるハプティクス技術(触覚提示技術)を用いた「ハプティックベスト」を着て実現する世界初の映画興行上映に注目が集まることは必至!現在映画館で体験できるフォーマット「MX4D」は座席シートの振動や香り・雨風などを再現する技術がメインとなっていますが、今回の装置は、観客の身体に専用のベストを装着し、映画のシーンや演出に合わせて強弱をつけながら振動や衝撃を与えることで「ものに触れている感覚=触覚」をリアルに再現。その効果は振動パターンや衝撃の強さによって組み合わせは無限大。動物が迫って来る臨場感、手に汗握るアクション感、敵を吹っ飛ばす爽快感など映画で味わえる感覚が文字どおり「体感」できるとだけあって、映画体験を4D体験のさらに次の次元へ連れて行ってくれる最先端の映画上映となります。

 世界初となる映画興行上映「超体感シネマ 『マジジュマンジ』」は、3月29日(木)に新オープンするTOHOシネマズ 日比谷にて、3月29日(木)~4月5日(木)の8日間限定上映、鑑賞料金は通常料金です。真新しい劇場の大スクリーンと共に味わうことができますので、ぜひTOHOシネマズ 日比谷で超体感してくだサイ! (詳細はTOHOシネマズ公式HPをご確認ください。
https://www.tohotheater.jp/campaign/majijumanji-hibiya.html

「超体感シネマ『マジジュマンジ』」実施概要
 「超体感シネマ『マジジュマンジ』」は、ソニーの最新テクノロジーであるハプティックベストを装着しての映画『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』の鑑賞となります。
上映劇場:TOHOシネマズ 日比谷 (3/29グランドオープン、「東京ミッドタウン日比谷」内/千代田区有楽町1-1-2)
上映期間:3月29日(木)~4月5日(木) 8日間限定上映
鑑賞料金:通常料金
チケット販売:上映日の2日前から、インターネットチケット販売“vit”にて販売いたします。劇場窓口は3月29日(木)劇場オープン時より販売いたします。
●イベント上映のため、入場制限(13歳以上)などがございます。詳細はTOHOシネマズ公式ホームページをご確認ください。 https://www.tohotheater.jp/campaign/majijumanji-hibiya.html

映画『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』について
 学校で居残りをさせられていた高校生4人は<ジュマンジ>という名のソフトが入った古いTVゲーム機を偶然にも発見。プレイするキャラクターを選んだ途端、4人はなぜかゲームの中に吸い込まれてしまった!そして、現実の自分とは身体も性格も性別までも違うキャラに入れ替わり~!気弱なゲームオタクは、勇敢で無敵なムキムキ冒険家(ドウェイン・ジョンソン)に。セルフィー大好きうぬぼれ美人は、デブオヤジの地図専門家(ジャック・ブラック)という衝撃的な姿に。アメフト部員のフリッジは、背が低くて足が遅い動物学者(ケヴィン・ハート)に、そしてガリ勉のマーサはセクシーな女戦士(カレン・ギラン)に。しかも、そこはジャングル。カバ、ジャガー、ゾウ、ヘビ、サイ、サイ、サイ、サイ、サ~イ!ウェルカム・トゥ・ジャングルって全然ウェルカムされてな~い!?もはや現実世界に帰りたければ、難攻不落のステージを各自のスキルを使ってクリアするしか道はない!ライフは3回。使い切ったらゲームオーバー…。果たして彼らは、〈ゲームクリア〉して現実世界に戻ることができるのか~!?ロック様ことドウェイン・ジョンソン主演で贈る究極の体感型アトラクション・アドベンチャー!

監督:ジェイク・カスダン(『バッド・ティーチャー』)
出演:ドウェイン・ジョンソン(『ワイルド・スピード』シリーズ)、ジャック・ブラック(『ガリバー旅行記』)、ケヴィン・ハート(『リベンジ・マッチ』)、カレン・ギラン(『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズ)、ニック・ジョナス、ボビー・カナヴェイル

マジジュマンジとは? 予想のナナメ上ゆく事を意味する。

「ハプティクス技術」(触覚提示技術)とは?
 人間の五感(視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚)の1つである触覚を、振動デバイス等を使って人工的に作り出し疑似的に再現する技術です。ソニーは『視覚』『聴覚』と同様に、人間の五感に直接訴えかけられるこの『触覚』提示を、「身体で感じる新感覚のインターフェイス」として研究開発を続けております。ソニーが長年オーディオ分野で培ってきた信号処理技術に基づいた、高精細な表現力を持つ触覚提示技術と、映像・音響とを統合したシステムにより、ハプティックベストを着用されたお客様が映画の中で繰り広げられる世界と一体化し、カバに食べられたり、敵に殴られたりなどの触覚をリアルに体感することが可能になります。今回、ソニーがこのハプティクス技術を主にした技術協賛を行うことで、お客様がより楽しめる、《着る》映画体験が実現されます。

「ハプティックベスト」とは?
 お客様自身があたかも映画内のキャラクターになったかのように衝撃を楽しめる、計10個の振動デバイスを搭載した、超体感型の装置です。その効果は振動パターン、衝撃の強弱によって無限大の組み合わせが可能で、更に、複数の振動デバイスを連動させた制御により触覚提示の空間解像度を高めることで、多様なシーンをリアルに再現することが可能です。特にソニーでは、エンタテインメント分野に向けて、このベストを応用する開発に注力しており、この研究成果をお客様に届けるための新たな試みとして、初の映画興行での運用を実現します。

TOHOシネマズ 日比谷について
 3月29日(木)、有楽町・日比谷エリアに13スクリーン約2800席、プレミアムシアターを備えオープン。映画の宮殿THE MOVIE PALACE(ザ・ムービーパレス)をコンセプトに造られたTOHOシネマズ 日比谷は、これまでの劇場にはない極上の空間を提供。日比谷公園を一望できる開放的なロビーは、お客様を都会の喧騒から離れた“ムービーパレス”へと誘(いざな)います。最高の映画体験”を追求した『TOHOシネマズ プレミアム シアター』は、プレミアム 「ラージ フォーマット」「サウンド」「シート」の“3つのプレミアム”を提供し、これまでにない圧倒的な臨場感と上質な空間をお約束します。

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2018年3月21日水曜日

Perfumeドローン公演テクノロジーは絆 - 日刊スポーツ

 女性3人組ユニットPerfumeが21日、東京・NHKホールで、最新技術を駆使したアート感あふれるライブを行った。

 チョウに見立てた24機の小型ドローンが振り付けと連動して動くなどPerfumeとNHKがエンターテインメントの新たな可能性を探る企画の一環。

 のっち(29)は「テクノロジーは人間がつくる愛のあるもの。温かい表現ができる場だと思いました」。かしゆか(29)も「これからも新しいことに挑戦して、わくわくドキドキするような、自分たちが楽しいと思えるようなことを続けていきたいです」。あ~ちゃん(29)は「(人の手がはいっているからこそ)テクノロジーは絆を感じるもの。私たちを通してテクノロジーがもっと身近であたたかいものだとみんなに知ってもらえるとうれしい」と語った。

 このライブの様子はNHKBSプレミアム「『Perfume×TECHNOLOGY』 presents “Reframe”」(4月29日午後11時30分)で放送される。

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中国香港株式市場大引け中国株反落テクノロジー株に利食い売り - ロイター

    [上海 21日 ロイター] - 
 中国                           終値       前日比           %         始値           高値           安値
 上海総合指数              3,280.9521     - 9.6878       - 0.29  3,299.7310     3,314.2090     3,268.8779 
 前営業日終値              3,290.6399                                                                     
 CSI300指数<.CSI30    4,062.150     - 15.554       - 0.38   4,097.024      4,110.116      4,046.241 
 0>                                                                                          
 前営業日終値               4,077.704                                                                     
 
    中国株式市場は一時上昇していたが、反落して引けた。テクノロジー株に利食い売り
が出た。
    上海総合指数終値は9.6878ポイント(0.29%)安の3280.9
521。
    上海と深センの株式市場に上場する有力企業300銘柄で構成するCSI300指数
         終値は15.554ポイント(0.38%)安の4062.150。
    金融株は0.01%安、消費者関連株は0.77%安、ヘルスケア株は
0.67%安。不動産株は0.56%高。
    深セン総合指数は0.73%安。新興企業向け市場「創業板(チャイネクス
ト)」は1.86%安。
    上海総合指数の値上がり率トップは国電南京自動化の10.09%高、
値下がり率トップは中国船舶工業の10.01%安。

    
 (ロイターデータに基づく値です。前日比が一致しない場合があります)
 
 

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ブレークスルー テクノロジー10 2018年版発表にあたって - ASCII.jp

MITテクノロジーレビューは「2018年版ブレークスルー・テクノロジー10」を発表した。17回目となる今年のポイントを米国版編集長のギデオン・リッチフィールドが解説する。

MITテクノロジーレビューは、「ブレークスルー・テクノロジー10」として毎年、世界を変える10のテクノロジーを紹介している。注目するテクノロジーを網羅的に取り上げようとしているが、ここ数年間を振り返ってみて顕著なのが、人工知能(AI)の進歩だ。

2008年、機械学習の一形態「驚きのモデル化(Modeling Surprise)」を紹介した。その後、「AIアシスタント(Intelligent Software Assistant、2009)」「深層学習(2013)」「ニューロモーフィック・チップ(Neuromorphic Chips、2014)」「会話型インターフェイス(Conversational Interfaces、2016)」「教え合うロボット(Robots That Teach Each Other、2016)」「自動運転トラック(2017)」「強化学習(2017)」が続いている。

学習するアルゴリズムは何十年も前から存在するのに、なぜ突然開花したのか。よりよいアルゴリズムはもちろんだが、大部分は、写真から医療統計情報、オンライン・ショッピングの行動データに至るまで、学習に利用できるデータ量が爆発的に増加したこと、大量のデータをうまく処理できる新しいチップのおかげだ。

2018年のブレークスルー・テクノロジー10にもまた、2つのAI関連技術がエントリーしている。1つはGAN(Generative Adversarial Networks)とも呼ばれる競争式生成ネットワークだ。GANは進化的軍拡競争のように互いが対抗するAIで、ときとして学習スピードを桁違いに速める。もう1つは、クラウドベースのAIだ。深層学習アルゴリズムをいたるところで、ブログ・ソフトウェアのように簡単に利用できるようにする。

これら2つの革新的な技術を組み合わせることで、はるかに多くの人に、はるかに多くのAIのパワーを届けられる。だが、優れたテクノロジーには常に良い面だけでなく悪い面もある。科学研究が進歩し、経済的生産性が加速度的に高まることが約束されている一方、本物そっくりのねつ造画像や映像を多くの人が作れるようになり、真実と嘘を区別する社会的な能力がさらに低下する可能性もある。MITテクノロジーレビューのサンフランシスコ支局長であるマーティン・ジャイルズが書いているとおり、GANの発明者であるイアン・グッドフェロー博士は自身の発明が悪用される可能性の防止に積極的に取り組む、稀な科学者だ。

2018年のブレークスルー・テクノロジー10には、ほかにも善悪の2つの側面を持つテクノロジーがある。生物医学担当アントニオ・レガラード上級編集者の記事にあるように、いまや遺伝学は単独の遺伝子だけでなく数千もの遺伝子が関わる心臓病やアルツハイマー病などにかかるリスクの高い人を特定できるようになっている。だが一方で、背の高さやIQといった形質も予測できるようになる。そういった知識を何に利用するのか? 人工胚は、医学研究者がヒトが誕生する段階の研究には役立つが、非倫理的とされるのはどの段階なのか? アルファベット(グーグル)のサイドウォーク・ラボは、トロント近郊の地区をスマート・シティの実験所にして、街のあらゆる場所にセンサーを設置し、住民のすべての動きに関するデータを取り込む計画を立てている。ビジネス担当編集者のエリザベス・ウォイキは、この実験は公共の利益ためにビッグ・データを利用する輝かしい例となるのか、あるいはプライバシーにとっての悪夢となるのか、どちらなのかと問うている。

幸運なことに、2018年版のブレークスルー・テクノロジー10で取り上げたテクノロジーのすべてがこのような倫理的な問題を抱えているわけではない。二酸化炭素を排出しない天然ガス発電所、金属用3Dプリンター、一部に熱狂的なファンを持つ名作『銀河ヒッチハイク・ガイド』に出てくる万能翻訳魚「バベル・フィッシュ」のように耳にそっとささやいてくれる同時通訳デバイスなど、ここで説明した以外のテクノロジーも取り上げている。17回目となるブレークスルー・テクノロジー10を楽しんでもらいたい。

2018年版ブレークスルー・テクノロジー10

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2018年3月18日日曜日

真鍋大度テクノロジーアートの遙かなる行方 - nippon.com

ドローンやAR(拡張現実)などの最先端技術を駆使した表現で、世界的注目を集めるライゾマティクス・リサーチ。代表の真鍋大度が放つ非凡なる創造性はどこを目指すのか。リオ五輪の“あの眺め”を糸口に、その行方を追う。

日本を代表するテクノロジー×クリエイティブの精鋭集団

それは、2016年8月のリオデジャネイロ五輪閉会式における、東京2020大会のフラッグハンドオーバーセレモニーでのことだった。人気ゲームのキャラクターに扮(ふん)した安倍晋三首相のサプライズ登場に続いてテレビ画面に映し出されたのは、それまで生中継されていた現実のスタジアムの映像と、東京で実施予定の競技33種目のCGが融合した、見たことのない眺めだった——。

リオデジャネイロ五輪閉会式での東京2020⼤会フラッグハンドオーバーセレモニーにおける、AR(拡張現実)演出の様子。実際のスタジアムの中継画像と、CGで描かれた33種目の競技をリアルタイムで融合させた(画像提供:ライゾマティクス・リサーチ)

このAR(拡張現実)技術などによる演出の中心を担ったのが、日本を代表するテクノロジー×クリエイティブの精鋭集団「ライゾマティクス・リサーチ」と、その代表を務める真鍋大度だ。

真鍋は、ソフトウェアのプログラミングからハードウェア構築、UI(ユーザーインターフェイス)などのデザイン、アーティスティックな演出までのすべてを手がける“フルスタック集団”として知られる「ライゾマティクス」を06年に共同で設立。現在は同社の研究開発部門であるライゾマティクス・リサーチを率いる。

アイスランド人シンガーのビョークによるパフォーマンスを世界初のリアルタイム360度VR(仮想現実)映像でストリーミング配信したり、レーザーやドローンを駆使して日本の3人組テクノポップユニットPerfumeのライブ演出を手がけたりと、その仕事はエンターテインメント領域にも及んでいる。個人名義でも作品を発表し、世界各地のメディアアートフェスティバルや広告祭で大賞を受賞するなど、多面的な活動の全貌を一言で表現するのは難しい。

「アートとエンターテインメントの仕事をどう区別しているのかとよく聞かれますが、個人のアート活動でなければできないこともありますし、逆に企業や公共機関のプロジェクトだからこそ実現できることもある。さらに、今はアートのプロジェクトとして進めているものでも、技術の発展に伴い、5年後、10年後には世の中で当たり前のものになっている可能性すらある。タッチパネルのゲームなどはまさにその象徴です。つまりメディアアートの宿命として、単に“技術的に新しい”だけの表現はすぐに消費され、陳腐化してしまうということですね」

アートの実験性×エンタメのスケールで新境地を開く

この発言の背景にあるのは、ビッグデータやIoT(Internet of Things/モノのインターネット)、AI(人工知能)などにおける、デジタル技術の目覚ましいばかりの進展だ。そして彼自身もまた、こうした技術の恩恵にあずかってきた。例えば、真鍋が一躍脚光を浴びるきっかけとなった作品『electric stimulus to face』(08年)は、顔に医療用の電極を貼り付け、電気刺激によって顔の筋肉を動かすというもの。その様子を動画共有サイトYouTubeに公開したことが、彼にとって大きな転機になったという。

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真鍋大度『electric stimulus to face』(2008年)(動画提供:ライゾマティクス・リサーチ)

「プログラミングを使った表現を始めたのは岐阜県のIAMAS(国際情報科学芸術アカデミー)に在学中のことですが、当時はこうした表現が多くの人の目に触れる発表の場自体がほとんどなかった。展示にしても、映像のDVDを作って手渡ししても、見てくれる人は極めて限られていましたから。その点、YouTubeの影響は大きかった。試しにあの作品を投稿してみたところ、瞬く間に世界的な話題になってしまったのです。それをきっかけに、海外からの仕事やコラボレーションのオファーが増えていきました」

そう語る真鍋だが、アート作品を制作する目的は「新しい技術が持つ可能性と危険性の両面に着目し、世の中に向けていち早く問題提起をするため」であって、新たなビジネス領域を開拓するためではないという。そうしたスタンスと、今や彼らの代名詞となったエンターテインメント領域とを結び付けたものとは、一体何だったのだろうか。

「きっかけとなったのは、04年から09年ごろにかけて、映像や音響、コンテンポラリーダンスのパフォーマンスを組み合わせた作品で知られるダムタイプのステージを手伝っていたこと。そこへ演出家・振付家のMIKIKOさんが訪れて、『Perfumeの次の公演で、テクノロジーを取り入れた演出をやってみたい』という相談を受けたのが、すべての始まりでした」

2015年3月17日、米テキサス州オースティンで開催されたイベントSXSW(South by Southwest)におけるPerfumeのパフォーマンス(©Amuse Inc.)

その出会いが実を結んだのが、Perfumeの東京ドーム公演(2010年)。会場に浮かぶ光る風船をレーザーで割り、工業用カメラでメンバーの姿を3Dスキャンした映像が映し出されるなど、数々の斬新な演出が会場のファンのみならず、クリエイターたちの間でも大きな話題を呼んだのだった。

「新しい技術を使う以上、何もかも前例がないことばかり。確実かつ安全に行えることを実験などで繰り返し実証し、2年以上かかってようやく実現しました。いくらプレゼンをしても通らなかったのに、一度前例を作れば後は任せてもらえるようになって、それが大きなステージの仕事へつながっていきました」

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2018年3月15日木曜日

ベーシックインカムに頼っている場合じゃないティムオライリーが語るこれからのテクノロジービジネス - ホウドウキョク

ティム・オライリーをご存知だろうか?

「書籍、Web、雑誌、調査、カンファレンスを通してイノベーターの知識を広げ、世界を変える」ことを使命としているオライリー・メディアを立ち上げた人物だ。

先進テクノロジーとIT業界に精通しており、彼が語る言葉から未来が見える。

そんな彼のセッションをSXSW 2018で聞いてきた。

結論から言うと“人間として”非常に勇気が持てる内容だった。

昨今AIやロボットが人間の仕事を奪い、我々人間はベーシックインカムに頼る生活になると言うニュースも多く見かけるが、それに対して「何言ってるんだ!(What The Fxxx?)人間に出来ることはまだまだ沢山ある!」と叱咤激励してくれる内容だったのだ。

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セッション冒頭でティム・オライリーは「AIやロボットの台頭により仕事が自動化されると我々はベーシックインカム(※人間の仕事がAI・ロボットに代替される時代に支給される生活費)で生活をする時代になるのか?」という問いを投げかけた。

追加の問いで「我々人間に出来ることはもう無いのか?」とも。

それに対して非常にインパクトのあるスライド 「 WTF? (What the Fxxx?)」を表示した。

このWTFは英語のスラングで何言ってるんだ!と言うような意味なのだが、 我々人間が解決すべき問題はまだまだ山積みであることを続ける。

※ステージ上でティム・オライリーは"WTF は What the future"と説明していたが、 内容的には「何言っているんだ!」と言うスラング的な意味合いで話をしていたので、当記事では意訳で進めさせてもらう。

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環境問題、老朽化したインフラの整備、いまだ解決しない食料難、病気、難民問題、お互いを気遣う心、次世代のための教育のあり方…AIやロボットでは解決できない問題がまだまだ存在しているのだ。

そもそも「現在の認識が正しいと思うな」とも続ける。

1625年の人間はカリフォルニアが島だと思っていたそうだ。

現在ではそれが間違いであることは誰しもが知っていることだ。

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また、2005年には“コネクテッド・タクシー(次世代型インターネットに繋がるタクシー)”とはタクシーにモニターをつけることだと思っていた我々だが、13年経った現在ではそれが間違っていたことがわかる。

“コネクテッド・タクシー”とはUBERのようにクラウドを利用し、スマホを通じてドライバーと乗客をつなぐものを指すのを今では誰でも理解している。

このようにある時点での認識は、すぐにアップデートされるということを忘れてはいけない、とティム・オライリーは語る。

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近い未来に我々の認識が変わる領域とは?

そんな彼が、近い未来に認識が変わると予想する5つの事象は以下だ。

このうち筆者が気になった内容をピックアップして以後紹介していく。

①2018年現在、我々はテクノロジーが人間の仕事を奪うと考えている。

②2018年現在、企業は利益追及が第一優先であり、社会的意義、環境配慮、人間への影響などは二の次で良いとされている。

③2018年現在、すでに知名度がある一流企業から生まれるテクノロジーが世界を変えると信じている。

④2018年現在、人間に敵対するAIが将来の脅威だと信じている。

⑤2018年現在、既存の経済システムを再構築し続けることが、全く新しい未来を発明するよりも重要視されている。

AI、ロボットが人間の雇用を拡大する

まず最初の説「2018年現在、我々はテクノロジーが人間の仕事を奪うと考えている」だが、この認識はすで変わりつつある。

Amazonは45,000台のロボットを導入したことにより、より多くの消費者ニーズに答えられるようになり、人間の仕事が増え、結果雇用も増加している。

ロボットの導入が人材雇用を増加させている。

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また、経済学者マイケル・マンデルの調査例を出し、eコマースが雇用を増やし、給料も増加させている実例も紹介した。

2007年〜2016年迄の調査で、実店舗での失業件数が51,000件なのに対してeコマースの新規雇用件数は355,000件で、約7倍もの新規雇用が生まれているという。

デジタル化、オートメーション化はより多くの人に、職に付く機会を提供している。

また、新しいシステムやプロダクトが出来ると、それを学習するためのエデュケーションプログラムやメンテナンスをするための人材も必要になる。

AIやロボットが我々の職場にやってくると、我々はより多くの人間の仲間と仕事をする必要がでてきそうである。

これは個人的な見解だが、先日ニュースで郵便用自動運転車の実証実験の映像が流れていたが、郵便物が自動運転で運ばれてきたら各家庭には誰が配るのだろうか?

一戸建てやマンションによってポストの形状や配置されている場所は違うので、自動運転で運ばれてきた手紙を「ポストや各家庭まで配達する人もしくはロボット」もこれから必要とされるだろう。

もしくは根本的に郵便物を受け取る仕組みが変わるかもしれない(ドローン配達など)。

その際にはまた新たな仕組みと雇用が必要になる。

AIやロボットが仕事を奪うどころか、もっと人間の仕事を増やしそうである。

人間の仕事を拡張する-Augmented Human-

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また、我々人間はすでに機械に囲まれて生きているので、AI・ロボットの融合も起きつつあるともティム・オライリーは語る。

生物学者リン・マーギュリスの言葉を借り「種は融合と合併によって新しい複合体を形成する」とも語り、人間の置き換えをするテクノロジーには価値がなく、“人間の仕事を拡張(Augmented Human)”するテクノロジーが大事であるとも語った。

起業家こそ新しい地図を描け

既存の経済活動、企業ルールに縛られていては新しい未来は築けない。

ティム・オライリーはGDPを指標にするよりもボストンコンサルティングのSEDA(Sustainable Economic Development Assessment=持続可能な経済発展評価)を指標にしながら活動することが未来を作ると語る。

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また、生産性が増えても所得が増えない一部の高所得者層のみ利益を得る仕組みも変えていくべきで、いままでの生産性・効率性の時代から、いかに成果物・富を分配するか?の時代に突入しているとも述べる。

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最後に、SXSWにはスタートアップも沢山来場していることを意識してか「起業家の仕事は新しい地図を描くことだ」と締めた。

セッションを聞きながら、彼の言葉一つひとつに頷きながらメモをとっている自分に気が付いた。

60分間という人生の中では非常に短い時間だが、ここ2,3年のテクノロジーと人間の仕事に対するアップデートが起きたセッションだった。

我々人間にはまだまだやることはある。

テクノロジーと融合しながら今まで解決できなかった課題に対して取り組むこと、それこそ人間が取り組むべき仕事であると考える。

そう、私利私欲の儲けだけを目指す人間ではダメなのだ。

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●ゲストライター  西村真里子
HEART CATCH Inc. 代表取締役 / テクノロジー×デザイン×マーケティングを強みにプロデュース業や編集・ライター業を行う。Mistletoe株式会社フェロー。

3月26日、27日に、「SXSW2018」報告イベントが東京都内で2日間に渡って開催します。
(ご興味のある方は、以下のリンクよりお申し込みが可能です)

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1日目は「熱狂を再現する!」がテーマ。
https://sxswhoudoukyoku1.peatix.com

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2日目は「空間を体感せよ!」がテーマとなっています。
https://sxswhoudoukyoku2.peatix.com

お席には限りがあります。また両日とも、場所、登壇者、内容などが異なりますので、ご注意ください。

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4.0

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ファッションにとってテクノロジーは救世主だあなたが適応するならば超ファッションテック進化論MATトークレポート - WIRED.jp

2月9日〜25日に開催されたテクノロジーアートの祭典「Media Ambition Tokyo」では、今年も展示のみならず数多くのトークセッションが開催された。2月20日に行われたセッションは、題して「超ファッションテック進化論」。果たしてテックはファッションに革新をもたらす「救世主」なのか? それとも産業を破壊する「テロ」なのか?

TEXT BY SHUNTA ISHIGAMI

MAT-talk

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トークに参加した4人。左から、オルガ、天津憂、泉栄一、平松有吾。PHOTOGRAPH BY YAMAGUCHI KENICHI JAMANDFIX

3Dプリントによるアクセサリーや、スマホを操作できるウェアラブルジャケット、はたまた人工知能(AI)によるコーディネート提案など、近年ファッション産業に次々と新たなテクノロジーがもちこまれている。こうしたテクノロジーがファッションに新たな可能性をもたらしたのは確かだが、一方では従来の服づくりや洋服販売のあり方も変化を余儀なくされている。

2月20日に行われたMATトーク「超ファッションテック進化論」では、天津憂(HANAE MORI)と泉栄一(MINOTAUR)という気鋭のデザイナーに、平松有吾(渋谷パルコプロジェクト)と商業施設サイドのキーマンを加えたトークセッションが行われた。モデレーターを務めたのは、自身も3Dモデリングを駆使してデザインを行うオルガ。ファッション産業に携わる「当事者」たちは、テックをどうとらえているのだろうか?

オルガ 今日はファッションデザイナーがテクノロジーをどう扱うのかお聞きしつつ、それぞれの取り組みについて話していきたいと思います。まず、天津さんは3Dプリンティングの取り組みで内閣総理大臣賞を受賞されていましたよね。

天津憂(以下、天津) MAF展というコンペティションに出したものですね。このときはハナエモリのウェディングコレクションの発表だったのですが、そのときにAIを使った取り組みでは経済産業大臣賞をいただきました。ウェディングって一番のハレの日だと思うんです。そうすると最初からもっている憧れのイメージありきで試着される方が多いんですけど、そうではなくて、どういうものが似合うかをAIによって絞り出していきました。そうすると実際に日本人だとあまり着ないマーメイドラインだったりパンツスタイルを勧めたりすることもあって。

オルガ なるほど。急速に変わっていくテクノロジーをコレクションに取り入れようとしても、デザイナーが深くテクノロジーを理解するのって難しいじゃないですか。テクノロジーからインスパイアされたイメージを技術者に伝えるのって共通言語がないと思うんですが、クリエイションしていくうえで気をつけていることはありますか?

天津 ぼくは邪魔にならないというのがひとつかなと。テーマをデザインしていくことは変わらないので、そのテーマにテクノロジーを通すと助けになるときに使いたいなと。ファッションは半年に1回どんどん発表していくので、そのタイミングに合わせるのが一番難しいなとは思います。

オルガ そうですよね。つくり始めたころと発表するころが全然違ったり、テクノロジーが半年で急速に変わっちゃったりして。先見性をもつことも結構重要ですよね。

天津 ただ、あまり先見性を考えすぎても凝り固まっちゃいますからね。やれるかやれないかでまず進めていくことが多いです。

オルガ 天津さんはVR(仮想現実)にも取り組んでいらっしゃるので、みなさんぜひ調べてみてくださいね。じゃあ、次に泉さん。泉さんにはずっと「ヒーター」のことを聞きたかったんですよ。あれは最初からあったかくなる服をつくろうと思ってたくさんリサーチをされたんですか?

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トークイヴェントはGINZA SIX内の蔦屋書店で行われた。PHOTOGRAPH BY YAMAGUCHI KENICHI JAMANDFIX

泉栄一(以下、泉) そうですね。知人にはアウトドアの方も多いですし、スポーツ界の方もいるので。すごいダウンでもずっと動かないでいると寒くなるなと思って、止まった状態に加えられる機能がヒーターだったんです。

オルガ ヒーターを操作するアプリもつくられてますよね。

 アプリは自社開発しようと努力したんですが難しくて。どうしてもファッションの人間からするとアプリのデザインや見え方にこだわりたくなってしまうんですが、そこで職人さんや技術者と折り合いがつかないこともありました。今後の自分の課題でもあるのかなと思いましたね。

オルガ なるほど。じゃあこういうふうにつくりたいってイメージを伝える感じなんですね。開発にはすごい時間とお金がかかったんじゃないですか?

 ぼくだけでは絶対できないですからね。専門の方たちや技術者とどう折り合いをつけないといけない。自分の気持ちを伝えて、お金や時間を考えたうえで「つくりたい」って情熱をもった人同士でしかできません。みんなすぐに結果を求めているというより、利益度外視でやって繫がりが生まれていく段階なのかなと思っています。

オルガ 泉さんはJAXA(宇宙航空研究開発機構)とのコラボレーションもたくさん行われてますよね。いろいろ詳しく聞きたい話はあるんですが、ちょっと時間の都合があるので……。次はパルコの平松さんです。ZOZOTOWNがWEARというアプリを出したときに、色々なメーカーが少し引いて見ているなかで、渋谷パルコさんが大々的に協力していてかっこいいと思ったんですよね。

ORGA

ORGA

モデレーターのオルガ。国内外アーティストのPVやライヴ衣装を制作するなどデザイナーとして活動するだけでなく、デジタルハリウッド大学やプリンストン大学など国内外で教鞭もとっている。PHOTOGRAPH BY YAMAGUCHI KENICHI JAMANDFIX

平松有吾(以下、平松) ECサーヴィスを取り上げるのは社内でも賛否両論あったのですが、やはりお客さんが洋服を知ってから買って使うまでの流れを考えると、そのなかで起きるコミュニケーションに加わっていかないとぼくらも広がっていかないなと思っていました。だから最近だと、より直接お客さんと繋がっていくために、売り場をオンラインのなかにつくっていくことなんかも考えています。ウェブ上にブランドの世界を表現するような空間をつくっていくことには力を入れていて、まずはアンリアレイジさんとの取り組みを展開しています。海外対応なども行いながらコミュニケーションの場を広げていくようなことを行っていますね。

オルガ パルコさんはVRにも取り組んでますし、本当にいろいろなことをやられてますよね。商業施設がVRを積極的に取り入れますよって声を上げて、実際にやられていることがすごい。売り上げへの貢献のようにすぐ結果を求めるのではなく、実験的な取り組みではあるけど、まずは先に進もうという意気込みを感じます。

平松 空間自体の制約はあるなかで、それをどれだけ広げていけるのか。リアルな売り場より、そこに込められている情報がお客さんの楽しみに繋がっているので、VRは逆に可能性があると思うんです。いまの段階から色々なことをするのは先行投資になる部分もあって、ここで起きていくことを次につなげていけたらと。

オルガ 歴史のある商業施設だと、過去の成功の方程式から抜け出せないこともあると思うんですけど、パルコさんはそういうのを取り払ってる感じがしますよね。だからパルコさんのことは応援してるんです(笑)。

天津憂

天津憂

ハナエモリのクリエイティヴディレクター、天津憂。MAF展では、3Dプリンティングを活用したヘッドドレスを制作したことも大きな話題を呼んだ。PHOTOGRAPH BY YAMAGUCHI KENICHI JAMANDFIX

「テロ」か「救世主」か

オルガ 今回「ファッションテックはテロか救世主」というタイトルをつけたんですが、わたしはZOZOSUITが発表されたときに、それがメーカーから出なければならないイノヴェイションだったんじゃないかと思ったんですね。ECサイトがファッションに対して及ぼしている影響の大きさを見て、メーカーはなにができるのかすごく考えました。そういう立場から、テックは「テロ」なのか「救世主」なのか考えなければならないと思ってるんです。ZOZOTOWNが大きなイノヴェイションを起こしていることを俯瞰で見たときに、自分はどう動くべきだと思いますか?

天津 立場によるとは思うんですが、デザイナーという立場から答えは出ないですよね。今回のタイトルを投げられたときにすごく考えたんですけど、救世主ではありつつも難しいジャンルだなと思って、答えを出しそこねています。

オルガ でも天津さんは色々なテクノロジーに挑戦する姿勢があって、人を巻き込むのもうまいですよね。だから、自らスキルを習得してそのスキルからアイデアを出すのではなく、こういうスタイルを提案したいんだという強い思いを放つタイプなのかなと思っていました。

天津 そうですね。ぼく自身が一からスキルを学ぶことはほぼゼロに等しいですし、人に頼ったり人を使ったりするかたちでしか表現できないですから、そういう意味では救世主なのかなと思います。

オルガ 天津さんが救世主としてテクノロジーと付き合う姿勢をもつってことでもあるのかもしれないですね。泉さんはいかがですか?

泉は自身のブランド「MINOTAUR」を通じて「未来のライフスタイルを牽引する」アイテムを提案するだけでなく、近年では企業のユニフォームデザインなども手がけている。PHOTOGRAPH BY YAMAGUCHI KENICHI JAMANDFIX

 ぼくは何でも受け入れるタイプで、自然の流れかなと思っているので、どちらでも大丈夫です(笑)。昔からあるものも、その昔はテロか救世主かみたいに受け取られたかもしれないですし。ぼくは常に楽しみたいと思ってます。どちらかといえば救世主かなと思うんですけど。

オルガ 泉さんは自分がテクノロジーのスキルを習得すべきだと思うときはありますか?

 いえ、よくある話ですが、いまから英語を覚えるよりも翻訳機を使うようなタイプなので。それだったら日本語の意味をちゃんと理解したほうがいいという考え方ですね。自分が技術を受け入れる気持ちはどんどん進化していくと思うんですけど、ぼくがスキルを身につけるというより、技術を自分なりに使わせていただく、技術がある人とシェアしていく感覚ですね。

オルガ 翻訳機を手に入れるっていうのはすごくいい表現ですね。わたし、その考えはありませんでした。恐らくデザイナーの立場からすると、新しい「絵の具」が増えたような感覚だと思うんです。表現の幅が広がるので、救世主という見方が強い。でも、商業施設とかは違う気がする。ZOZOTOWNさんとかの勢いが増しているなかで、平松さんはどういうふうにテクノロジーをとらえてますか?

パルコに勤める平松は、自主編集ショップ「ミツカルストア」の立上げ~ディレクション~商品開発、ブランド×パルコ越境ECプロジェクトなどを経て、2017年より渋谷パルコ建て替えプロジェクトに携わっている。PHOTOGRAPH BY YAMAGUCHI KENICHI JAMANDFIX

平松 お客さまやブランドさんの気持ちに制限はかけられないなと思いつつも、リアルとECの越えられない壁もあると感じています。ZOZOSUITもすごく怖いと思った反面、個人的にインフラはあくまでもインフラでしかないのかなとも思うんです。インフラが広がって新しいデザインがつくれるようになることはあっても、それによって普通の服がつくりにくくなることはないんじゃないのかなと。やっぱり洋服っていうのはソフトの価値がないと買っていかないんじゃないかと思っています。

天津 この話の流れでいうと、もともと洋服ってオーダーメイドから始まったと思うんです。ひとりの人のためにつくって、それを着るのが当たり前だった。いまは既成品が当たり前でオーダーメイドが減っていますが、テクノロジーが発達することでオーダーメイドへ戻ってきているんじゃないかと。

オルガ 天津さんが急にそっとマイクを手にとったので、言いたいことがあるんだなと思いました(笑)。わたし自身は、ある人にとってテクノロジーは「テロ」だと思ってます。それは成長を拒んだ人。成功の方程式を曲げないと、この流れのなかでテクノロジーには勝てないんです。逆に、成長の過程で適応を拒まなかったものにとっては救世主となる。そういう意味で、今日登壇してくださっている方々は、本当にいろいろ柔軟に考えて、デザインとテクノロジーを融合させて前に進もうとしてる人たちなんだなと思いました。

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