2018年2月27日火曜日

小売を変えるかもしれない未来へ向かうテクノロジー NRFRetail 2020の感想レポ - ECzineイーシージン

未来の小売はこう変わる!革新的な5ジャンルのサービス

 「Retail 2020」は、「Awareness(認知)」「Consideration(検討)」「Engagement(エンゲージメント)」「Service(サービス)」「Post-purchase(購入後)」を切り口にいくつかのサービスを分類、同コーナーのスポンサーをあわせた29のブースで構成されていました。

Awareness(ブース:IL1~5)

 Awarenessゾーンでは5つのサービスを紹介。「Mystor-E」ブースでは、タブレットに近づくと写真が撮られ、オススメ商品でコーディネートされた自分がタブレットに投影され、おもしろかったです。

  • Glass-Media:店頭の窓ガラスのようなスペースに映像を投影。道行く人に目を留めてもらったり、商品の詳しい説明を行うのに利用できる。
  • Mystor-E:AIの活用で、実店舗に来店した消費者に、パーソナライズされた商品レコメンドをタブレット等で行う。
  • Provision:店頭に端末を置くことで、3Dホログラフィックで商品や広告を表示する。
  • Satisfi:ウェブやSNS、スマートスピーカーなど、ユーザーが望むチャネルで、リアルタイムな会話をAIにより、自然な言語で実現する。
  • Spacee:タッチスクリーン技術により、「Visual Retail」を提唱。3Dプリンタか、インクジェットのプラスチックレプリカで、シミュレーションした商品と同じサイズのものがその場で出来上がる「Simulated Reality」に人だかりができていた。

Consideration(ブース:IL6~12)

 Considerationゾーンでは、実店舗でもデジタルを活用することで、楽しませつつ情報をたくさん与えるソリューションが多かった印象。一瞬でサービス内容がわかりやすい、revieveの「デジタルビューティーアドバイザー」に足を留める人が多かった。

  • everthread:追加の写真撮影や加工なしに、さまざまな角度・活用シーンでの商品画像コンテンツを用意し、ユーザーが納得して購入できる後押しをする。
  • FINDMINE:ディスプレイ、マジックミラー、アプリなどを活用し、実店舗でもユーザー周辺にある商品の、全体像を見せることができる。
  • June20:実店舗でも、リッチなオンラインの、触覚的なグラフィックを動的に表示する。
  • revieve:買い物客のセルフィーから、デジタルで美容アドバイスするサービス。ウェブはもちろん、SNS、Amazon EChoからもコミュニケーションできる。
  • Slyce:ビジュアルサーチを提供。画像から似た商品を探したり、アイテムの写真から「黒」「レザー」「ジャケット」など検索のためのキーワードを自動で抽出する。
  • Tangiblee:他のものと比較したり、家具であれば部屋に配置してみることで、商品のサイズをよりわかりやすく、視覚的に伝える。「THE BRIDGE」にも日本語で解説した記事があります。
  • Volumental:AIと3Dスキャンにより、「靴」のパーソナライズを実現するソリューション。

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テクノロジーだけが全てじゃない テックによらないすてきなイノベーション [MASHING UP] - cafeglobe

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2018年2月22〜23日にトランクホテルで開催されたビジネスカンファレンス「MASHING UP」。Unleash Yourself (自分自身を解き放とう)のテーマの下、多彩なセッションやワークショップが繰り広げられました。カフェグローブはイベントに密着取材、パワフルな現場の様子をレポートします!

「テクノロジーだけが全てじゃない! テックによらないすてきなイノベーション」と題されたセッション。様々な業種にテクノロジーをかけ合わせたxTech(クロステック)ビジネスによる社会変革が芽吹くなか、ものづくりが持つ可能性が語られました。

テクノロジーは「つくる」を支える技術

壇上には、手編みのラフィアバッグの制作・販売を軸にフィリピンの女性を応援する株式会社スルシィの関谷里美さん、衣服づくりの新しいプラットフォームを構築するシタテル株式会社の河野秀和さん、そしてこの日サプライズで参加したファッションブランドLOKITHO(ロキト)のデザイナー木村晶彦さん。進行役をつとめるは、「急なことで木村さんをご紹介するスライドがないので、私がロキトの最新作を着てきました!」と、ブランドの世界観を伝えるモデル役も。

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株式会社ロフトワーク 林千晶さん

3名のスピーカーは、それぞれ異なるフィールドで「つくる」に携わっている方々です。関谷さんはバッグ作りを通して、セブ島の小さな村に産業を興し、女性の雇用を創出しています。「人が好き、という思いが根底にある」という関谷さんは、従業員の医療費や子どもたちの学資金に当てるファンド、スルシィ基金を創設。将来は図書館をつくる計画もあります。

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株式会社スルシィ 関谷里美さん

河野さんは、服をつくりたい人、つくる人を有機的に結びつけるプラットフォームを運営。テクノロジーはもの作りの対極に位置するものではなく、ものづくりを支えるものとして捉えています。「ウチにもエンジニアがたくさんいますが、彼らはシステムを作るときに“ものづくり”という言葉を使います。プロダクトとして世の中に役立つものを作るという意味では、テクノロジーも“ものづくり”も一緒じゃないかと思っています」。

つくる行為の満足感は本能的な喜びと同じ

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シタテル株式会社 河野秀和さん

河野さんが生み出した仕組みについて、デザイナーの木村さんもつくり手として太鼓判。「今までもブランドと工場をマッチングする話はあったけれど、工場を集めただけで終わっていた。シタテルは、工場の得手不得手や稼働状況まで把握しているところがすばらしい!」

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LOKITHO(ロキト)デザイナー 木村晶彦さん

そう話す木村さんはブランド立ち上げ以来、一貫して日本でのものづくりを続けています。コンセプトは、精神的に成熟した女性のための服。林さんから在庫や資材など、ファッションにつきまとうハードルについて問われた木村さん、その答えはシンプルかつ明快です。「本当に欲しい人にむけて、受注生産でつくっています。手広くなんでもやるのではなく、本当に作りたいものは何かをつきつめて、ピンポイントで突破していく。自分が美しいと思うものをつくるようになって、ブランドとしての価値が高まったと思います」。

集約し、広がり、つながる。ものづくりのさまざまな形とパワーの一端が示された45分。林さんは、セッションをこんな言葉で締めくくりました。

つくるという行為が人にもたらす満足感は、食べることと同じくらい本能的な喜びだと思います。つくることの大切さ、その喜びを、このセッションをきっかけにぜひ話をしてください」。

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テクノロジーが全てじゃない! テックによらないすてきなイノベーション

MASHING UP 2018年2月22日 14:30〜15:15 @トランクホテル 3F
登壇者:林 千晶(株式会社ロフトワーク)、関谷里美(株式会社スルシィ)、河野秀和(シタテル株式会社)、木村晶彦(LOKITHO

撮影/YUKO CHIBA、取材・文/浦上藍子

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盆栽xテクノロジーTDKがBonsAIボンスエーアイを公開 - IoTNEWS (プレスリリース)

盆栽 x テクノロジー、TDKが「BonsAI(ボンスエーアイ)」を公開

TDK株式会社は、創立80周年を迎えた2015年より、コミュニケーションメッセージ“Attracting Tomorrow”を掲げており、未来をひきよせるテクノロジーをテーマに、様々なメディアを通じてブランディング活動を展開してきた。

2017年11月8日からは、テクノロジーを使って未来をひきよせるモノやコトを開発するプロジェクト“TDK Attracting Tomorrow Project”を始動。TDKの技術や製品を用いて、人間とコミュニケーションをとることができる新しい盆栽である「BonsAI」(盆栽+AI)の始動を発表した。

そして今回、対話する、水をねだる、といった「BonsAI」の全貌をTDK Attracting Tomorrow特設サイトで公開した。また、同時に「BonsAI」がお寺に行き、縁側でお坊さんと人生について語るという、コンセプトムービーを公開した。

[embedded content]

「BonsAI(ボンスエーアイ)」について

古くから日本で愛され、身近な「自然」である盆栽に、TDKの技術や製品を用いることで、人間と対話することを可能にする「BonsAI」(盆栽+AI)を制作するプロジェクトだ。

人と植物がコミュニケーションをとることで、未来へ向けた人間と自然との新たな関係を垣間見ることに挑戦するとしている。

「BonsAI(ボンスエーアイ)」の特長

対話する

BonsAIには、人から悩みを打ち明けられると、古今東西の知識からヒントをくれる会話機能が搭載されている。「人にとって盆栽がちょっと頼もしく感じられる」ことを目指した機能だという。

日を浴びる

BonsAIは、暗いところにいると日の光を求めて歩き回る。無事日向にたどり着くと、「LEDを光らせながら気持ちよさそうに日光浴」をするという。

水をおねだりする

土は盆栽にとって大事な食事のようなものだ。BonsAIは土が乾くと水場に近寄って、「フリフリしたり、光ったりして、人に水をもらえるようおねだり」するという。

盆栽がまるでペットのように振る舞うことで、人がより植物を愛らしく感じられることを目指しているという。

その他の「BonsAI」搭載機能詳細

  1. 土壌センサ:土の乾きを測定するセンサ。
  2. カメラ:移動制御のための小さな”目”として前面に搭載された小型カメラ。
  3. LED:BonsAIの感情を表現するLEDパネル。
  4. スピーカー:BonsAI と人が対話するための小型スピーカー。
  5. 9軸センサー:安定した歩行制御を実現するためのTDKの注力開発技術の一つでもある9軸センサー。
  6. フィルム太陽電池:フィルム状の形状により自由な整形を可能とし、電源供給のほか、照度センサーとしても活用しているTDKのフィルム太陽電池。
  7. ワイヤレス給電:底部に設置されているTDK製ワイヤレス給電装置。床側の給電デバイスと合わせることで、ケーブル接続不要の充電を実現。
  8. ベース:BonsAI内部に搭載されている、駆動・会話を制御するマイクロコンピューターをはじめ、搭載されている様々な部品の一つ一つに、コンデンサやインダクタなど極小ながらTDK製の電子部品を凝縮。総重量は20kg以上。

【関連リンク】
TDK Attracting Tomorrow特設サイト
ティーディーケイ(TDK)

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テクノロジーを駆使して店舗経営 Airレジが挑む未来の店舗経営 - マイナビニュース

リクルートライフスタイルがこのほど、同社の事業戦略を説明する発表会「Airレジ カンファレンス 2018」を開催した。4年目を迎えたPOSレジアプリ「Airレジ」は、サービスの提供開始以降、全国31万8000店舗で導入され、関連するサービスも堅調に成長しているという。同社は「Airレジ」を中核に据えてどのようなプラットフォームの構築を目指しているのだろうか。

Airレジと連携する関連サービスが、この1年で急成長

発表会に登壇したリクルートライフスタイル ネットビジネス本部 グローバルソリューション事業ユニットのユニット長である大宮英紀氏は、この1年間におけるAirレジおよび関連サービスの成長について紹介。

まず、2年前に始まったキャッシュレス決済サービスAirペイは、クレジットカードの主要国際ブランド6種類、交通系電子マネー9種類、Apple PayやiD、QuickPayにも対応したことで急成長を遂げ、この1年間で取扱高は15倍に成長したという。決済手数料の低さ、Airレジとの連携、支払手段の多様性、運用費用の安さなどが導入の決め手になっているのだそうだ。

「手持ちの現金がなく売上を逸失する機会が減るなどして、売上がアップしたという声が7割を超える。国はキャッシュレス決済比率を10年で40%に引き上げることを目指しているが、Airペイ成長の背景にはこうした追い風があるのはもちろんだが、顧客のために便利なサービスづくりを推進することで、この成長を加速させたい」(大宮氏)

また、訪日外国人によるインバウンド消費の高まりを受けて成長している「モバイル決済 for Airレジ」は、5.2億人が利用する中国Alipayに対応していることで導入店舗が急増。取扱高はこの1年で16倍に成長しているという。atre、PARCOなど大型商業施設が導入を進めているそうで、今春からは銀座の大型商業施設「GINZA SIX」に導入される。また、対応決済手段として今春よりNTTドコモの「d払い」にも対応し、国内需要にも応えるとしている。

「モバイル決済 for Airレジは、購買意欲の高い中国人観光客のニーズを呼び込むサービスとして導入が進んでいる。いまや“ALIPAYに対応するならモバイル決済 for Airレジ”といえるほどにまで成長した。商業施設だけでなく飲食、美容、旅行宿泊などの業種にも拡大していきたい」(大宮氏)

そして、ポイントカード対応サービス「POICHI for Airレジ」は、Tポイント、PONTA、WAONポイントという国内の主要ポイントサービスに対応したことで、導入店舗が増加。ポイントカード提示による会計総額は、この1年で20倍以上成長したという。店舗がサービス導入によってブランド力のあるカードに対応することで、利便性だけでなく店舗への信頼が高まる点が、導入店舗から好評なのだという。

「決済にポイントが使えることで、購買が拡大するケースも少なくない」(大宮氏)

こうした決済サービスに加え、予約台帳サービス「レストランボード」、店舗受付管理アプリ「Airウェイト」、予約管理サービス「Airリザーブ」など集客・接客サービスも堅調に推移しており、Airレジを中核に様々なサービスを連携させることで、多くの店舗がサービス導入の手間やコストを抑えた形でレジ業務の効率化と売上の向上を実現している現状を紹介した。

特に決済サービスに関しては、3つのサービスを導入することで顧客への選択肢を幅広く提供することを手間なく実現できる点について、「店舗はシンプルな導入手段で手間なくクレジットカード、ポイントカード、電子マネーなどの主要ブランドを取り扱うことが可能になる。支払手段によって機器を購入したり、契約をしたり、店員を教育したりする手間は必要ない。Airレジを中核に据えてそれぞれのサービスを連携させることで、決済からPOSレジまで一気通貫で賄うことができ、煩雑になりがちなレジまわりをシンプルにすることができる」と強調した。

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Vテクノロジーは9日ぶり反落短期急騰後の利益確定売り - 会社四季報オンライン

 液晶ディスプレー、有機ELディスプレーなどの製造・検査関連装置が主力のブイ・テクノロジー(7717)は9営業日ぶりに反落。午後1時38分時点では前週末比520円(2.0%)安の2万5170円となっている。

 2月13日の引け後に発表した今2018年3月期の第3四半期累計(18年4~12月期)連結決算が好調で、同時に通期の業績と配当の予想を上方修正。これを好感する形で翌14日から23日まで8営業日連続で上昇し、この間の上昇幅は6180円、率にして約32%に達していた。きょうも寄り付きは続伸して始まり、株式分割を考慮した実質で上場来高値を更新する場面もあった。しかし、一巡後には短期的な上昇ピッチの速さに対する警戒感も浮上。日足チャートは23日現在で25日移動平均線からの上方かい離が約17%まで広がってきており、当面の利益を確定する売り注文に押されている。

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2018年2月25日日曜日

今こそ先端技術を駆使して人事の個別化を - JBpress

HRテクノロジーの活用によって、どのような企業像を目指すのか。

 ここ数年、我が国でも「HRテクノロジー(人事テクノロジー)」への関心が高まっている。

 HRテクノロジーとは、AI、IoT、ビッグデータなどを活用して、人事業務の効率化や採用・人材育成・評価・配置・登用などをより科学的に行うための技術である。

 たとえば、AIを活用して書類選考を自動化する、勤怠データや人事考課の履歴などを活用して退職可能性を予測するなどといった技術は、既に国内先進企業でも取り入れられ、成果を上げつつある。HRテクノロジーは、Fintech(金融テクノロジー)やAdtech(広告テクノロジー)に続くテクノロジー活用の領域として期待されているのだ。

 しかし、直近で見ると、実は日本におけるHRテクノロジーへの関心は停滞している。デロイト・トーマツ・コンサルティングが行った調査*1によれば、2016年にHRテクノロジーに関心を持っていた日本企業は81%あったが、2017年の調査では、77%と4%下落している。

 人手不足が慢性化する中、人事部門でもテクノロジーを活用する必要性は理解できるし、関心がないわけではない。しかし、テクノロジーを活用することで、何がどう変わるのかがよく分からない。日本企業の多くは、そういった疑問を拭えないため、HRテクノロジーの導入に踏み切れないのではないだろうか。

 私は、この疑問を人材マネジメント分野の研究者と人事の実務家の双方に、率直にぶつけてみた。質問をぶつけた研究者とは、人材マネジメント領域における世界的なオピニオンリーダーであるシカゴ大学のデイブ・ウルリッチ教授。実務家は、日本で既にHRテクノロジーを活用している先進企業の人事部門で働く、エンジニアリングやデータサイエンスのバックグラウンドを持つ人事パーソンたちだ。

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2018年2月24日土曜日

これからの表現をするためにテクノロジーというツールを使いこなすMATトーク日本とフランスの表現の今とこれからレポート - WIRED.jp

2018年2月25日まで開催中の「Media Ambition Tokyo」は、今年で6回目を迎えた。メイン会場である六本木ヒルズ52階の東京シティビューに美しい「山脈」を描き出したヴィジュアルアーティストのジョアニー・ルメルシエと、同じく作品を展示中のライゾマティクス齋藤精一によるトークイヴェントの模様を紹介する。

TEXT BY AYUMI YAGI

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本トークイヴェントは2月12日にTSUTAYA TOKYO ROPPONGIの2Fにあるイヴェントスペースにて行われた。休日ということもあって多くの人が来場した。PHOTOGRAPH BY YAMAGUCHI KENICHI JAMANDFIX

齋藤精一(以下、齋藤):今日は「日本とフランスのこれからの表現」に関してと、メディアアートの環境が日本とフランスでどう違うのかについてお話できればと思います。早速ですが、ジョアニーさんのイントロダクションから。

ジョアニー・ルメルシエ(以下、ジョアニー):わたしは自身をヴィジュアルアーティストだと考えていますが、キャンヴァスに絵の具で描く画家のような存在ではありません。わたしは空間と光を使って作品をつくっています。

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ジョアニー・ルメルシエ|JOANIE LEMERCIER
ヴィジュアルアーティスト。光のプロジェクションを用いてわたしたちの視覚認識に影響を与える作品を手がける。幾何学的なフォルム、ミニマルなモチーフや構成による作品が多い。2008年にヴィジュアルレーベルAntiVJを共同創設。13年には個人スタジオを立ち上げ、映像を使用したインスタレーション作品や実験的プロジェクトを行う。https://joanielemercier.comPHOTOGRAPH BY YAMAGUCHI KENICHI JAMANDFIX

ある日、わたしは単なるヴィデオプロジェクターの各ピクセルをそれぞれコントロールすることによって、完全に自分の思うままの照明ができると気づいたんです。それからわたしは光のプロジェクションを用いて表現することが多くなっていったのですが、まるで自分のプロジェクションのなかの空間で生きるように、暗い部屋で過ごすことが多くなりました。

そこで、よりバランスのとれた人生を送るために、わたしは自然を見出したのです。自然のなかで受けた心地よい感情が、わたしにバランスをもたらしてくれました。その後の作品と、いまMedia Ambition Tokyo(以下、MAT)で展示されているインスタレーション作品『山、11万4千個の多角形』にも、自然は影響を与えています。

最近使うようになったCGIは、映画やヴィデオゲームで使われているもので、本当の自然により近い風景をつくり出すことができます。このツールのおかげで、わたしは新たな雲のテクスチャーを自分の作品に入れることができました。しかしCGIソフトを使ったあと、シンプルなものに戻りたいという気持ちが湧いてきてクロッキーのデッサンを描きましたが、わたしはデッサンがあまり上手ではないので、実はロボットを使っています。

このように手描き、CGIソフト、ロボットなどを使ってさまざまな試みを行ってきましたが、いつも探しているのは自然に取り込むという経験をすることです。どうすれば自分が自然のなかで感じた感動を伝えることができるのかを、いつも考えています。会場からは、富士山に夕日が沈むところを見ることもできます。こんな場所で展示ができるのはとても嬉しいですね。

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ジョアニーが今回MATで展示している作品、『山、11万4千個の多角形』はアルゴリズムによって変形したメッシュによって精細な写真と見間違えてしまうような美しい山脈を描き出している。PHOTOGRAPH BY KOKI NAGAHAMA/2018 GETTY IMAGES

齋藤:2007年からプロジェクションマッピングを手がけているというのは、アーティストのなかでも先駆者で、その後の表現の幅を広げた方だと思っています。かっこいいだけではなく芯がぶれていませんし、自然をすごく探究されているという印象があります。

ぼくのなかで今年のMATをすごく象徴していると思ったのが、「実践」ということです。いろんなところで2020年に向けたさまざまな議論がありますけれど、もう議論していてもしょうがないので、つくれる人はどんどんどんどん物をつくっていくという時代に入っていく。逆に言うと、それが出来ない人はたぶん負けていくでしょう。今回ライゾマティクスはトヨタ紡織さんとご一緒しましたが、このような発想をつくらせていただけるのはもちろん、これを外に出してみて初めて、成功なのか失敗なのか、失敗であればどうすれば成功するのかというプロセスをスタートできるのです。これが大事で、いま始めていかないといけないこと。この部分をご一緒できたのは大きかったですね。

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齋藤精一|SEIICHI SAITO
1975年神奈川県生まれ。ライゾマティクス代表取締役。建築デザインをコロンビア大学建築学科(MSAAD)で学び、2000年からNYで活動を開始。その後ArnellGroupにてクリエティブとして活動し、03年の越後妻有トリエンナーレでアーティストに選出されたのをきっかけに帰国。その後フリーランスのクリエイティヴとして活躍後、06年にライゾマティクスを設立。建築で培ったロジカルな思考を基に、アート・コマーシャルの領域で立体・インタラクティヴの作品を多数つくり続けている。PHOTOGRAPH BY YAMAGUCHI KENICHI JAMANDFIX

いま世界はレイヤーや縦割りなどではなく、超複雑系の時代に入ったと思っています。例えば行政とアートはいままで離れていたのに、モビリティ、ロボティクス、シェアリングエコノミーなどそれ自体もすべてが毛玉状になっており、取り除こうと思っても絡まって取れない時代になっています。それはインターネットが起こしたことですよね。

そうすると、「事情」の産物を取り除いてみることが大切ではないでしょうか。事情の産物はどんな仕事でも起こります。例えば、「これ会社的に無理です」とか、「お金的に無理です」とか、「スケジュール的に無理です」というものを、一回とっぱらってみる。いろんなものを見て、なぜこれはこのままななんだろうと疑う発想が必要です。

トヨタ紡織さんとは人から発想する、「内装から発想する内装」について話し、デザインチームと密にコミュニケーションをとり、今回展示した『VODY』をつくりました。シリンダーが二百数十本入っているんですが、座った人に合わせてシートがフルパーソナルに調整されるというものなんです。

このように体験していただかないとわからないものが世の中にはたくさんあるなか、MATのいいところは、いろんな人が来て体験できることです。MATにはテクノロジーにモビリティ、人とテクノロジーの関係の話、人工知能(AI)の話からセンシングの話まで、いろんなものが詰まっているとぼくは思っています。メディアアート系のイヴェントは最近東京で増えて来ていますが、フランスの状況はどうですか?

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ライゾマティクスがトヨタ紡織とともにつくり出した『VODY』。本作が2017年11月に東京モーターショーで発表された際に、「WIRED.jp」はトヨタ紡織の開発担当者と齋藤の対談を掲載している。PHOTOGRAPH BY KOKI NAGAHAMA/2018 GETTY IMAGES

ジョアニー:メディアアーティストのなかにもさまざまなプロフィールの方がいると思うんですが、おおよそがクラブや音楽シーンを通った人たちでしょう。音楽フェスティヴァルに招かれてプロジェクションマッピングをするようになり、10年経ってようやく美術館やさまざまな機関、政府や都市から招かれるようになり、多くの観客がわたしにアクセスできるようになったのです。

MATは本当に信じられないようなフェスティヴァルです。誰もが先端的な観客でありながら、たまたま東京に来た観光客もMATが開催していることを現場で知る。ほとんどポップカルチャーになっていると思うんです。

齋藤:ジョアニーさんは自然とデジタルのように相反するもの、あまり交わらないものを普段使っていますが、そういう作品をつくっている観点から見て、メディアアートのもっている力はどういうところにあると思いますか?

ジョアニー:メディアアートの力はクリエイティヴコーディングともかかわっていると思うんです。ご存知のように、何十年も前からコンピュータとテクノロジーが発展をし、民主化されていきました。しかし、クリエイティヴコーディングやプログラムにアーティストがアクセスできるようになったのは、ごく最近のことです。すなわちアーティストが簡単に使えるソフトができたことが重要です。

いまではコンピューターの力をアーティストが十分に利用できるようになりました。プロジェクションにしてもレーザーにしても、LED光線にしてもモーターにしても、昔はそうしたものをコントロールする機械があったとしても、アーティストがそれにアクセスできなかったんです。

しかし、いまでは美術学校を出たばかりのアーティストであっても、さまざまなストラクチャーやクルマ、建築物まで、クリエイティヴコーディングを使ってつくることができます。それもオープンソースのソフトウェアでつくることができるのです。テクノロジーは結局、ツールに過ぎません。昔の画家に絵筆があったように、現代のアーティストはコンピューターを使うことができる。

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ジョアニーがメッシュによって山脈を構成していく様子。この状態だといかにもCGのようにに見えてしまうが、その解像度が上がっていくことで美しい山がつくり出されてゆく。PHOTOGRAPH BY YAMAGUCHI KENICHI JAMANDFIX

齋藤:テクノロジーが道具であることはすごく大事なポイントで、あるときに表現者たちはそれを忘れて、大きくする・明るくするためにテクノロジーを使ってしまうこともあります。複雑な世の中になったからこそ、テクノロジーはわれわれの道具であることを肝に銘じていないと、いつかテクノロジーに飲まれてしまうようなことがあると思っています。

例えば、AIに人間の仕事が奪われると言われていますが、AIはまだよちよち歩きの子どものようなテクノロジーなので、ぼくたちがどう使っていくべきかが大事です。メディアアートというのは、その実験の一発目。メディアアーティストは、いろんなアクセスを試すことができます。だからこそ、一発目にこれとこれとこれをつなげたらどうなるのか、もしくはどういうポテンシャルがあるのかを試すのかという意味では、ぼくはメディアアートが産業に貢献しているような気がします。どう思いますか?

ジョアニー:産業やブランドとわたしの関係ですが、ブランドや企業クライアントとは仕事をしないと決めていました。現在はブリュッセルにスタジオをもっていて、1年に10本ほど新しい作品をつくっています。あまり予算の大きいものではありません。ベルギーで文化関係の助成金をもらうことができていますが、イギリスやフランスでもアーティストに対する助成はどんどん少なくなってきています。

そこで1年に1プロジェクトだけ、そうしたブランドや企業クライアントのための作品をつくることを自分に許すようになりました。その際は予算の額も大きくなり、その1本のプロジェクトのおかげで、ほかの新しいプロジェクトやスタジオリサーチを1年間行うことが可能になるのです。しかし、スポンサーつきのプロジェクトはとても吟味します。たいていの場合は断ることになってしまうなかで、選ぶプロジェクトはレーザーや巨大な水でできたスクリーンなど、新しい技術を試す機会でもあります。

齋藤:絶対にコマーシャルの仕事をやらないっていうアーティストはフランスでも、ぼくの友達でも多いです。ヨーロッパはアーティストをバックアップする体制が非常に進んでいると思っていましたが、それがだんだん弱くなっているという現状があるのは驚きですね。次のフェーズが近づいているのかもしれません。

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テクノロジーカルチャーの祭典Media Ambition Tokyoに行ってきました感想と気になった作品を紹介 - ギズモードジャパン

2018年2月9日から25日まで開催の、テクノロジーカルチャーの祭典Media Ambition Tokyo(通称MAT)に行ってきました。

MATは、都内各所でアート作品の展示やトークイベントを行なうショーケースで、今回見てきたのはメイン会場となる六本木ヒルズの東京シティビュー。テクノロジーアート、メディアアートをはじめとして、数十個のインスタレーションが六本木ヒルズの52階に集まっています。

有名な出展者でいうと、筑波大デジタルネイチャー研究室の落合陽一さんや、クリエイティブ集団Rhizomatiks(ライゾマティクス)が参加しています。

感想:硬派なメディアアートだけどわかりやすい

まずは全体の感想からいうと、脳汁じゅわじゅわって感じで、会場を出たときの満足感と余韻は十二分。それぞれの作品はどれもハイコンテキストすぎず、テクノロジーすぎずで、硬派なメディアアートながらも誰でも楽しめる展示でした。

いわゆる“バイラル”や“インスタ映え”ではないアートが、これほど集結するイベントは中々ないのではないかと、私のなかでは大絶賛です。こんな会期終了間近に言われても…って感じですが、テクノロジーによる問題提起や批評とかに興味がある人はぜひ見に行って欲しいです。

MATを見る前に:良いメディアアートってなんだろう

アートって難しいですよね。コンセプチュアルすぎる作品だと批評家っぽく鑑賞するしか術がないですし、ビジュアルが先行しすぎても深みが足りない作品に見えてしまいます。とくにメディア/テクノロジーアートの場合ですと、作品に含まれるメディアやテクノロジーが、作品のコンセプトを提起し、ビジュアルまで担保しなくてはなりません。つまり、コンセプトとビジュアルに一貫性があり、それを橋渡しするテクノロジーに「なるほど、そういう仕組みなのか!」という発見があると、それは良いメディアアートだと思います。

下では、それに該当すると私が感じたMATの作品を紹介します。

オススメ作品

『CD Prayer』──勝本雄一朗

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Photo: 山本勇磨

手のひらサイズの仏像の背中に、CDとCDプレーヤーのピックアップ(読み取りレーザー)をつけた作品。「Prayer」というスペルに気がついた方もいるかと思いますが、そうなんです、音楽ストリーミングサービスによって衰退しつつあるCDの仏像なんです。

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Photo: 山本勇磨

作者の勝本さん本人のコンセプトがしっくりきますね。

情報技術は日進月歩で進化し、記録メディアもまた盛者必衰から逃れられない。しかし、彼岸へと去りゆくメディアにも慈悲を願うのが人間だ。そこで私はCDのための造仏を始めた。

勝本雄一朗

『山、11万4千個の多角形』──ジョアニー・ルメルシエ

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こちらは、ジョアニー・ルメルシエという、フランス人アーティストによる作品。ヨーロッパで有名なAntiVJというビジュアルスタジオの創設メンバーでもあります。

壁一面に描かれている山の風景が、朝から晩へと有機的に移り変わるビデオインスタレーション。しかしこの作品の面白いところはそこではなく、実はこの山、壁に印刷されたメッシュ状の線にプロジェクターが明暗を投影する仕組みで描かれているんです。

つまりはこういうことです。

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Photo: 山本勇磨
近づくと、各グリッドに投影されていることがわかる

この仕組みを知るまで、私はグリットと光の明暗を見て、山の風景を錯覚していたわけですね。この作品は、それを逆説的に考え、私たちの周りにある風景がすべて数学的なシミュレートだったら?という自然世界とコードの関係性を提起する作品になっています。

『Morpho Scenery』──落合陽一

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Photo: 山本勇磨

同じく、視覚から得る情報について提起した作品では、落合さんの作品も外せません。内容とコンセプトを簡単にいうと、私たちが見る風景というのは、本来の風景がもつ物質性を失った二次元的な映像であるというのが落合さんの考え。そこで、物質と映像の間に光学装置を挟み込み、風景がもつ物質性を喚起させるのが、この作品の目的です。

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Photo: 山本勇磨

SNSでも良く見かけていたので気になっていたのですが、シンプルな構成なのに、そのダイナミックな映像体験に驚きました。この作品が言わんとすることは、体験して感じるべし。

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Photo: 山本勇磨

ちなみに落合さんによると、こうして地平線同士を合わせるのがインスタ映えする撮り方だそうです。

『Imaginary Soundwalk』──Qosmo

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Image: Media Ambition Tokyo 2018

私たちは1枚の写真をみれば、その画にふさわしい音まで想像できますが、それをコンピューターに想像させるのがこの作品。テクノロジーアートを中心に手がけているクリエイティブ集団Qosmo(コズモ)が制作しています。

真ん中のタブレットからマップで場所を選び、その場所で「鳴っていそうな音」が右側にあるスピーカーから流れます。鳴っていそうな音というのは、その場所の情報からマシンラーニングで弾き出した音とのこと。

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Photo: 山本勇磨

つまりImaginary Soundwalkの音は、その町の要素を因数分解して鳴らしているわけで、現実の場所で聞こえる音よりも、その場所らしい音なのではないのか?とも考えてみたり…。

***

他にも、企業とコラボしたコミッションワークなど、多種の側面を持つメディアアートがたくさん展示されています。詳しくはこちらをどうぞ。


Photo: 山本勇磨
Image: Media Ambition Tokyo 2018
Source: Media Ambition Tokyo(1, 2, 3

(山本勇磨)

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2018年2月23日金曜日

テクノロジーが開くパンドラの箱 - Jsports

強豪チーム同士の注目の一戦で、疑惑の判定が勝敗を分ける。ラインを超えたのか、超えていなかったのか。ゴールラインなのか、それともホッグラインなのか……。

ラインを超えたか否かの判定が勝負を分けることは往々にしてある。4年に一度の大舞台でも、度々そういう決着が見られてきた。特に“英国チーム”が絡んだ試合では頻度が増すようで、勝利の女神が微笑んだ1966年しかり、ランパードが頭を抱えた2010年しかり、「2018年」しかり――?

筆者は預言者ではないので、ワールドカップ・ロシア大会での疑惑の判定を予知しているわけではない。むしろ、今夏のW杯は3月上旬に開かれる国際サッカー評議会にて「ビデオ判定」の採用が承認される予定のため、疑惑の判定が減ると見られている。

お知らせ

17/18 イングランド プレミアリーグ

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IoT時代に勝てる企業負ける企業の差は テクノロジーでビジネスを成功に導くためのマインドセット - ログミー

「禁断のパネルディスカッション」のはじまり

八子知礼氏(以下、八子) みなさま、こんにちは。かなりの人数が入っていただいてるんですけど、ぜんぜん声が聞こえてこないですね。(会場笑)もう一度発声練習いただけますでしょうか? みなさん、こんにちは。会場 こんにちは!八子 これでよろしいですね。ありがとうございます(笑)。このセッションは、「禁断のパネルディスカッション」というタイトルがついていますが、みなさま「何が禁断なのか?」というふうに……。友岡賢二氏(以下、友岡) ヤバいですね。八子 期待をしていただいてるかと思いますけれども。「テクノロジーで変革する未来で勝ち抜くために」というキーワードで、非常に取り合わせが難しいメンバーで、ディスカッションしたいと思っております。(会場笑)私、個人的には、さっきも控え室で話をさせていただいた時に、「今日のセッション、猛獣使いの役割ですから」と発言したつもりでおりますので、そういうつもりで進めていきたいと思います。それでよろしいですよね?友岡 (手元のペットボトルを指して)これ、本当の水ですね?八子 焼酎ではないと思います。(会場笑)いつもは、友岡さんが登壇されるところでは焼酎だったりするんですけども、今日は水でご用意させていただきました。今、司会の方からも登壇者のご紹介がありましたけど、詳しくは後ほど各人にご説明いただくとして、順番に進めてまいりたいと思います。まずはそれぞれのメンバーから、自己紹介をさせていただきたいと思います。いきなり私ですね。はい、ありがとうございます。私、株式会社ウフルの専務執行役員、IoTイノベーションセンターの所長をしております八子と申します。sessionD_0042ウフルという会社ご存知の方、どれぐらいいらっしゃいますか?(会場挙手)あの、ちなみに「ウルフ」じゃないですよ?(会場笑)ウルフの方は手を挙げないでくださいね。ありがとうございます。3パーセントぐらいですね。(会場笑)最近IoTを生業として始めるようになりましたけれども、もともとはSalesforce.comのインキュベーションをやっている会社でした。「でした」というのは、最近もやっているんですけども、ウイングアークさんに「MotionBoardをもっと売りなさい」とおっしゃっていただいたので、クラウド連携もやらせていただいているという会社でございます。今日もブースを出させていただいておりますので、そちらのほうにもぜひ足を運んでいただければと思います。ブースのほうにですね、(スライドの)一番右側に出ましたね。みなさん、この本ご存知ですか? 一番右側の本。ご存知ない? まだ買っていない?image3(会場笑)ダメです。ブースにございますので、ぜひご購入いただければと思います。今ベストセラーで増版が決まりまして、売れに売れているIoTの本です。IoTの教科書と名乗っておりますので、ぜひ教科書として扱っていただければと思います。先ほど申し上げたようにウフルはかれこれ12年経つIoTのインキュベーションの会社ですけども、さまざまなものをつなぐというビジネスをやっております。こちらはもう割愛させていただきます。我々、IoTパートナーコミュニティというものを運営していまして、50社ほどでさまざまなワーキンググループの運営をしていて、ウイングアークさんはその中でも中核的な役割を担っていただいている、非常に大切なパートナーさまでございます。さまざまな事例をどんどん出していっていただいているというところですね。(スライドを指して)我々はとくに真ん中のenebularというAPIの連携ツールを今推していていろいろ使わせていただいて、アピールさせていただいております。今日のブースにも展示しておりますので、ぜひとも見ていただければと思います。今日は猛獣使いの役割ですので、私の紹介は以上で終わらせていただくとして、次は武闘派CIOの友岡さん、よろしくお願いします。(会場笑)

IoTでエレベーターの環境情報を取得

友岡 (立ち上がって)ええと、立つのはデフォルトということで。八子 デフォルトです。友岡 立たないと見えないんですよ(笑)。すみません、老眼なんで。フジテックというエレベーター・エスカレーターの会社でございまして、専業メーカーとして、売上はだいたい1,700億円、グローバルに1万人ぐらいいて、そのうち3,000人が日本という会社でございます。sessionD_0043私は今4年目でございます。パナソニックで二十数年働いておりまして、八子さんもスタートは松下グループということで、兄弟なんですけども。その後はファーストリテイリングという、日本で一番元気な洋服屋さんで、グローバル全部を面倒見るという、すごく大変な会社で働いた後、今またぜんぜん違う畑で働いております。今回はIoTなので、うちでやっている入門編としておすすめなものを2つ用意してきました。1つは、電圧を測定するというもの。これまでは、現場のほうにメモリハイコーダーというデバイスをポンと置いて、SDカードにずっと電圧を記録して2ヶ月後に回収するということを現場でやっていたんですね。それ聞いて、「え?」と思って。「2ヶ月後に回収する。そんなのリアルタイムで取ればいいじゃん」という話で、SDカードにFlashAirという通信のデバイスがついたやつですね。みなさん、よくスマホと一眼レフで連携したりとかする時に使うものなんですけど、「これを使ってうまいことできないかな?」と。スマホも使って、データをデータベースのほうに配ってリアルタイムでデータを取る。これがだいたい30万円ぐらいかな。自分たちでつくることができないのでお願いしたんですけど、そんなものでできます。SDカードとFlashAirはけっこういろいろできるんですよ。工場のほうからも、「それができるんだったら、あれも、これも」と言われて、今、絶賛売り込み中なんですね。もう1個が、「今まで取れなかったデータを取ろう」ということで、エレベーターの運行情報は取れていたんですけど、環境情報が取れていなかったので、「温度、湿度、照度、このあたりのデータを取りたいね」という話で、BluetoothでIoTのセンサーから同じようにSORACOMでデータベース上に飛ばしています。ビジュアライズのところは、「Tableauでも使ってみるか」ということで。八子 この一番右のものは、ちょっとけしからんですね。友岡 すいません。(会場笑)今日ちょっと話聞いて、「あ、Tableauをやめよう」と思いました。(会場笑)友岡 そんないいものあるなら、ちゃんと紹介してよ。営業は何やってるの?八子 これ、本当に控え室で言ってましたからね。友岡 そうです。ビジュアライゼーションは使わせてもらおうかなと思っています。営業の方、また後でよろしくお願いします。今日はこういう柔らかい感じでやっていきたいと思いますので、よろしくお願いします。八子 すでにろれつが回ってないような気がしますけど。(会場笑)気のせいですね。友岡 すいません、ちょっと水が回ったようで。(会場笑)

閉域網での集中型の管理を分散させていく

齊藤愼仁氏(以下、齊藤) 僕、そんなにIoTの話を持ってきていないんですけど(笑)。八子 クラウドネイティブですからね。齊藤 そうなんですよ。でも、一応IoTの自慢しておくと、僕、日産のGT-Rに乗っているんですけど、GT-RにSORACOMを搭載して、常に連動してます。僕はそれぐらいの感じで、自分のためだけのIoTっていう。僕、クラウドネイティブという会社をやっているんですけど、もともとデータセンターをつくったり、スパコンをやったり、スーパーコンピューターですね。GPUをやったり、Xeon Phiというコアプロセッサとかをやったりしていました。sessionD_0045スパコンっておもしろくてね。だいたい研究されている先生方に「おい、ちょっと愼仁くん。パソコンがほしいんだけど、見積もってくれない?」と言われて、「どんな感じのパソコンがほしいんですか?」と聞いたら、「んー、そうだな。メモリが512ギガぐらいほしいね」。「それ、パソコンじゃねーからな!」と。(会場笑)本当にそういう世界なんですよ。512ギガなんて底辺の底辺。もう本当、400テラとか、数ペタというのが当たり前の世界だったので、そういうものをやったりしていました。それで、アイレットに転職して、AWS三昧ということで、ここで情報システム部門を自分で立ち上げて、主にセキュリティ・クラスタとしてセキュリティを、もう呼吸と同じで無意識にやっていました。それから起業して、「これ、自分の会社の情報セキュリティや情報システム部だけやっていてもしょうがないんじゃないか」と思って、全部の会社の情報システムがもっと世界中でもできるんじゃないかと思って会社をつくったんですね。(スライドを指して)こちらは僕のかわいいかわいい猫ちゃん。すだちくんというんですけど、御年10歳、人間の年で言うと65歳ですから、もうパイセンですよ。すだちパイセン。なんですけど、この「ロードバランスすだちくん」(齊藤氏のブログ)は、ちょっとふざけたタイトルですけど、けっこう真面目なITの話がいっぱい書いてあります。八子 あれは真面目ですね。齊藤 そうなんですよ。ちょうど1年ぐらい前ですかね、Wantedlyさんがちょっとあれだなと思って利用規約を叩いたら、えらいバズっちゃって、いまだにWantedlyさんの件でアクセスが多いですけど。アイレットさんのWebサイトよりも3倍ぐらいPVがあるWebサイト。(会場笑)ぜひ「ロードバランスすだちくん」、覚えて帰ってください。僕が普段なにをやってるいかということなんですけど、情報システムってだいたい「左からの、右ですわ」ということで、だいだいこの閉域網で集中型の管理をやりたがるんですね。これを分散させていこうよということをやっています。waffなぜかというと、全部説明するの大変なので、ざっくり言うと、右と左で同じところは、下のほうで勝手に使われ始めるというところを表していますね。これをシャドウITというんですけど、勝手に使われ始めるシャドウITの部分を、エンドポイントセキュリティがきちんと効いて認証認可のガバナンスが聞いている状態だと、勝手に使われ始めるのもモチベーションがかなり変わるよという話をしています。つまり、権限を現場に委譲しつつも利用状況を把握する、という仕組みができるといいよね、という話です。これをやるために、これだけのクラウドサービスを使ったりですね。なんなら、Cisco、Juniper、ヤマハ、そのへん全部やります。それで、例えば認証認可、GoogleなのかActive Directoryなのかという話なんですけど、実はMac、Android、スマートフォン、Windows 10 Enterprise含めて、全部Azure ADで統合できます。こういったものも構築したりして、クラウドサービスをより活用できるような仕組みづくりをやっています。八子 はい。このまま放っておくと30分以上しゃべっちゃいそうなので、もうこのへんで。齊藤 止められなかったんで、いいかなと思って(笑)。

IoTとAI専門のWebサイト

八子 では、小泉さん、よろしくお願いします。小泉耕二氏(以下、小泉) みなさん、こんにちは!会場 こんにちは!小泉 IoTNEWSの小泉と申します。よろしくお願いします。sessionD_0051IoTNEWSというのは、IoTとAI専門のWebサイトです。主につくっている人たちを応援するためにやっていますので、「まだうちが載ってないぞ」という場合は、ぜひ問い合わせのほうからクレームを入れていただくと私が駆けつけますので、連絡してください。ウイングアークさんとは、けっこういろいろなお付き合いがあって。たぶんこのイベントに来られてる方はみなさんご存知だと思いますけど、島澤さんが対談したりするのを記事にしてさらにリーフレットにしたりしています。それから、うちのサービスは、「メディアでどうやって儲けてるの?」とよく言われるんですけど、個人向けサービスとしてはプレミアムサービスというものがあって、だいたい冒頭に話された緑色の会社の方の本を1冊買わなければ実際に利用できるぐらいの金額で、個人向けの情報を提供しています。なので、迷った時はこっちを買う、と(笑)。(会場笑)法人向けサービスも一部やっていますので、またご利用いただける方はWebサイト見ていただければなと思います。以上です。八子 はい、ありがとうございます。各人の自己紹介でございました。

テクノロジーとは、人間の機能の拡張

八子 まず、このパネルディスカッションでは、冒頭にお話したように、「テクノロジーで未来をどうやって変えていくのか? 変わっていくのか?」ということをディスカッションしていきたいと思います。まず端的に一言で言うと、それぞれみなさん、テクノロジーって何ですか? どういうふうに解釈しておられますか?友岡 まず人間の機能の拡張であるということ。八子 ほう、人間の機能というと?友岡 走るとか、見るとか、聞くとか。基本的に人間の機能の拡張を、テクノロジーによって行っていると思います。「その効用は?」というと、すべてのものをフラット化していって、民主化のためのドライバーというんですけれども、高いところにいる人や低いところにいる人が全部フラット化される。個人だろうと法人だろうと、富める者から貧しき者も、どんどんそういう人たちがフラット化して、最終的にそれは民主化をものすごく進めるドライバーになるんじゃないかな、と思っています。例えば、昔は大学の図書館に行かないと、いい本って読めなかったじゃないですか。八子 そうですね。友岡 もうインターネットで、Googleで検索すれば手に入る。まあ、それは端的な例なんですけども、そういった効用があると思っています。八子 能力を補完するものがテクノロジーというのは非常におもしろい解釈ですよね。 齊藤さんはどういうふうにお考えですか?齊藤 僕は、そんなに難しく考えてなくて、親切心だと思うんです(笑)。八子 親切心?齊藤 結局、「自分が楽になる」「自分が稼ぎたい」「自分が出世したい」とかではなくて、他人や家族、他の会社とか、世界をよりよくしていくためにつくるものが、テクノロジーなんですよね。自分自身ではなくて他の人たちをよくしていこう、もっと楽にさせてあげようというふうにしていくのがテクノロジーだと思っています。八子 人間の能力を拡張して、なおかつ、周りの人たちに対して親切であるというのがテクノロジーと。小泉さんはいかがですか?小泉 そうですね。わりと人のできることを拡張するという側面が大きいかなと思うんですけれども、プラスするとすれば、さらに発展して、人ではできないこと、やりきれないことも可能にするためのものだと思っています。

ITを使って本当に勝とうとしているかどうか

八子 テクノロジーについての解釈もまったく違いますが、テクノロジーがあればビジネスとしては勝てるんでしょうかね? 個人の生活は豊かになるかもしれませんけども。友岡 これは……私、今日はエンタープライズITの代表ということで。そういう人たちの世界で言うと、テクノロジーと言うときに、ツールと置き換えをするんですよね。それで、道具と言った瞬間に2通りあって、鉛筆や消しゴムと同じ、文房具的なツールというふうに解釈してしまう人と、そうではなくて戦闘機みたいな、武器・兵器というふうに解釈する人、実は両極端に分かれるんですよ。八子 身近なものなのか、非常にリッチな大きいものなのか。友岡 「しょせんコンピューターなんて、ダメだ。フェイス・トゥ・フェイスで人と会わなきゃ」「行ってなんぼだろ」みたいな義理人情の世界ですね。これが実は人間の世界ではあるんですよね。僕はどちらかというと、どっちもというのはあるんですけども、結局テクノロジーは人間の機能を拡張するので、その拡張する機能をうまく使いこなせる人と使いこなせない人では、2倍3倍ではきかない差が出ると思っています。それで勝てるかどうかということはまた別問題なんだけれども、勝てる確率は相当上がるということですね。八子 自分のビジネスの領域において、能力がどんどん増加された人たちが増えれば、当然勝ちやすくはなりますよね。友岡 そうですね。八子 なるほど。齊藤さんはそこについてはいかがですか?齊藤 情報システムの世界で、今時ITを使えていない会社が勝てるか勝てないかといえば、「まあ勝てないよね」という話なんですけど、勝とうとしているか、勝ちにいくかどうかが問題なんですよ。八子 そうですね。齊藤 だから、積極的にITを使えば戦える。なんなら自分と同じ業種ないしは近しい業種が、ITで戦おうとしているという実情を見ているかどうかは、すごく重要です。それで、本当に使いこなせる人がいるかどうかよりも、その人を集めようとしているかとか、自分がそうなろうとしているかのほうが、よっぽど大事なんですね。例えば、道具の話ですけど、ホームセンターに行く。ホームセンターって工具がいっぱいあるじゃないですか。あれを全部使えるのが、つまり僕なんですよ。でも、そんな奴ほとんどいないんですよ。でも、ITの場合、使おうと思って行くかという人のほうが、よっぽど少ないんです。要するに、鉛筆だったら「安いんだから買えよ」みたいな。「いやいや、月額1人3,000円もかかるのか。ふざけんな」みたいな、値段だけ見て決めてしまう。それは中身が見えていない。だから、本当にどうやって戦おうとしているか、自社自体がどういうふうに変わろうとしているかということをイメージできていないと、そもそも道具の使い方がわからないんですよね。八子 人の能力を強くするという友岡さんの主張もそうですし、齊藤さんの話からすると、それ以前にマインドセットが重要だというところですよね。齊藤 そのとおり。八子 しかも、ちょっとした小さな鉛筆を買う人たちもいるかもしれませんけど、齊藤さんみたいにいきなりチェーンソーを買いに行くような人もいるじゃないですか。(会場笑)齊藤 いやいや、買わない(笑)。僕は戦車買う。(会場笑)早いし、弾当たるし(笑)。八子 やはり自信のある方はだいぶ発言が違いますね。齊藤 (笑)。八子 そういう意思がある人は「もっと強くなりたい」「もっと使えるようになりたい」「もっと能力を強化したい」と言って、やはりテクノロジーをどうやって勝つようなかたちで使うのかという方向に邁進しますよね。齊藤 そうです。

テクノロジーをビジネスに活用するための3つのポイント

八子 そういうことだと思うんですね。小泉さんはいかがですか?小泉 そうですね。おもしろくされると、何言うか忘れちゃうんですけど(笑)。(会場笑)八子 普通のことで(笑)。小泉 あ、普通のことでいいですか。すいません(笑)。テクノロジーそのものでビジネスをしようとしている人と、ビジネスの中でテクノロジーを使おうとしている人によって、まず差があると思うんですよね。それで、テクノロジーで勝負している人はもちろんテクノロジーがないと勝てないですよね。私がすごく顕著だなと思うのが、昔聞いた話なんですけど、日の出の時間が違うことを利用して、各国世界で市場があるじゃないですか。ロンドンとかニューヨークとかね。いろいろなところで市場が開くタイミングのラグを利用して、株などの金融商品を売買する人たちがいるらしいんですけど、そういうことは本当にテクノロジーありきじゃないと、そもそも思いつかないですよね。でも、ビジネスの中でテクノロジーを使おうと思うと、そこそこのところまではわりと人真似でもうまくいったりするんだと思うんですけども、そこから先の部分は、ただ真似しているだけではうまくいかない。なにかそのさじ加減がきっとあるんだろうなと思っていて。うまいところで見極めていくと、テクノロジーでやはり勝負がつくところとつかないところが見えてくるのかなと思いますね。八子 能力が増強されて、意思もあるんだけれども、プロレスラーで言うと負ける人たちもいるわけで。それからすると、勝てる領域を見極めながら、「ここだったら、テクノロジーを適用すれば勝てるんじゃないか」というところを、戦車で言えば重装備になった状態、自分の能力が拡張された状態で攻めていく。そしたら勝てる。そういう話でしょうかね。小泉 はい、そうですね。八子 単純に使えばよいというものでもないことは、みなさんも自ずとはわかっておられるかもしれませんけれども、今の3つの観点というのは、極めて重要なメッセージなんじゃないかな、と思います。能力を上げましょう。でも、意思がいりますよ。ちゃんと見極めたところで、テクノロジーでレバレッジが効くところで、きちんとビジネスをやっていかなければなりませんよということを、今おっしゃっていただいたんですね。

勝てる企業と負ける企業

八子 それをベースにしていただきたいと思うんですけども、じゃあ、勝てる企業と負ける企業を具体的な社名をもっておっしゃっていただければ……あ、ここは写真不可でお願いしますね。(会場笑)小泉 本当に社名で言うんですか?(笑)。八子 それで、大変申し訳ないんですけど、会場にその会社の方がいらっしゃったとしても、ここだけはご容赦いただいて、後で出口のほうで殴っていただければと思います。(会場笑)いかがでしょう? 友岡さん。勝てる企業、まあ、フジテックは入りますよね? 勝てる企業にね。友岡 がんばります。若干元気がなくなっているんですけど。八子 いやいや(笑)。友岡 日本の企業全体で、とくに大手の企業を情シスというところで見た時に、今、「イケてる情シス」と「イケてない情シス」の両極端に分かれているんですよ。2010年ぐらいまでは、ERPを入れた後のサプライチェーン。ここまでは情シスはがんばれたんですね。なぜサプライチェーンでがんばれたかというと、生産管理と販売管理は、もともとあるシステムをインテグレーションすればSCMできたんですね。その両端を持っていたわけです。今IoTになって、情シスはぜんぜんダメですよね。なぜかというと、IoTになると何が起こるかというと、製品をつくる開発・設計という領域と、サービスの領域がつながってくる世界なんですね。その開発や設計に情シスはほとんど入れていないから、邪魔者扱いなんですね。八子 そうですね。友岡 CADでさえも触らせてもらえてないし、PDMも入らせてもらえていない。それで、だいたいUNIX使いがたくさんいるので、メールサーバも自分たちで持っているとか、「情シスいらねーよ」みたいな。そういう人たちに、情シスは入れていないんですよ。サービスはというと、今度は放ったらかしにしすぎているんです。サービスの人たちはなにかを売るところまでで、売った後のところは、実はすごく放ったらかしにされているんですよ。八子 そうですね。友岡 ERPも間尺に合わないし。利益率は高いんだけど売上が小さいので、どんなITシステムを入れても合わないんですよ。だから、どうしても放ったらかしにしているんですね。それでなにが起こるかというと、「俺たちは見捨てられたんだ。自分たちでやる」という。この見捨てられた人たちと放ったらかしにしている人たちをつなぐのがIoT。スマイルカーブで言うと、一番上のサイド。そこに実は情シスは両手がぜんぜん伸びていないので。今、IoTと騒がれたときに情シスになにができるかというと、「ネットワークぐらいかな?」「セキュリティぐらいかな?」、そこしかできていないというところがすごく差が出ています。イケてる企業は情シスがいいのかというとそうではなくて、そのイケてない情シスを完全に放ったらかしにして、事業をどんどん好きなようにやっている。ここがやっぱり勝てているんですよ。八子 なるほど。友岡 この差はありますね。情シスに引っ張られている企業が負けていますね。八子 フジテックはどちらなんですか?友岡 フジテックはどちらかというと、僕が入って、情シスをどちらかというとドライブかけているので、情シス側がいろいろなことを仕掛けているんですね。まあ、尻叩きをしてるという感じです。八子 ということは、現場が動きつつあったところを、情シスがちゃんとブリッジをかけていっている、という勝てる企業ですよね?友岡 がんばります(笑)。八子 はい(笑)。勝てる企業であるという解釈をしたほうがよさそうです。

未来を描いてジワジワとステップを踏む

八子 齊藤さんはいかがでしょうか? 勝てる企業と負ける企業。でも、社名はほどほどにしておいていただけたらと思います。齊藤 勝てる企業になるのは簡単ですよ。僕がコンサルで入っている企業は全部勝てます。(会場笑)八子 後ほど入口で名刺交換していただいて。(会場笑)入った会社はどこなんですか?齊藤 ……あれ、言っていいのかな? これ(笑)。友岡 言っちゃえば(笑)。齊藤 ○○○○さんとか。友岡 あー、○○○○さん。齊藤 ○○○○さんとか。友岡 いい会社だね。みんなメモ取ってるよ(笑)。齊藤 ○○○○さんとか。八子 え、それ勝てる企業ですか?友岡 勝ってますね。齊藤 ○○○○さんとか。八子 齊藤さんが入るだけで勝てるんですか?齊藤 当たり前じゃないですか。呼吸と同じですよ。八子 最強の武器を導入していくんですか? もしくは、マインドセットを上げていく?齊藤 両方です。僕がやるのは、基本的にはまずは物理の世界から入ります。基本的にオンプレがあるので、オンプレをいかにして活用していくかということをやります。捨てにはいかないです。なぜなら、それでみなさん業務が回っているからそこにあるわけで、それをいきなり捨てるという提案はドラスティックすぎるんですよ。まあ、別に捨ててもいいといえばいいんですけど、なるべくきれいに上げられるような、その会社ごとの情報システム部だったり現場の人がついてこられる体力に合わせて、少しずつ変えていくようなシステムにしますね。それで、もちろんAzureの話だったり、AWSの話だったりというところで使えるところも展開していきますし、なんだったらそれぐらい大手の企業になると、勝手にやっている若い連中がいるんですよ。これを拾い上げて、もっと前に出してやるんですよ。そういうのも、現場はぜんぜん拾えないので。八子 先ほどのシャドウITをやっていたり。齊藤 そうなんですよ、わからないので。それをどんどん拾い上げて、統制をかけていくということをしています。その統制というのは制限という意味ではなくて、「より積極的に使いなさい」という、そちらのほうの統制ですね。可視化して制御できると、使えるようになる。「誰に審議を通さなきゃいけない」「誰に申請しなきゃいけいない」みたいなことも、全部ITで解決してあげるという感じですね。八子 だから、あまり一足飛びに高いところを狙っていないんですよね?齊藤 ただ、未来は必ず描きます。必ず「こうしましょう」という未来は描きますけど、そこまでにいくためのステップは、必ず少しずつやって、ジワジワ作戦です。これは友岡さんから教わったんですけど、「ジワジワいけ」という。八子 それと、先ほどの勝ちつつある企業さんというのは、実際に齊藤さんのアプローチでやっておられるわけですね?齊藤 そうですね。結局、縦割りがひどくてコミュニケーションが取れないんですよね。「サーバ部門です」「ネットワーク部門です」「セキュリティ部門です」「自分たちの関係ないところはやりたくないです」って。「おー、わかるわかる」っていう(笑)、「それはわかるけど、そこ全部ワンセットにしないと、ITって活きないじゃん」という話なんですよ。そのあたりをきれいにまとめるという感じですね。

IoTで成功するカギは「ビジネスプロセスを再定義できるか」

八子 ありがとうございます。小泉さんは、いろいろな事例を知る立場からは、どんな企業が勝てる企業で、どんな企業が負ける企業か。とくに負ける企業を聞きたいな。小泉 ええと、事業会社とソリューション提供会社でやることが少し変わってくると思うので。八子 まあ、そうですね。小泉 IoTを見ているので、事業会社とソリューション提供会社で、やっていることがそれぞれ違うわけですよ。ソリューション提供会社は、わりと従来のIT企業が多くて。そういう人たちって、これまでわりと、自分たちが知っている知識量が多くて、知識量が少ないお客さんに対して、自分たちの知識や技術を入れていくタイプの企業が多かったと思うんですね。私はこれを情報弱者のビジネスだと思っているんですけど、そういうことが多かった。友岡さんのところみたいに情シスが強いところは別でしょうけど、普通はそうじゃないわけですよね。そういうビジネスをやってこられたかもしれないんですけど、IoTの世界って、先ほど話が出ましたけど、事業部門に対して提案することになるので、そういうことが通じないんですよね。なぜかというと、やはりわからないことが多いのは変わらないんですけれども、自分たちの商売にプラスになるかマイナスになるかはきっちりわかる人たちなんですよ。そうすると、ただ単に「ツールを入れれば儲かりますよ」という話が、まず通じないわけですね。だから、自分たちの持っているものが、本当にそのビジネスに通じるものでないと、まず受け入れられないところが来ているということが重要で、それができない会社はまず負けるでしょう。もう1個だけ話させてください。事業会社のほうは、ビジネスプロセスを再定義してほしいんですね。自分たちの持っている市場環境だったり、あるいは自分の会社が取り巻いているビジネス全体ですね。例えば洋服を売っている会社であれば、みんな洋服を売るところだけ見るんですけども、洋服をつくる過程だったり、布を仕入れるところだったり、あるいは、売った後にお客さんがどういう生活しているか、といったことですね。そういう自分の事業を取り巻く環境全体を見まわした時に、自分たちの業界が再定義できる可能性があるわけですよ。そういう全体を見回して再定義できるところを見つけた人たちが、今までなかったところのサービスをつくれることになるので、そこはもう圧倒的に勝ちますよね。IoTの成功事例初期に出ているものは、ほとんどこれです。今まで手つかずだったようなところで、自分の足元しか見てなかったような人たちが、自分の足元から目を上げて、周りを見た時に成功しているというケース。だいたいそうなっています。八子 ありがとうございます。そういう意味で言うと、全体を見直していくというのは1つの部門ではなかなか取り組めないですよね小泉 そうですね。

IoTの時代はサイロ型から脱却しなければうまくいかない

八子 今、友岡さんがおっしゃっていたバリューチェーンの上流の部分と下流の部分を、友岡さんが入ったことによって情シスが結びつけていくというお話でしたし。齊藤さんがお話しされたのも、サイロ型になっている情報システムの担当を超えて、いろいろなものを結びつけていくというお話でした。小泉さんのお話も、いろいろな業務の1つのポイントだけではなくて、業務全体を見回して、きちんとそれを結びつけていくというアプローチのお話をされていましたね。だからみなさん、すべてがつながるIoTの時代、デジタルの時代は、少なくともこの分離されている、分割されている、サイロ型になっている、みなさんが目先のことだけに注目をしているところから脱却をして、それをまたがるようなアプローチで改善・取り組みを進めなければ、少なくともうまくいかないということを、お三方はおっしゃったわけですよ。これ、解釈が違っていたら、後で僕が殴られるんですけどね。そういうことですよね?友岡 実際につながろうと思うと、自分たちがまず出かけて、人間的につながらないと、つながらないんですよね。八子 そうですよね。だから、友岡さん、日々飲んでおられるわけですよね?友岡 あー、そうですね。(会場笑)八子 大きな会社で常務にもなられる方が、本当に現場まで下りていかれて、人と人ともつないでいくというか。齊藤 結局、なにが原因かわからないですけど、それに気づいて、それをまとめる部署をつくった会社があるんですよ。ここ、完全にオフレコですけどね。縦割りすぎて、自分ところのクラウドサービスがうまく機能しなくなっているということがあったり、トラブルの対処もすごく遅くなったり。それをまとめる上級のエンジニアの人たちを集める部署をつくってやったら、なにが起きたかというと。ネットワークチームの上流の人たちが敵に行くんですよ。「ネットワークは、サーバとつながってやってください」「いや、それ関係ないんで、僕やりません」とか言って、それで終わっちゃったんです。結局、だからまとめられなかったんですよね。ただ部署をつくったという経営では、ダメなんですね。八子 そうですね。もう1つ、サイロ型されたところをつくっただけですね。齊藤 そうそう(笑)。それではぜんぜんダメで。それはもう本当に失敗事例だと思っています。だから、経営側があまり現場のことを見ていないなという感じはしましたね。

オペレーションを完全に掌握しているユニクロ柳井氏

友岡 すごく変わっていたのは、ファーストリテイリングにいたんですけど、トップの柳井さんが、隅々までのオペレーションをものすごい細かいところも完全に掌握していますよね。だから、そういう企業が勝てるんじゃないですかね。オペレーションを完全に掌握しているところが。八子 掌握している。友岡 そこは……「ITわかんない」「オペレーションわかんない」と社長が言っちゃダメなんですよ。言っちゃう会社は、もう絶対に勝てないです。八子 勝てないですよね。友岡 はい。八子 結局、先ほどの話と関連づけると、能力を増強する気がない、能力を増強しようと思っていない社長だったら、それはもう完全にアウトですよね。しかも全体を把握してないという話になると、まさにそうだと思いますね。そういう意味で言うと、日本企業はそもそも大丈夫なんでしょうかね? それを友岡さんにおうかがいするのもちょっとおかしな感じがしますけども。友岡 僕は2周遅れになってしまっていると思うんですよね。八子 2周遅れ。友岡 ええ。それで、さっきの鉛筆(笑)。「まだITは鉛筆だ」というスタンスの方が、半分ぐらいいらっしゃるんですね。「竹やりだけで戦えるんですか?」というのは、すごく心配ですよね。あとは、情シスで一番よくないのが、「ROI、ROI、ROI」。だから、僕は執行役員だからある程度お金を使えるんですよね。ROIの外側で、僕の使えるお金で「これ、もう遊んじゃえ」ということで。それは、例えば一流バッターでさえも3割ぐらい当たればいいんですからね。柳井さんは『一勝九敗』といって、「だいたい10のうち1勝てばいい」と言っているんだから、回数をとにかく増やさないと。打席に立つ数を増やすのがすごく重要なんですよね。八子 本当にそうですよね。友岡 だから、小さいお金でもいいから、いくつかの小さな取り組みを、とにかくROIを問わずにやってみて、そこからいくつか芽が出るという回数をとにかく増やす。これをやっている会社とやっていない会社でものすごい差が出ると思います。僕もそこはすごく意識していて。やはり早い会社は絶対に勝てるので、そこのスピード感を僕はものすごく意識している。そのスピード感というところでは、お金を考えるのがすごく難しいんですよ。八子 難しいですよね、はい。友岡 ROIをやっている限りにおいては。だから、ROIは置いといて、一番有限な資源である時間というものに対して、もっと鋭敏な感覚で取り組まないと、本当に取り返しがつかないなと思います。そのことに気づいている会社と気づいてない会社は、真っ二つに分かれると思っています。八子 複数年、複数回のトライに対して、ある程度の回数あたりのROIというんでしょうかね、そういうリターンは意識してもいいかもしれませんが、一つひとつに対して、非常に微分のところであーだこーだ言ってもしょうがない話ですよね。

日本企業の契約形態がビジネスを遅くしている?

八子 齊藤さん、いかがですか? 日本企業は大丈夫ですかね?齊藤 僕が十数年前にハードウェアをやっていた時から言われていた話なんですけど、アメリカから基本的にモノが来ます。シリコンバレーとかね。例えば、「新しいIntelのプロセッサが出ました」「なんかテクノロジー来ました」という。当時はクラウドとかがない世界なんですけど。それが、「日本に普及するのに3年かかる」と言われるんですよ。アメリカでどんなにいいものが出たり、インドでいいテクノロジーが出ても、日本に来ると3年かかる。本当にそのとおりだったんですよ。それで、今どうなっているかというと、クラウドの世界でよりインターネットが普及して、誰しもがインターネットを使える世界になったんですけど、これはもっと広がっているんですよ。4年も5年もかかるようになっている。「なにが原因かな?」と思って。1つは契約形態なんですよね。例えば「1つの製品を契約します」「アンチウイルス1個買います」「WindowsのCAL買います」とか、なんでもいいんですよ。なにか買う時に、3年とか5年で契約するんですよ。この契約するまでのROIの資料づくりもそうなんですけど、稟議を通すためのプレゼン資料をがんばってつくったり、価格交渉したり、さんざんやるじゃないですか。「3年でこれでキャッシュ精算できる。5年だったらこれでキャッシュ精算。3年プラス3年で……」みたいなことをやるんですけど。事業速度を遅くしているのは自分たちなんですよ。それで、買ったら買ったで落ち着いちゃうんですよ。買い終わっちゃうと、評価しないんですよね。だから、それがどんな効果が出ているか、何十億、何百億とかけて、ものすごく大きなものを買って、5年分ロックインしました。それで5年間「もう買っちゃったから、他のもの買えません」なんですよ。それは、本当に自分で自分の首を絞めているようなもので、少し高くてもいいから、契約形態をどんどん縮めていかなきゃいけないんですよ。八子 小さなタイムでね。齊藤 そう。だって今、従量課金ってクラウドの世界で当たり前ですよね。「分」ですよ。1分で課金なんですよ。契約が1分サイクルなんですよね。そんなの、ありえないですよ、5年と1分の差なんて(笑)。もう雲泥の差なので。なるべくそこを縮小して、身動き取れるようにしていかないと、世界の変化はあまりにも激しくて、そこにはまったく追いつけないですね。八子 だから、やはりものすごく、自分たち自身で自分たちを閉じ込めてしまうような契約形態になっている。小泉さん、そこについていかがでしょうか?小泉 この場にふさわしくない話かもしれないんですけども、IoTは基本的には、既存の産業が絶対に活躍すると思っているんですね。例えば、もともとある製造業とか、農業でもなんでもいいんですけども、そういう産業が活躍すると思っていて、そういう意味ではすごくチャンスが多いんだろうなと思っています。なぜかというと、それなりにマーケットシェアがある会社が、それなりのことをやれば当然それなりの結果が出ますので。なにもないところから新たになにか事業を興すってすごくエネルギーがいりますよね。例えば、Tesla。みんな「すごい」と言っているけど、Teslaの販売台数ってトヨタの比ではないじゃないですか。確かにすごいんですけども、すごいからといって既存のマーケットを極度におびやかしているわけではないんですよ。大事なことは、「じゃあ自分たちがそれで安泰か」と思ってしまうとやはりダメで、お二人がおっしゃるように、デジタルの世界はみなさんが思っている以上に進んでいます。さっき、分だ、秒だという話が出ていましたけど、すごく高速なんですよね。八子さんはご存知だと思いますけど、私が20年前にAIの研究をしていた頃にスーパーコンピューターでも1週間かかっていたことが、今、クラウドにポンと投げると1時間ぐらいで返ってきたリするわけですよ。それぐらい処理速度が上がっているコンピューターがある状態で、それを活用しないでなにかの処理をしている人たちと、活用して処理をしている人たちの間だと、優に1週間ぐらいの差が出るわけですよ。わかりやすい話ですよね。なので、今ある環境に対して、自分たちのビジネスドメインをどういうふうに変えていけば、新しい世界に行けるのかということを、自分たちの中できちんと作戦を立てなければいけない。なのに多くの大手企業は、「改善をするのが大事だ。今、自分たちの足元に見えていることをやらなくてどうするんだ」ということを必ず言うんですね。それは確かに大事なんですよ。「やらなくていい」なんてぜんぜん思っていないです。でも、自分たちのキャッシュのうちの何割かは新しいことに向けるとか、何割かの人材は新しいことに向けるということをやらない限り、それはどんどん改善していけば、今やっていることは研ぎ澄まされるかもしれないけれども、まったく新しい波がやってきたら、ザバンと飲み込まれて終わりですよ。これがたぶんこの10年間、クラウドの世界に飲み込まれた日本の実態だと思っているわけですね。だから、みなさんたぶんチャンスはあると思うので、どういうふうにマインドセットを変えていくかということが、日本企業が勝ち抜くためのポイントだと私は思います。

とにかく「やってみなはれ」

八子 ありがとうございます。ちょうどお時間にもなりましたので、最後に簡単に一言だけいただければと思います。友岡 私の大尊敬する松下幸之助さんがいつも言っていた言葉で、「やってみなはれ」ってあるじゃないですか。これですよね。八子 そうですよね。友岡 「やってみなはれ」を上の人が、部下の方々に言ってほしいなと思いますね。八子 ありがとうございます。齊藤さん、いかがでしょうか?齊藤 本当にまったく同じですね。とにかくやることですよね。自分で体感して、自分で体験をして評価できないと、まったく説得力がないので。とにかく小さい規模でもいいので、とにかくやってみる。それで、結果がどうだったかを評価しましょう。八子 小泉さん、いかがでしょうか?小泉 そうですね。モノの見方を変えましょう、ということですかね。今までどおりのモノの見方をしているだけだと、やはりなにも変わらないので、ぜひいろいろな方とぜひ話し合っていただいて、モノの見方を変える習慣をつけたらいいと思います。八子 ありがとうございます。短い時間ではありましたけれども、非常にエッセンスの濃いお話がお三方から聞けたんじゃないかなと思います。テクノロジー自体がみなさんの能力を増強させるものであるというところは、共通認識だと思いますけれども、意思を持って、ちゃんと勝てるところで使わないと難しい。なおかつ、どんどん早いスピードで、いろいろなことに対してトライ&エラーをしていく。そして、それに対して、小さなことに対して目くじらを立てて、失敗したであるとか、効果を問わない。そして、見方を変えて、経営の観点で、どういうかたちでどこをどんなふうにつないでいけばいいのかという、サイロ型になったところをどんどんつないでいくことによって、大きな効果をもたらす、ビジネスの変革をもたらす。それがテクノロジーで将来勝ち抜くための、1つのポイントなんじゃないかなというところが、今日この場で話し合われたお話なんじゃないかな、と解釈をさせていただきまして、このパネルディスカッションを終わらせていただきたいと思います。もう一度お三方に、盛大な拍手をお願いいたします。(会場拍手)

  

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2018年2月21日水曜日

英銀ロイズ1012月20減益テクノロジー投資自社株買いを発表 - ブルームバーグ

住宅金融で英最大手ロイズ・バンキング・グループの2017年10-12月(第4四半期)決算で、税引き前利益が前年同期比20%減少した。

  同行は21日、決算と同時に新たな3年間の戦略プランを発表。30億ポンド(約4500億円)強のテクノロジー投資と最大10億ポンドの自社株買いの計画を示した。

  10-12月期の税引き前利益は7億8000万ポンドと、ブルームバーグ・ニュースがまとめたアナリスト4人のコンセンサス(8億7700万ポンド)を下回った。支払保証保険(PPI)の不当販売に絡む補償のため6億ポンドを費用計上したことが重しになった。

原題:Lloyds to Invest $4.2 Billion in Digital Push, Buy Back Shares(抜粋)

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