2018年4月3日火曜日

日本株続落米ISM統計低調とテクノロジー株安輸出資源下げる - ブルームバーグ

3日の東京株式相場は続落。米国供給管理協会(ISM)の製造業統計が低調だったほか、アマゾン・ドット・コムやインテルなど米テクノロジー株の急落を受け、投資家心理が悪化した。電機や機械株など輸出セクター、海運や商社など景気敏感セクターが下げ、海外原油市況の下落から石油株も安い。

  TOPIXの終値は前日比4.98ポイント(0.3%)安の1703.80、日経平均は96円29銭(0.5%)安の2万1292円29銭。

  セゾン投信運用部の瀬下哲雄運用部長は、「米国のISMは先行指標の新規受注が悪く、需要が高まっていない中、仕入れ価格上がっているのは悪い物価の上昇であり、米国による鉄鋼とアルミの関税引き上げの悪影響が既に出てきた印象」と指摘。鉄鋼価格の上昇は、「車などの価格上昇にもつながり、好調な米景気を冷やすことになる」と懸念を示した。

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  ISMが2日に発表した3月の製造業景況指数は、前月の60.8から59.3に低下し、市場予想の59.7も下回った。新規受注は61.9と3カ月連続で低下、仕入れ価格指数は78.1と4カ月連続で上昇し2011年4月以来、7年ぶりの高水準となった。ISM製造業調査委員会のフィオレ会長は、「3月の仕入れ価格指数が上昇した主な原因は輸入関税だ」と述べている。

  大和証券の壁谷洋和チーフグローバルストラテジストは、「米中貿易摩擦の着地点が見えてこないことが不安心理を高めている。貿易摩擦はマイナスの影響しかなく、両国との関係性が深い日本経済も無傷ではいられない」と言う。

  きょうの日本株は、祝日休場明けの米国株が大幅安となった上、海外原油市況の下落や為替の円高推移も嫌気され、TOPIXと日経平均は1%以上下げて始まった。その後日経平均は332円(1.6%)安まで下落、押し下げ役は東京エレクトロンやアドバンテストなど半導体製造装置株、ファナックなど値がさのハイテク株だ。2日の米市場では、アップルが自社製半導体に切り替えるとの観測が広がり、インテルを含むフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が3.9%安と急落。トランプ大統領がツイッターで批判したアマゾン・ドット・コムを含む通称「FANG」銘柄も下げた。

  セゾン投信の瀬下氏は、「米テクノロジー株は『FANG銘柄』が成長期待から買われ過ぎていた面もあり、ネガティブなニュースに反応もしやすく、下落が大きい」とみている。

  ただし、日本銀行による指数連動型上場投資信託(ETF)買いへの期待が広がったほか、為替の円高方向への動きも限られたため、午後は下げ渋り。きょうのドル・円は午前に一時1ドル=105円70銭と前日の日本株終値時点106円31銭に比べ円が強含んだ後、午後は106円付近までドルが戻した。大和証の壁谷氏は、「為替のドル安・円高進行で業績不安も高まるが、米経済の堅調が維持されており、円高がずるずると進むことはないとみられ、株価が下がった場面では押し目買いが入りやすい」と話していた。

  東証1部33業種は石油・石炭製品、その他製品、海運、その他金融、電機、機械、卸売、輸送用機器など22業種が下落。上昇は水産・農林、陸運、小売、電気・ガス、食料品、医薬品など11業種。売買代金上位では、産業革新機構などが保有株を売り出すルネサスエレクトロニクス、ジェフリーズが業績予想を下げたSMCやファナックが安い。半面、コインチェックを買収方針と日本経済新聞が報じたマネックスグループが急騰。東京ディズニーリゾート2パークの入園者数が増えたオリエンタルランド、トヨタ自動車とカーシェアサービスで提携するパーク24も高い。

  • 東証1部の売買高は13億1181万株、売買代金は2兆2471億円と代金は前日から34%増えた
  • 値上がり銘柄数は787、値下がりは1220

  
  

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