8日の米株式相場は上昇。朝方下げて始まったものの、その後反転した。テクノロジー株が上昇した一方で、金融株は下落。共和党の税制改革法案をめぐる議会での調整が難航するとの懸念が背景にある。ドルと米国債、原油は下落した。
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株価指数ではテクノロジー銘柄の比重が大きいナスダック100指数の上げが目立った。一方でKBW銀行指数は4営業日続落。7日投開票された州知事選などの選挙結果を受け、トランプ大統領による企業寄り政策の実行性を巡り懸念が広がった。KBWは選挙結果を「大虐殺」と表現し、議会共和党は税制の内容に関して大衆迎合的なトーンを強める可能性があると指摘した。
S&P500種株価指数は前日比0.1%上昇の2594.38。ダウ工業株30種平均は0.1%未満高い23563.36。米10年債利回りはニューヨーク時間午後4時半現在、2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.33%。
ニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が続落。メキシコ湾岸のプラットフォーム閉鎖で相場は急上昇する場面もあったが、米国の供給増加を背景に売りが優勢となった。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物12月限は前日比39セント(0.7%)安の1バレル=56.81ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント1月限は20セント下げて63.49ドル。
ニューヨーク金相場は上昇。ボラティリティーの指標が引き続き低下するのに伴い、金は100日移動平均線に沿った動きが続いた。ニューヨーク時間午後1時56分現在、金スポット相場は前日比0.6%高の1オンス=1283.46ドル。10月下旬以降、100日線付近での推移が続いている。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は前日比0.6%上昇の1283.70ドルで終了した。
FTNファイナンシャルのチーフエコノミスト、クリストファー・ロウ氏は電子メールで、「きのうの選挙で民主党はバージニア州とニュージャージー州の知事選で勝利したほか、州議会でもほぼ全ての州で民主党が議席を伸ばした」と指摘。「主要選挙のない年の選挙では、結果は投票率次第となりがちだ。少数派を支持する有権者が積極的に投票所に向かうため、野党が得票を伸ばすことが多い。それでも前日の結果は共和党に、法案可決までの時間が限られていることを思い起こさせただろう。何も成し遂げていないとの見方で支持基盤が弱まるならば、なおさらのことだ」と述べた。
ただ、株式相場の上昇は政治的なせめぎ合いとはおよそ関係ない状況が続いている、との指摘もある。
ハートフォード・ファンズで投資コンサルティングチームの責任者を務めるブライアン・クラウス氏は、ブルームバーグ・ニュースとのインタビューで「多くの人がここ数カ月の市場の動きをそうしたイベントと関連付けたがっているが、実際にはほとんど関係ない」とし、「理由は力強い企業決算と低金利、世界同時成長だ。昨夜のバージニア州での選挙結果ではない」と続けた。
原題:Stocks Gain as Tech Strength Offsets Weak Banks: Markets Wrap(抜粋)
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