5日の東京株式相場は、TOPIXが反発。ばら積み船運賃市況の続伸が好感された海運株、アナリストが投資判断を上げた共英製鋼など鉄鋼株が業種別上昇率上位。国内景気の堅調を背景に内需セクターも買われ、陸運や建設、冬物衣料が好調のユナイテッドアローズなど小売株が高い。
半面、米国市場で半導体などテクノロジー株の下げが目立った影響から電機、精密機器株は安く、日経平均株価は続落した。
TOPIXの終値は4.10ポイント(0.2%)高の1790.07、日経平均株価は84円78銭(0.4%)安の2万2622円38銭。
大和住銀投信投資顧問・株式運用第1部バリューグループの岩間星二シニア・ファンドマネジャーは、「景況感は引き続き良好なことや金余り状況が続く中、投資家の物色意欲は旺盛なだけに、来年を見据えたフライングも加わり、これまでの人気業種が売られ、不人気業種が買われるリバーサルが起きやすい時期」と話した。
東証外観
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
4日の米国株はアマゾン・ドット・コムやエヌビディアなどテクノロジー株中心に売られ、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は1%超下落。半導体主要企業で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は2.5%安と大幅続落し10月19日以来、およそ1カ月半ぶりの安値を付けた。
この日の日本株は、米テクノロジー株の下落で投資家心理が悪化し、半導体を含む電機株などを中心に売りが先行。日経平均は一時184円安まで下げ幅を広げた。しかし、良好な国内景気状況に対する安心感などから株価の先高観が根強い中、徐々に下げ渋るとTOPIXは午後に入りプラス圏に浮上。SMBCフレンド証券投資情報部の松野利彦チーフストラテジストは、「国内景気は悪くない。気温も低いことで小売業界の足を引っ張る材料にも乏しい」と言う。
4日午後に発表された日本の11月の消費者態度指数は3カ月連続で改善。紳士・婦人衣料と雑貨のUアローズの11月の既存店売上高は前年同月比6.6%増となり、ダウンコートやウールコート、ニットなど冬物衣料が好調だった。大和住銀の岩間氏は、日本株の現状について「循環物色で投資対象が広がれば、悲観すべきではない」とみている。
東証1部33業種は海運、鉄鋼、陸運、建設、電気・ガス、不動産、小売など22業種が上昇。海運は、ばら積み船運賃市況のバルチック海運指数が4日の取引で2.2%高と12営業日続伸、市況の上昇基調が鮮明で、業績好転期待が広がった。鉄鋼では、電炉の共英製鋼にみずほ証券が投資判断を「買い」に上げる材料があった。
半面、その他製品、精密機器、電機、医薬品、サービス、化学、輸送用機器など11業種は下落。年初から前日までの33業種の騰落をみると、その他製品や電機、化学などが上昇率上位となっており、これまでの高パフォーマンス業種から資金が流出している格好だ。
売買代金上位では新日鉄住金や大東建託、花王、ニトリホールディングス、日本郵船が高く、東海東京調査センターが投資判断を上げたコマツも堅調。これに対し、東京エレクトロンやSUMCO、信越化学工業など半導体関連銘柄が軒並み売られ、任天堂やリクルートホールディングス、沢井製薬、日東電工の下げも目立った。
- 東証1部の売買高は14億7712万株、売買代金は2兆6899億円
- 値上がり銘柄数は1055、値下がりは905
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