2017年10月16日月曜日

医療テクノロジーが問う死と人間性の未来 - エキサイトニュース

人工臓器、脳神経インプラント、ナノボット──。実用化が進む最先端の医療テクノロジーが人間にもたらす「希望」と「危機」を、『Beyond Human』の著者イブ・ヘロルドが語る。

医療テクノロジーが日々進化するなか、「死」とは何か、「人間性」とは何かという問いかけへの答えが、今ほど求められている時代はない。

「人工心臓」の登場で、「自然な死」と「人工的な死」の線引きは曖昧さを増している。患者が寿命を迎え、他の臓器が機能停止に陥ったとき、植え込み式除細動器(ICD)から送られる電気ショックで苦しむ患者を前に、医者はICDの停止を決断すべきなのか。医療テクノロジーの進歩は実にエキサイティングだが、極めて複雑な問題を生み出している。

現在、米シンカーディア・システムズ社製の「全置換型人工心臓」を体内に埋め込んだ患者は、世界で1700人近くに上る。2016年に出版した『Beyond Human』(邦訳『Beyond Human 超人類の時代へ』佐藤やえ=訳、ディスカヴァー・トゥエンティワン)の執筆当時は1200人だったことを考えると、非常に速いペースで増えていることがわかる。

世界には、臓器移植が必要な心臓病患者が2600万人ほどいるが、供給が足りないため、移植までのつなぎとして、人工心臓が開発された。だが、人工心臓で5年近く生きているトルコ在住の男性を見てもわかるように、つなぎ以上の機能を発揮する例が増えている。

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