2017年8月31日木曜日

オカリナ 師に贈る音楽祭 - 読売新聞

 ◇来月3日 久万高原

 ◇普及と交流 舛岡さんの遺志継ぎ演奏

 久万高原町で9月3日、オカリナをメインにした野外音楽祭が開かれる。きっかけは昨年3月に亡くなった男性が、町内で3年前にボランティアで始めた障害者向けのオカリナ教室だった。関係者は「音楽祭を成功させて、感謝の気持ちを伝えたい」と意気込んでいる。(福永健人)

 オカリナが趣味だった元松山市立小校長の舛岡誠一さん。2011年3月に市立石井北小を退職後、県内各地でオカリナを指導し、教え子に自作品を贈るなど普及に取り組んだ。13年に県内の奏者らと「えひめオカリナ協会」を設立し、初代事務局長に就任した。

 「一生懸命練習している人を、全力で応援したい」

 久万高原町での活動は14年3月、町社会福祉協議会職員の林智美さん(59)が視覚障害者も参加できる音楽教室を探している、と人づてに聞いたことから始まった。

 最初の生徒は、50~60歳代の視覚障害者3人と林さん。舛岡さんが楽譜の音符を「ド、レ、ミ」と読み上げ、メロディーを教えた。

 音が少し出ただけでも、「とてもいい音だね、その調子」などと褒めた。一人一人の癖を否定せず、その癖に合わせて楽器の穴の位置を調整するなどした。吹ける曲が増えると自分のことのように喜んでくれた。

 他の障害者や健常者らとの交流ができるようにと、地域イベントや福祉施設への慰問演奏も企画。その演奏を通じて知り合った精神障害者たちが希望したことから、同町の就労支援施設「あっぷるハウス久万」で2か所目の教室を開いた。

 生徒が約50人に増え、活動が軌道に乗り始めた16年3月、舛岡さんは病気のため、65歳で亡くなった。その遺志を、協会設立当時から一緒に活動してきたオカリナ奏者の浅野翔子さん(53)(松山市)らが受け継いだ。同町のオカリナ愛好家の輪は現在、60人以上に広がっている。

 野外音楽祭「久万高原町の魅力発信! 音楽イベント キイテクダッサ~イ」(入場無料)は午前10時~午後3時、同町西谷の姫鶴平キャンプ場で。協会所属のオカリナ奏者らが「少年時代」「となりのトトロ」などを演奏し、舛岡さんの教え子らの発表会もある。

 同町のNPO「くまたのWG」が舛岡さんの生前の活動を知り、町おこしプロジェクト「久万高原町をオカリナの里に」を始めようと、協会に呼び掛け企画。体験コーナーもあり、初心者も気軽に演奏できる。

 雨天時は同町中津の「やなだにさんさんドーム」で。問い合わせは同NPOの大野淳代表(090・9868・5726)。

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