- 2017/08/19
- 遠藤正賢
【新型アウディA8のテクノロジー】48V主電源システムとV6 3.0 TFSI e-tronを含む6種類のパワートレイン
PHV「A8 L e-tronクワトロ」には「予測効率アシスタント」とワイヤレス充電システムを採用
7月11日にスペイン・バルセロナで開催された「アウディサミット」で世界初公開された、4代目アウディA8。この新たなるフラッグシップサルーンに採用された最先端のテクノロジーを、分野別に紹介する。
全車に48V主電源システム、8速AT、「クワトロ」を搭載
新型アウディA8のエンジンとしては、まず286hpディーゼルおよび340hpガソリンの3.0ℓ V6直噴ターボ(V6 3.0 TDI/V6 3.0 TFSI)が用意され、2018年には435hpディーゼルおよび460hpの4.0ℓ V8直噴ターボ(V8 4.0 TDI/V8 4.0 TFSI)、さらにその後はロングホイールベース仕様「A8 L」用として585hpの6.0ℓ W12ガソリン直噴ターボエンジン(W12 6.0 TFSI)が設定される。
新型A8ではこれら全てのエンジンに、新開発の48V(ボルト)主電源システムと、それをベースにしたマイルドハイブリッドシステムを搭載。その電力はベルトを介してエンジンのクランクシャフトと連結されたベルトオルタネータースターター(BAS)から供給されるとともに、荷室床下のリチウムイオンバッテリーに蓄電。従来からの12Vシステムはサブ電源として使用され、48Vシステムから電力が供給される。
この48Vシステムを搭載したことで、55~160km/hで走行中に最長40秒間、コースティング(無負荷走行)によるゼロエミッション走行することが可能になった。なお、22km/h以上で走行中にドライバーがアクセルペダルを踏み込むと、オルタネータースターターが反応して、即座にエンジンが再スタート。制動時はBASにより最大12kWの電力を回生することなどにより、実走行時の燃費を100kmあたり0.7ℓ減少させた。
そのほか、V6 3.0 TFSIを除く全てのエンジンにアクティブエンジンマウントを採用。V8 4.0 TFSI、W12 6.0 TFSI、V6 3.0 TFSI e-tron(詳細は後述)にはさらに、アクティブノイズキャンセレーションを搭載して、振動・ノイズを低減している。なお、2018年内には、ガソリンエンジン用の微粒子フィルターも導入される予定となっている。
全エンジンに組み合わされるZF製8速ATには、遠心振り子を備えたエンジン回転数対応型トーションダンパーを搭載し、不快な振動を吸収。さらに、エンジンを休止しコースティングに入ると即座にトランスミッションのクラッチを切り離してパワーフローを遮断するため、初めて電動オイルポンプを採用した。
全車に標準装備される「クワトロ」フルタイム4WDシステムは、通常は前後40:60の割合で駆動トルクを配分するが、スリップが発生すると駆動トルクをフロントに最大70%、リヤに最大85%配分してトラクションを確保する。
さらに、重量を1kg軽量化するとともにレスポンスを高め、制御もより緻密にした「スポーツディファレンシャル」を全車にオプション設定。「アウディドライブセレクト」と連携して後輪左右の駆動力配分を調整することで、操縦安定性を高めることができる。
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