ドラフターとは製図板のこと。両手を広げた大きさがあり、これにA1判の方眼紙を貼り付けて、手描きで製図を行います。鉛筆書きなので、修正があれば消しゴムで消しますし、夏場には手の汗で紙が“ワカメ”状になるといった苦労もあります。しかし、ドラフターならではの大きな利点がありました。それは、情報を共有できることです。
ドラフターは、自分の机の隣や対面に置くものです。そのため、ドラフターに貼り付けた図面は誰でも簡単に見ることができます。これが最も大切な点です。新入社員や若手社員が、先輩や上司の設計作業を目の前で観察することができるからです。描く手順や、描く速さ、機構などをどのように考えたかも知ることができます。“師匠”の作業を目の前で見ることができる。これは最高の教材です。
一方、先輩や上司は、机から顔を上げれば、新入社員や若手社員のドラフターが見えます。そのため、図面の品質や進捗はもちろん、手が止まっていればどの部分で悩んでいるのかも一目瞭然です。これをチラ見しながら良いタイミングでヒントを与えたり、アドバイスを行なったりできるのです。これは、まさに理想のOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)。不具合点を適宜うまく軌道修正していくので、設計品質を高めながら、日程の遅れも防ぐことができました。まさに“一石三鳥”です。
via テクノロジー - Google News http://ift.tt/2vbV2oX
0 件のコメント:
コメントを投稿